<SUPER AGURI FERNANDEZ RACING>
2005 IRLインディカー・シリーズ第16戦「ワトキンスグレン・インディ・グランプリ」
■■■9月24日予選■■■
天候:快晴/気温:20℃
<ドライのプラクティスセッションで新セッティングの効果を再確認>——
朝方は気温7℃以下という冷え込みぶりだったが、今週3回目のプラクティスが始まった午前10時20分、ワトキンスグレンのサーキット上空には素晴らしい青空が広がっていた。ウエットとドライの両コンディションでの走行だった金曜日から一転、予選日は終日好天に恵まれ、パナソニックARTA/パノス・Hondaに乗る松浦孝亮はドライコンディションでの走り込みを行うことができた。
予選を前に11周をこなした松浦は、1分33秒2467をマークした。前日の自己ベストラップを一気に2秒5249も縮めて、自信と希望を胸に予選へと臨んだ。
<集中力を高めての予選アタック>————————————–
IRLインディカー・シリーズは今年からロードレースを行っているが、その予選方式はシングルカー方式と、グループ方式の2本立てとなっている。プラクティス初日のラップタイムが遅いドライバーから1台ずつタイムアタックを行い、全員が走行を終えた後に、このタイムアタックの上位6人が10分間のグループセッションでフロント3列のグリッドを競う合うのである。第3戦セント・ピーターズバーグでトップ6入りを惜しくも逃す7位となった松浦は、3戦目のワトキンスグレンでグループセッション進出を実現すべく全力を注いだ。
<ボトミングするマシンでタイム更新はならず>————————–
しかし、アタックを始めた松浦のマシンはボディ下面が路面と干渉する状態で、思い切ったアタックを行うことができなかった。ロードコースでの予選ではタイヤウォーマーの使用が許されるが、ピットからコースインしてしばらくすると松浦のマシンはタイヤの温度が下がり、アタックが開始されるようになっても、タイヤは適正温度まで上がり切らずにいたのだ。それでも松浦は持てる力を絞り出して限界ギリギリのところでマシンをコントロールし、1分33秒7564をマーク。15位にランクされた。
■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「マシンの状態は本当にいいので、おもしろいレースができると思います」
「予選はマシンがボトミングしていてタイムが出せませんでした。ボトミングするとブレーキングは安定しないし、トラクションもかかりません。マシンはとても良くなっていただけに残念な結果です。予選アタックはスピンせずに走り切れたのが不思議なぐらいの状況でしたが、自分としてはアクセルをできる限り踏んでいきました。ボトミングの原因は、タイヤの内圧が十分でなかったことです。予選結果は15位。当然この結果は悔しいものですが、作戦面から考えると中団グループにいるより後方グリッドからの方が有利なのがインディカーのレースです。明日のレースはどんな天候になるかはわかりませんが、雨が降ることなどがあった場合はすばやい対応ができますから、作戦面もうまく味方につけて上位でのフィニッシュを果たしたいと思います。昨日に比べてマシンの状態は本当に良くなっています。それに、ダウンフォースをつけていてもストレートのスピードが今週は速い。これはレースでは戦うための要素になると思います。オーバーテイクポイントはインフィニオン・レースウェイとは違って2カ所以上ありますから、今回の方がレースはおもしろいものになるはずです」
<サイモン・ホジソン:チームマネージャー>
「タイヤの内圧不足が予選不振の原因のすべて」
「予選でのパフォーマンス不足はタイヤの内圧不足がその理由のすべてだった。ロードコースでの予選ではタイヤウォーマーを使用するため、タイヤの内圧はタイヤウォーマーを使用しない時より若干だが低めとする。それはこれまでのロードレース2戦でも同様だった。しかし、今回はピットロードからコースへと出たところですでにタイヤ温度は我々の狙っていたものより低い値になっており、ウォームアップラップを終えてもまだ十分なレベルまで上昇してこなかった。その結果マシンはボトミングし、ブレーキングでのコントロール性が下がるなどがあった。コウスケに苦しいドライビングを強いることとなってしまった」
<ロードコースの予選の戦い方をチームで再考>————————–
「今回なぜタイヤ温度が下がってしまったのか、来シーズンのロードレースに向け、その分析をまずは行う必要がある。外気温がこれまでの2戦に比べて明確に低かったのが原因なのか、ワトキンスグレンのような長いストレートを持つコースにおいては、ウォームアップラップをもっとハードに走る必要があるのか、などをもう一度検討するつもりだ。
与えられた時間の中でマシンのハンドリングは大きく向上させることができた。予選では1分32秒台に入れる自信があっただけに、今回の結果は実に悔しいものとなった。トップ10入りは充分に狙えると我々は考えていたのだ。チームとしてロードコースでの予選の戦い方を今より大きく向上させることが必要だ。プラクティスまでに行うシミュレーションについても深く検討をし直す必要があるだろう」
<決勝は柔軟性のある作戦で臨機応変な戦いを目指す>——————–
「明日のレースに関しては、非常に大きな期待感を持っている。今日はもうセッティング変更は行わず、決勝日朝のプラクティスで細かなセッティング変更を試みて、ベストの状態でレースに臨む。後方からのスタートは作戦面に柔軟性を持たせることが可能だ。作戦を状況に応じて上手に組み立てることができれば、インフィニオンでのように予選ポジションを大きく上回る順位でのゴールは可能だ。マシンの仕上がりは良いのだから、レース展開や作戦をフルに味方につけて上位でのゴールを実現したい」