INDY CAR

●インディ・カー・シリーズ第15戦シカゴランド【決勝】ウエルドンが年間最多勝利記録更新となる6勝を挙げ、チャンピオンに王手

<US-RACING>
予選5位からスタートしてトップ争いを演じていたウエルドンだったが、2回目のピット・ストップの際にピット・ロードで痛恨のスピード違反を犯し、17番手まで後退。しかしレースで完璧なマシンを得ていたウエルドンはそこから追い上げ、見事今シーズン6勝目を飾った。カストロネベスが最後までウエルドンを追うものの、わずか0.0133秒差で2位。シリーズ最多優勝記録を更新したウエルドンは、ランキング・ポイントで2位のカナーンに102ポイントもの差を広げた。次のレースでプラクティスを1周でも走行すれば12点が入るため、自動的にチャンピオンとなる。安川は15位でフィニッシュし、松浦は20周目のクラッシュに巻き込まれてリタイアに終わった。
PEAK ANTIFREEZE INDY 300 RACE SPECIFICS:
Lap by Lap
・レースは1周1.5マイルのオーバル・コースを200周する計300マイル
・ピットレーンの速度制限は96Km/h
・スタートのグリーン・フラッグは、マシンがコースインしてから3周目に振られる
・レースで使用できる燃料は合計135ガロンまで
・3度インディ500を制したジョニー・ラザフォードがシヴォレーSSRのペースカーで先導
PEAK ANTIFREEZE INDY 300 PRE-RACE:
午後12時45分、気温は31度で湿度は55パーセント。南南西風速4メートルの風が吹く。空は快晴。ファイアストンのエンジニアの情報によると、コースの路面温度は46度
午後12時48分、国際宇宙ステーションの宇宙飛行士、ジョン・フィリップスが「ジェントルメン、スタート・ユア・エンジンズ!」のエンジン始動の号令をかける。23台のマシンがいっせいにエンジンを始動してグリッドを離れる。
PEAK ANTIFREEZE INDY 300 RACE RUNNING:
Lap 1:グリーン・フラッグ。パトリックが集団をリードしてターン1へ侵入。トップと2位のタイム差は0.0201秒
Lap 2:シェクターがパスを仕掛けてトップに立つ
Lap 5:シェクターがウエルドンを0.4187秒リード
Lap 10:シェクターがホーニッシュを0.0731秒リード
Lap 15:シェクターがホーニッシュを0.885秒リード
Lap 20:イエロー・フラッグ。ターン3でブリスコー、バロン、松浦の3台が絡むアクシデント発生。最初にブリスコーのマシン右側とバロンのマシン左側が接触してブリスコーが宙に舞い、ターン3のSAFERバリアとその上のフェンスへ激突した。バロンは自力でマシンから脱出。ブリスコーはIRLセーフティ・チームの手を借りてマシンから脱出。松浦のマシンはターン4のSAFERバリアへ衝突して、ターン4の出口でストップ。松浦もIRLセーフティ・チームの手を借りてマシンから降りた。フルコース・コーション下での順位はトップがシェクターで、以下ホーニッシュ、ウエルドン、カナーン、フランキッティ。
Lap 27:トップ・グループがピット・インしてタイヤ4本交換と燃料補給を行う。カストロネベスはウイングを調整、シャープはタイヤ空気圧を調整、ライスはタイヤ空気圧とウイング調整をそれぞれ行った。シェクターがトップでピット・アウトし、以下ホーニッシュ、カナーンと続く。
Lap 28:レッド・フラッグ。2004年のインディアナポリス500で雨になった時以来の赤旗中断。アクシデントによる赤旗中断は、2003年のテキサス以来。
午後1時33分:フェンスの修復のために17分間の中断後、レース再開。赤旗中断後にレースが再開となったのは、1996年のラスベガス・モーター・スピードウェイ以来。
Lap 29:フランキッティがピット・インして燃料補給と左リア・タイヤを交換。クルーによると、タイヤには釘のようなものが刺さっていたとのこと。ディクソンがピット・インしてダメージを負ったサスペンションを修復。
Lap 31:グリーン・フラッグ。
メディカル情報:IRLメディカルスタッフのジェイソン・リンダー医師によると、バロンと松浦は診断の結果異常なしとのことで、センターからリリースされる。ブリスコーは意識はあるものの腰の痛みを訴えていることから、大事をとって最寄の病院へヘリコプターで搬送、頭部の診断も受ける。
Lap 35:シェクターがホーニッシュを0.0905秒リード。
Lap 40:ウエルドンがシェクターを0.1372秒リード。
Lap 45:ウエルドンがシェクターを0.1239秒リード。
Lap 50:ウエルドンがシェクターを0.1978秒リード。
Lap 55:ウエルドンがシェクターを0.1705秒リード。
Lap 62:ウエルドンがシェクターを0.1489秒リード。
Lap 65:ウエルドンがシェクターを0.1497秒リード。
Lap 70:ウエルドンがシェクターを0.0778秒リード。
Lap 75:ウエルドンがシェクターを0.1775秒リード。
Lap 78:カストロネベスがピット・イン、タイヤ4本交換と燃料補給を行う。
Lap 79:ウエルドンとパトリックがピット・イン、タイヤ4本交換と燃料補給を行う。
Lap 80:ホーニッシュ、カーパンティエ、メイラ、J.ラジアがピット・イン、タイヤ4本交換と燃料補給を行う。
Lap 81:シェクター、カナーン、フランキッティ、ライスらがピット・イン、タイヤ4本交換と燃料補給を行う。カナーンは加えてウイング調整を行う。
Lap 82:シャープがピット・イン、タイヤ4本交換と燃料補給を行う。
Lap 83:B.ラジア、安川、ハータらがピット・イン、タイヤ4本交換と燃料補給を行う。
Lap 84:リーダーのエンゲがピット・イン、タイヤ4本交換と燃料補給を行う。
Lap 85:ピット・ストップ後、カストロネベスがウエルドンを0.1986秒リード。
Lap 90:カストロネベスがホーニッシュを0.1137秒リード。
Lap 95:カナーンがカストロネベスを0.1499秒リード。
Lap 97:イエロー・フラッグ。ターン3付近でパーツの破片が見つかる。
Lap 99:ほとんどのマシンがピット・インを終了。タイヤ交換と燃料補給を済ませる。この時点でハータはピット・インせず。ピット・ストップ後に最も早くコースへ復帰したのはカナーンで、以下カストロネベス、ホーニッシュと続く。
このストップでカナーンは燃料補給のみ、ウエルドンはピット・レーン・スピード違反のためペナルティ。集団の後方へと下げられる。
Lap 102:ウエルドンがピット・インして燃料補給を行う。
Lap 104:グリーン・フラッグ。ハータとカナーンがサイド・バイ・サイドでターン1へ進入。
Lap 112:カナーンがホーニッシュを0.0857秒リード。
Lap 120:カナーンがホーニッシュを0.1555秒リード。
Lap 121:フルコース・コーション。ピットレーンでストップしたディクソンを牽引。チーム・クルーによると、ディクソンのマシンは燃料切れだった。この時点での順位はトップがカナーンで、以下ホーニッシュ、シェクター、エンゲ、ハータと続く。
Lap 123:先頭集団の中の数台がピット・インしてタイヤ4本交換と燃料補給を行う。カナーン、ホーニッシュ、ハータ、フランキッティ、J.ラジア、メイラらはピット・インせず。シャープがいち早くピット・アウト、以下パトリック、ウエルドンと続く。パトリックは燃料補給のみ。
Lap 126:グリーン・フラッグ。カナーンがリードしてターン1へ進入。
Lap 131:カナーンがホーニッシュを0.0825秒リード。
Lap 136:カナーンがホーニッシュを0.0913秒リード。
Lap 140:カナーンがホーニッシュを0.1065秒リード。エンゲはピット・イン。エンゲのクルーによると、マシンの右リア・サスペンションが破損。
Lap 146:ハータがピット・イン、タイヤ4本交換と燃料補給、加えてウイング調整も行う。
Lap 148:メイラがピット・イン、タイヤ4本交換と燃料補給を行う。
Lap 150:ウエルドンがカナーンを0.0149秒リード。
Lap 153:シャープがピット・イン、タイヤ4本交換と燃料補給を行う。
Lap 155:カナーンがピット・イン、タイヤ4本交換と燃料補給を行う。
Lap 156:フランキッティがピット・イン、タイヤ4本交換と燃料補給を行う。
Lap 157:ホーニッシュとラジアがピット・イン、タイヤ4本交換と燃料補給を行う。ラジアはウイング調整も行う。
Lap 161:ウエルドンがシェクターを0.9887秒リード。
Lap 165:ウエルドンがシェクターを1.5401秒リード。
Lap 170:ウエルドンがシェクターを1.9678秒リード。
Lap 174:ウエルドンとカストロネベスがピット・イン、タイヤ4本交換と燃料補給を行う。
Lap 175:シェクターとカーパンティエがピット・イン、タイヤ4本交換と燃料補給を行う。
Lap 176:パトリック、B.ラジア、フォイト?がピット・イン、タイヤ4本交換と燃料補給を行う。
Lap 178:ライスと安川がピット・イン、タイヤ4本交換と燃料補給を行う。
Lap 183:ピット・ストップはすべて終了。ウエルドンがカストロネベスを1.5956秒リード。
Lap 183:イエロー・フラッグ。ディクソンを牽引。クルーからの情報ではギアボックス・トラブルとのこと。
Lap 188:グリーン・フラッグ。リーダーがターン1へ進入。パトリックが再スタートでフライングしたため、ポジションを2つ下げられる。
Lap 191:ウエルドンがカストロネベスを0.0932秒リード。
Lap 196:ウエルドンがカストロネベスを0.0812秒リード。
Lap 197:ウエルドンがカストロネベスを0.1254秒リード。
Lap 198:ウエルドンがカストロネベスを0.0604秒リード。
Lap 199:ホワイト・フラッグ。ウエルドンがカストロネベスを0.0067秒リード。
Lap 200:チェッカード・フラッグ。ウエルドンがカストロネベスを0.0133秒差で抑えて優勝。ウエルドンは“ドーナッツ・ターン”を披露したあとにエンジン・ストール。ウエルドンがスタート・フィニッシュ・ラインでチェッカード・フラッグを振りかざしたあと、マシンは表彰台へと牽引された。
PEAK ANTIFREEZE INDY 300 POST-RACE NOTES:
・ウエルドンはインディ・カー・シリーズで1シーズン中6勝を達成、ホーニッシュが2002年に打ち立てた記録を更新して、年間最多優勝記録を樹立した。今シーズンのウエルドンはホームステッド、セント・.ピータースバーグ、もてぎ、インディアナポリス、パイクスピークで優勝を飾っている。
・今日の優勝は、ウエルドンにとってキャリア9回目の勝利。アンドレッティ・グリーン・レーシングにとっては、通算20回目の優勝となった。もっとも最近の勝利は、先月のインフィニオン・レースウェイにおけるカナーンの優勝。
・2位入賞のカストロネベスにとって、今回が今シーズン8度目のトップ5フィニッシュ。
・3位入賞のホーニッシュにとって、今回が今シーズン8度目のトップ5フィニッシュ。
・パトリックは今シーズン7度目のトップ10フィニッシュを飾り、ボンバルディエ・ルーキー・オブ・ザ・イヤー・アワードでトップを維持している。 :pint: