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●インディ・カー・シリーズ第14戦インフィニオン【決勝日】フォト&レポート

<US-RACING>

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予選3位からスタートしたカナーンが、IRL初開催となるパーマネント・ロード・コースのレースで、最初のウイナーとなった。今シーズン、2度目の優勝となったカナーンは、ランキングでも2位に復活。ポイントリーダーのウエルドンがリタイアしたことで、その差は79ポイントとなった。残り3戦でこの差は大きいが、今回同様ウエルドンがリタイアすることも考えられるだけに、昨年のチャンピオンにもまだ2年連続タイトルの可能性はある。

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ウイナーのカナーンが表彰台でマシンから降りると、突然腕立て伏せを始め、10回前後したと思ったら、最後に片手で1回した。アップダウンの激しいロード・コースで、しかも気温も高く、ドライバーは体力、精神共に厳しいコンディションとなった今回のレース。しかしカナーンは、「まだまだ余裕だよ」、といわんばかりのパフォーマンスを見せた。昨年のチャンピオンは、「残り3戦であと1勝くらい出来そうだ」と語っていたが、カナーンなら本当に勝てそうな気がしてくる。

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今シーズン初のポール・ポジションからスタートしたブリスコーは、スタートからレースをリード。15周目には2位のカストロネベスに2.2466秒の差を広げた。しかし、18周目のリスタート後、ターン7でイン側からパトリックに追突し、外からパトリックをパスしようとしたカストロネベスも巻き込んでクラッシュ。3台はリタイアを余儀なくされた。これまでオーバルでの度重なるアクシデントに悔しい思いをしてきたブリスコーだが、得意なロード・コースでもクラッシュしてしまった。優勝のチャンスが十分あっただけに残念。

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3日間インフィニオン・レースウエイは快晴に恵まれ、カリフォルニアらしい真っ青な空の下、IRL初となるパーマネント(常設)ロード・コースのレースが開催された。西海岸特有の乾燥した気候の中で気温は33度まで上昇し、照りつける日差しは強く、とても暑い一日となった。コースの関係者によると、インディ・カーの初開催を見に、会場を訪れた観客数は4万人ぐらいとのこと。NASCAR最高峰のネクステルカップも同コースで開催されるのだが、そのときは約12万人ものファンが押し寄せるという。グランドスタンド席の総数は7万5千席なので、残りの5万人は席にも座れないということだ。いつものオーバルよりもスタンドに空席が目立った今回のレース、ほんとうに4万人もいたのだろうか?

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ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングは、ブリスコーがリタイアしたことで、最上位となったのは7位のディクソンだった。残り3戦で今シーズンのチーム初優勝は叶うだろうか。トヨタの最上位となったのは3位バロン、4位カーパンティエとレッド・ブル・チーバー・レーシングの2台。予選10位、12位からスタートした2台だが、確実に上位でフィニッシュした。また、シボレー勢ではルーキーのエンゲが活躍。4位からスタートしたエンゲは、スタートでカナーンをパスして3位に浮上すると、33周目にはトップに。13周のリードラップを刻むが、ピットストップを3回行ったことがレース終盤に響き、5位でフィニッシュとなった。

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予選15位からスタートした松浦は、決勝に向けてセッティングを変更、そしてチームの作戦が功を奏し、今シーズン最高となる6位でレースをフィニッシュした。チームもさることながら、松浦自身がベテラン勢のプレッシャーに耐え、最後まで粘り強く走ったことが結果に現れた。「ピットの作戦が当たり、好燃費で走れたのでポジションを上げることが出来ました。最後はかなり激しいプレッシャーを受けましたが、絶対に抜かせないつもりでした。しかも燃費をセーブした状況で順位をキープしなければならなったので、とても難しいレースでしたね。最後は燃料切れか、6位を守り通せるかの勝負だと思いましたが、燃料がもってくれてよかったです」と、今シーズンのベストレースを振り返る松浦。この調子でワトキンス・グレンでの活躍にも期待したい。

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初のロード・コースでのレースとなった安川は、トップとの差が歴然のマシンにも関わらず、80周を走りきってセント・ピーターズバーグと同順となる11位でフィニッシュした。「マシンは昨日のファイナル・プラクティスと同じ状況で、とても速いといえるマシンではなく、トップと1秒以上も差があり、レースをしているとはいえませんでした。でも、ロング・ランによる新しい問題点も見えてきたので、ワトキンス・グレンに向けての準備が出来ると思います。今週シカゴでホンダの合同テストがあります。シカゴのレースの前にテストが出来るので、2デイ・イベントのレースで十分な情報が取れない僕達にとっては、うれしいですね」と語った安川。残り3戦でのトップ10フィニッシュを期待したい。

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インディ・カーのレース前に行われたインフィニティ・プロ・シリーズで、ポール・ポジションからスタートしたマルコ・アンドレッティが見事今シーズン3度目の勝利を手にした。ロード・コースのレースでは、今回で3回目のポール・トゥ・ウインを飾っていることになり、ロード・コースでは向かうところ敵なしといった状況だ。オーバルに関しては、インディアナポリスとケンタッキーの2戦しか参戦しておらず、最上位がケンタッキーの3位となったが、オーバルのレースでもシーズンを通して参戦すれば勝つことが出来るだろう。マリオ、マイケルも大喜びだったのは、言うまでも無い