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●インディ・カー・シリーズ第13戦パイクス・ピーク【初日】フォト&レポート

<US-RACING>

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リッチモンド、ミルウォーキーとチームメイトのホーニッシュJr.にあと一歩及ばず、予選2位にとなっていたカストロネベスが、今シーズン初のポール・ポジションを獲得。2位にはホーニッシュJr.が入り、チーム・ペンスキーがショート・オーバルで3度目の予選ワンツーを達成した。これまで3戦行われたショート・オーバルのレースは、ホーニッシュJr.が2勝、カストロネベスが1勝とチーム・ペンスキーの2台が制覇している。明日のレースは、ホンダがメイン・スポンサーとなっており、しかもホンダ勢が優勝すればホンダがマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得する大事な一戦。ホンダとしては是が非でも勝ちたいところだが、チーム・ペンスキーのこれまでのショート・オーバルの勝率は100パーセントなだけに、ホンダのマニュファクチャラーズ・タイトル獲得は、次戦に持ち越されるかもしれない。

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12番目にタイム・アタックを行ったカストロネベスは、この時点でトップ・タイムを記録。総合プラクティスでトップだったパトリックのタイム・アタックはすでに終わっており、残すは最大のライバルとなるチームメイトのホーニッシュJr.の出走を待つのみとなった。最後から3番目にタイム・アタックを行ったホーニッシュJr.が、カストロネベスのタイムに0.0023秒及ばず2位となると、その瞬間ガッツポーズ。最後のドライバーも終了し、自身のポール・ポジションが確定すると、チームクルーと共に大喜びしていた。ホーニッシュJr.がポール・ポジションを取ったときは、少しニコっとするくらいだが、カストロネベスは素直に喜びを表現するタイプ。速さはお互い引けを取らないが、感情面では対照的なドライバーだ。

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2日間のレースイベントとなったパイクス・ピークは、初日に2回のプラクティスと予選が行われた。第1プラクティスが始まる午前10時の時点で、気温は26度と湿気もなく過ごしやすい気候の中でプラティスが始まった。第2プラクティスがスタートした午後12時30分の時点では、気温31度まで上昇したが、前戦のケンタッキーのように湿度が高くないため、それほど暑くは感じなかった。しかし標高が約1600メートル以上の高地にあるパイクス・ピークは、気候が変わりやすく、第2プラクティスの途中で雨がぱらぱらと降り出した。イエロー・コーションとなるが、雨は直ぐに止みプラクティスは再開された。コースから北側にはどす黒い雨雲が見え、昨年同様、午後の予選は中止になるのではと思ったが、雨は降ることなく無事に予選は終了した。

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「風向きが練習走行の時と違って、ギアが合わなかったんですけど、まあまあの予選でした」と語った松浦。16位に終わったものの、「クルマの調子はすごくいいです。メカニカルな部分や空力的の部分も含めて。でも、もう少しダウンフォースが削れればよかったかな。レースのセットは他よりもいいと思うので、期待しています」と自信ありの様子。後方からのスタートだが、「ここはショート・オーバルですけど、2台で並んで入っていけます」とそれほど気にしていないようだ。これまでショート・オーバルではあまりいい走りを見せることができなかった松浦。明日は今年最後のショート・オーバルだけに、できる限り上位でフィニッシュしたいところだ。

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「ベースのセットアップが良くて、トレーラーから下ろした状態からうまく走ることができました」と語るのは、予選15位の安川。これまでは最初のプラクティスからマシンにトラブルが多かったが、チームは確実に改善されているようだ。「最後に予選セットをやっている途中で雨になり、予選はうまくできなかったんですけど、逆にそれまでの間でレースセットには専念できたので、いい感じです」と表情は明るい。「1マイル・オーバルは好きなコースなんですけど、特にここはスーパースピードウエイのような性格だから、特にいいです。イン側にバンプがあるんですけど、そこをうまく走らないとダメですね。アウト側のほうが安定していて、明日はみんなアウト側を走ると思いますから」。得意のパイクスピークで、今度こそトップ10フィニッシュを飾りたい。

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マイル・ハイと呼ばれるコロラドは標高が約1600mもあり、ダウンフォースが少なくなってしまう。それを補うことも踏まえ、各チームは新しいフロント・ウイングを導入していた。中でも特に目を引いたのはパノス勢で、なぜかホンダのチームだけは独特な形状の翼端板を使用(写真上)。久しぶりに採用された“速そう”な新しいエアロパーツに、大きな注目が集まっていた。一方、ダラーラ勢も今回はウイングに垂直板(写真中)を設けてきたが、その四角い形状はデザイン的に、あまりいただけないものがある。特にパンサー勢(写真下)はぺヤングのような四角のイメージで、走っている姿もいまひとつ。ダラーラはイタリア製なのに美的センスは少なく、この点だけはパノスが優位!