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●インディ・カー・シリーズ第11戦ミシガン【決勝日】フォト&レポート

<US-RACING>

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ハータが計200周のレースで159周のリード・ラップを刻み、今シーズン初優勝を獲得した。2003年、バイク事故で負傷したフランキッティに代わり、アンドレッティ・グリーン・レーシングからレースに参戦したハータだが、その年にカンザスで優勝。その活躍を見込まれたオープン・フォイールのベテラン・ドライバーは、2004年にはレギュラー・シートを獲得した。しかし昨年はチーム内で唯一優勝できず、カナーン、ウエルドン、フランキッティの陰に隠れることになった。今シーズンは、ポール・ポジションを獲得するものの優勝までとどかず、3回目のポール・ポジションとなった今回、待ち望んだ勝利を見事ポール・トゥ・ウインで飾った。アンドレッティ・グリーン・レーシングは、今シーズン4人のドライバーがすべて優勝したことになり、シリーズ参戦から17勝目を記録した。また、2位のウエルドンとのタイム差は0.0374秒と、インディ・カー・シリーズで11番目となる僅差となった。

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2日目の決勝日も雲ひとつない快晴となったミシガン。午前10時30分から行われたファイナル・プラクティスの時点で気温26度となり、レースがスタートする3時15分には、28度まで上昇した。初日と同じくらいの気温となったが、湿度が高かったせいか昨日よりは蒸し暑く感じた。レースはスタートから淡々と周回が過ぎ、121周目に発生したカーペンターのマシン・トラブルまでイエロー・コーションは起こらなかった。その後、139周目にカストロネベスにもカーパンターと似たようなトラブルが発生。マシンから白煙を上げてコースにストップするアクシデントで、2度目のイエロー・コーションが発生した。165周目にもパトリックのマシンから白煙が上がり、3度目のイエロー・コーションに。残り集回数もあと僅かとなった181周目、レースもクライマックスに射しかかろうとしたそのとき、今回初のクラッシュが発生した。残念のことに日本人ドライバーの二人は、このクラッシュに巻き込まれリタイアとなった。

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予選12位からスタートした松浦は、マシンのアンダーステアに悩まされながらも、トップ・リーダーと同一周回を保ちながら走行を続けた。レース終盤、トップ10内でのフィニッシュに期待が高まった181周目、この日初めてのクラッシュが発生。そのアクシデントに巻き込まれてしまった松浦は、リタイアを余儀なくされた。「ファイナル・プラクティスでは、そこそこバランスがとれていたと思っていたんですけど、スタートしてからアンダーステアで、なんでまたアンダーステアになったのか不思議でしたね。僕が思うに、今年のシャシーのアンダーフロアが、良くないんじゃないかなと思うんです。3台くらいのドラフトは問題ないんですけど、結局10台とかいると、Gフォースのマシンはみんな後ろに下がっていくんですよね。こんな感じだと自分でもがっかりしますね。去年あれだけのパフォーマンス見せられたのに。そういうのって、目に見えないから分からないじゃないですか。乗っている本人でないと。エンジニアも実際なにが起きているのか分からないだろうし。今日はコースのイン側の方がグリップは良くて、イン側を走りたいんだけど、そうすると外側に誰かが着ますよね。僕がタービュランスに入って、もしクルマがアンダーステアになって、外に飛び出したとき誰かとぶつかりますよね。今日トニー(カナーン)に抜かれたときもほんと当たる寸前でした。そういうこともあって、なかなかイン側を走ることが出来なくて。外に行けばいったで、インの方が速いのでレースをしていて、何も自分には武器がない状態でした。素手で戦っているような感じで、どうしようもないのが現実でしたね。マシンはタービュランスに入ると全開で曲がれないほどアンダーステアでした」と、レース時のマシンの状況を話す松浦。181周目に起こったアクシデントに関しては、「クラッシュは、ターン1に入っていったときにターン2でタウンゼント・ベルがスピンしているのが見えました。最初はスピンしてインに巻き込んでいたので、僕は外に向かったんですけど、ベルがそのあと直ぐに上の方に上がってきちゃって、ジャック・ラジアと3台でぶつかってしまった感じですね。あれはもうどこにも行き場所が無くて、どうしようもなかったですね・・・・・・」と、話した。Gフォース・シャシーが今年の松浦を悩ませているようだが、残り6戦となった今シーズンが終了する前に、その問題が改善されなければならない。来年につなげるためにも松浦には良い結果を残して欲しいところだ。

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午前に行われたファイナル・プラクティスでは10位となり、レースでの活躍に期待が高まった安川。しかしレースでは集団から離れてしまうと、単独でのスピードが伸びずに59周目には周回遅れとなってしまう。自身のペースを保ちながら、トップ10内でのフィニッシュを目指していた安川だが、レース終盤となる181周目に発生した多重クラッシュに巻き込まれ無念のリタイアとなってしまった。「前半戦は悪くなかったんですけど、バランスを崩したときにドラフティングから離されてしまって。単独になってからさらにどんどん離されて、周回遅れになってしまいました。中盤は10位から12位にいける争いをしていて、最後の30周のときに前にいるジャック・ラジアとカーパンティエをどうやって抜こうかなということを考えながらラスト20周に勝負をかけようと思っていたんですけど、ちょうどそういうときに事故が起きてしまいました。タウンゼント・ベルがスピンして、ジャックと孝亮が接触してスピンしちゃって、自分も行き場が無くてあたってしまいました。トップ10を狙えそうな感じだったので、すごいがっかりですね。クラッシュしたあとのクルマを見たら自分がぴんぴんしているのがラッキーだったなって気がしますね。車の破片が飛んできて、頭にぶつかったみたいなんですけど、ヘルメットのシェルのところまでクラックが入っていました。アライ・ヘルメットが守ってくれたんですね。使っていて良かったなって改めて思いましたよ」と、レース後に話した安川。無事だったのは不幸中の幸いとなったが、頭痛や足の痛みがあるようだ。インディ・カー・ドライバーは、他のレース・カテゴリーよりも危険度が高いレースだと常々思うが、命を張ってがんばっていても、チーム体制やスポンサーなど様々な問題を克服しないと、報われることがない。特にトップ・チームとの差が歴然としている安川のチームは、ドライバー自身ではどうにも出来ない問題が多いのが現状だ。オーバルだからといって中堅のチームでも優勝できるほど、現在のインディ・カー・シリーズは甘くはなく、日本人ドライバーが優勝するためには、やはりトップ・チームで走らなければ、いつまでも夢のままで終わってしまうのだろう。