<DREYER & REINBOLD Racing>
インディカー・シリーズ第10戦ABC Supply Co. / A.J. Foyt 225決勝レポート:7月24日(日)
この週末で最も暑い日となったIRLインディカー・シリーズ第10戦ミルウォーキー決勝日。事前のスケジュールでは日曜日の走行は決勝レースだけが予定されていたが、前日夕方の最終プラクティスが延期されたこともあって、この日は朝9時からの30分間の走行セッションが設けられていた。決勝日もミルウォーキー周辺は朝から晴れ。気温がぐんぐん上昇する中で行なわれたこの最終走行セッション、ドレイヤー&レインボールド・レーシングはユーズドタイヤでマシンのチェックを行なったが、気温の上昇もあってか、マシンがあまりグリップせず、ベストタイム平均時速149.462マイル(前日の予選タイムを16マイルも下回るタイム)、21台中19番手でこのセッションを終了した。
午後1時50分スタートとなる決勝。その直前の気温は37度を超えていて、今季初ともいえる真夏の天候の中でのレースとなった。この気温の上昇により、24号車は事前に想定したセットにピタリとハマっているはずであった。しかし、マシンは思わぬ症状を示していた。グリップ感が全く無く、これまでレースウィークを通じて出ていたアンダーステアの症状が、全く逆のオーバーステアの症状に変わっていた。
午前中に行なわれた最終プラクティスの際に出た“グリップがしない”症状を、チームは前日に行なわれたシルバークラウンのラバー、そしてタイヤ表面に着いたタイヤカスが原因であり、新品のタイヤを投入すれば問題はない、と考えていたが、その判断が間違っていたわけである。セッティングも、もっとアンダーステアがきつくなるという読みをしていたため、方向性も違っていたことになる。
この症状のためレースは序盤から苦戦が続いた。コーナリング速度を上げることができず、コーナーの減速が他車よりも大きく、もちろんコーナーの脱出速度が低いことでストレート・スピードの伸びもない。そのため、せっかくの10番手グリッドでのスタートであったものの、ひたすら抜かれ続けるレース展開となってしまった。ロジャー安川はコクピット内で、そしてチームもピットインの際に調整できるところはすべて調整し、徐々にはマシンはよくなってきたものの、タイヤがタレ始めると厳しい状況に陥る状態から根本的に抜け出すことはできなかった。結局、24号車はひたすら完走を目指して安川が慎重な走行を続け、トップから13周遅れの15位でフィニッシュを果たした。
インディカー・シリーズ、次戦は、第11戦ミシガン。2デー・レースで行なわれるこのレースは、全長2マイルのミシガン・インターナショナル・スピードウェイを舞台にした、レース距離400マイルの長丁場のレースとなる。決勝は7月31日、午後3時15分(日本時間8月1日午前4時15分)のスタートを予定している。
ロジャー安川(ドライバー#24カー)
「今日は、昨日の状態がよかっただけにすごく残念です。レースがスタートしてみるとマシンはオーバーステアになっていて、旋回速度を少しでも上げると、リアがとび出てしまうような状況でした。それもかなり低いレベルで。これでは完走目指してひたすら走りきるしかない、ということで、慎重に走行を続けました。想定したセットであるし、昨日から大幅な変更はしていないはずなのに、なぜここまで変わってしまうのか、またそれを改善できなかったというところをスタッフともう1度話し合う予定です。3連戦の次戦は、予定通り、インディ500の時にTカーとして使用していたシャシーを使います。フレッシュなクルマですし、ミシガンは、自分も好きなコースで、チームも得意とするスーパースピードウェイですから、期待をしていますし、楽しみにしています。次戦に向けてがんばっていきます」