<DREYER & REINBOLD Racing>
インディカー・シリーズ第8戦Argent Mortgage Indy 300
決勝レポート:7月3日(日)
インディペンデンス・デー(7月4日:米国独立記念日)の週末の開催となったIRLインディカー・シリーズ第8戦「アージェント・モーゲージ・インディ300」。土曜日に予選、日曜日が決勝という2デー・レースは、2日(土曜日)、3日(日曜日)ともに、午前中サーキット上空を黒い雲が通り過ぎ、午後は陽射しが戻って蒸し暑い気候となった。
この決勝日は、午前中に最後の練習走行、午後に決勝レースというスケジュールであった。このファイナル・プラクティス走行中に24号車のエンジン・トラブルが発覚した。ドレイヤー&レインボールド・レーシングとロジャー安川は、走行終了を待たずにマシンをガレージに戻し、そしてエンジンの載せ替えを決定した。予選を通ったエンジンで決勝に出場しない場合は予選で決められたグリッドを破棄しなければならない。チームは、このプラクティスで決勝に向けた最終調整を行なう予定であったがその時間を無駄にしただけでなく、スターティング・ポジションも失うこととなった。
決勝スタートとなる午後になるとそれまでの天気も回復し、気温も上昇。フロント・ストレートで向かい風となる南西の風がきつくなっていた。そして、午後12時27分、グリーンフラッグが振られた。最後尾22番手スタートの安川は、マシンのアンダーステアを訴えていたものの、1台、そしてまた1台と、41周目までに18番手まで順位を上げていく。そしてグリーン下でルーティンのピット作業を行なった。ここでチームは燃料補給と、空気圧を変更したタイヤへの交換、ウイングを少し立ててダウンフォースを増やして安川をまたコースへと送り出した。
しかし、ピットアウトして3ラップ後の54周目のターン3で、リアから滑り出した24号車はSAFERウォールにヒットしてしまい、レースを終えることとなってしまった。前車をパスする際にダウンフォースのバランスが崩れたのが原因である。幸い、安川に怪我はなく、マシンにも大きなダメージは無く、チームはサーキットをあとにした。このレースの24号車の順位は22位となった。
IRLインディカー・シリーズ次戦は、7月16日(土曜日)、ナッシュビル・スーパースピードウェイで行なわれる「ファイアストン・インディ200」。午後6時(日本時間7月17日午前8時)スタートとなる。
ロジャー安川(ドライバー#24カー)
「今日の朝の走行(最終プラクティス)でメカニカル・トラブルが発生していて、エンジンを交換しなればなりませんでした。ウォームアップなしでしたからクルマのセットアップは進められないままでした。そのため今日のコンディションにクルマが適しているかどうかわからないままスタートしたのですが、走ってみるとマシンはすごくアンダー・ステアでした。厳しかったですが、少しタイヤがタレて来たところでうまくペースを上げることができて前車を何台かパスすることができました。ピット作業ではタイヤの空気圧を変えることを聞かされていなかった、というコミュニケーション・ミスもありましたが、それでもうまくゴールまでマシンを持っていくつもりで第2スティントを走り出しました。走り出してすぐ前方に、A.J.フォイト4世がいたので、彼を早めにパスしようとハイサイドからパッシングを試みたのですが、ほんの少し、フォイトがこちら側に登って来て、エア・バランスが崩れたためリアのトラクションが抜けて修正不可能な状態になりリタイアしてしまいました。今まで走ってきた自分が得意とするハイスピード・スーパースピードウェイで1番ひどいレースと言えるかもしれません。次戦ですが、今回、そして前回、とチームが焦り過ぎている、という実感があります。スタッフの入れ替えが続きチーム内が安定していないこの状態で根拠もなくトップに食い込もう、という考え自体に無理があるという気がしています。目指す方向性をもう1度確認して、チームの雰囲気を変えていき、次回のレースはじっくり臨みたい、と考えています」