INDY CAR

●インディ・カー・シリーズ第7戦リッチモンド【初日】ホーニッシュJr.が今季2度目のポール・ポジション

<US-RACING>
シリーズの中で最小となる0.75マイルのリッチモンド。ロード・コース同様テクニカルなハンドリング・コースで、予選のトップ・スピードを記録したのはホーニッシュJr.だった。2位は昨年のポール・ポジション、カストロネベス。二人は予選までのセッションで常にワンツーを維持し、ペンスキー勢が絶好調だ。3位はルーキー最上位のブリスコーが入る。日本勢は松浦が11位、安川は18位で予選が終了した。
●プラクティス1:ホーニッシュJr.を筆頭にペンスキーがワンツー
快晴となったリッチモンド、気温28度と絶好のコンディションの中、最初のプラクティスは午前11時45分から2時間に渡って行われた。エンジン・パワーよりもハンドリングが決めてとなる今回、1回目のセッションでトップとなったのはトヨタ・ダラーラを駆るホーニッシュJr.。昨年の予選トップだったチームメイトのカストロネベス(171.202mph:15.7708秒)を上回る174.336mph(15.4847秒)を記録した。2位はカストロネベスの173.116mph(15.5965秒)でペンスキーがワンツー。3位はシボレー・ダラーラのトーマス・エンゲ、4位ブリスコーとルーキーが好調だ。ホンダ勢はカナーンの5位が最高。
●プラクティス2:今度はカストロネベスがトップで再びワンツーとなったペンスキー
気温31度まで上昇した中、午後3時に始まった2回目のプラクティス。全車が予選に向けて最後の調整を行った中で、トップ・スピードをマークしたのはまたしてもペンスキーのトヨタ・ダラーラだった。昨年のポール・シッター、カストロネベスが175.856mph(15.3535秒)までスピードを上げ、最初のセッションでトップだったホーニッシュJr.が175.590mph(15.3767秒)で僅差の2位。ペンスキーが相変わらず好調だ。3位はプラクティス1でも4位だったルーキーのブリスコーで、ショート・オーバルやロード・コースでの速さは特筆すべきものがある。
●予選:ペンスキーの強さは変わらず、ホーニッシュJr.が日本に続く2度目のポール
だいぶ日も傾き、午後5時から始まった予選。しかしまだ気温が高いために次々と1回目のアタックをキャンセルし、1周しか走ることができない2回目にトライするドライバーが続出する。その中で最初に予選を走ることになったのは紅一点のパトリック。プラクティスの総合で最下位となっていたパトリックは、164.707mph(16.3927秒)と予選も振るわず、テクニカルな0.75マイル・オーバルでなかなかスピードを上げられない。次にアタックしたカストロネベスは、パトリックを平均10マイルも上回る175.797mph(15.3586秒)をマークしてみせた。
続いて安川、マニングとアタックするが、プラクティスでもトップだったカストロネベスのスピードには届かず。5番目にホーニッシュJr.が登場し、プラクティスでカストロネベスと僅差の2位に終わっていたその走りに注目が集まる中、この日初めてとなる176マイル台に突入。176.244mph(15.3197秒)を記録してトップに躍り出た。次にハータがアタックして173.457mph(15.56568秒)を出したが、この時点で3番手。これで2周アタックできるドライバーはすべて終了した。
7番目からは1回目のアタックをキャンセルしたドライバーで、1周だけしかアタックすることができない。2003年の覇者ディクソン、チャンプ・カーでミルウォーキーの最速記録を持つカーパンティエ、昨年の覇者ウエルドン、前戦の覇者シェクターと続くが、誰もペンスキーの二人を上回ることはできなかった。14番目に登場したカナーンは珍しくスピンを喫してしまい、マシンのリアから左側にかけてを破損。タイムが計測できなかったため、決勝は最下位からのスタートとなる。
結局ペンスキーのワンツーは最後まで変わることなく、ホーニッシュJr.がインディ・ジャパンに続く今季2度目(通算5度目)のポール・ポジションを達成。前回のパンサー・レーシングのワンツーに続き、2戦連続で同じチームのドライバーがフロント・ローを独占することになる。トヨタは2003年のディクソン、昨年のカストロネベスに続く3年連続で予選トップとなり、興味深いのは昨年のカストロネベスのトラック・レコードを今回12人が破ったことだ。パワーがそれほど重要ではないコースだけに、ハンドリングのレベルアップには目を見張るものがある。
ブリスコーがベスト・グリッドとなる予選3位、カーパンティエも同様に予選4位とトップ4を独占したトヨタ。第2戦フェニックス以来勝ち星に恵まれないトヨタは、このレースでなんとしても勝利するべく、事前にマニュファクチャラー・テストを行ったのが功を奏した。トップ10に6台も入っている。前回はシボレー、今回はトヨタの後塵を拝してしまったホンダはトップ10中3台。プラクティス総合でホンダ勢のトップだったカナーンが、最後尾からのスタートは痛い。前回ポールのシボレーはエンゲの8位が最高だった。
ショート・オーバルで毎回苦戦している日本勢は、プラクティス総合で14位(170.848mph:15.8035秒)だった松浦が予選でスピード・アップを果たし、172.329mph(15.6677秒)を記録して予選11位となった。一方、前回のワトキンス・グレン同様最初のセッションでクルーのミスが発覚し、時間が足らなくなった安川はプラクティス総合21位(166.059mph:16.2593秒)と低迷。それでも予選では2マイル以上スピードを上げて168.382mph(16.0350秒)を記録し、明日は18位からのスタートとなる。
●最終プラクティス:レース・コンディションを想定したセッションはエンゲがトップ
レースに向けての最後のセット・アップとなるこの最終プラクティス。明日のレース時間とほぼ同じ、午後8時からスタートしたセッションで、トップ・スピードを記録したのはエンゲだった。予選ワンツーのペンスキーはホーニッシュJr.が2位、カストロネベスが4位とレース・コンディションでも上位に入る。日本勢は松浦が予選と同じ11位、安川は二つポジションを落とし、20位で最後のプラクティスを終えた。予選でクラッシュしたカナーンは走行できず、明日の決勝は直ったばかりのマシンでぶっつけ本番となりそうだ。