INDY CAR

第89回インディ500の公式練習始まる。松浦孝亮は走行初日にしてトップ5のタイムを記録!

<SUPER AGURI FERNANDEZ RACING>
2005 IRLインディカー・シリーズ第5戦「第89回インディアナポリス500マイルレース」
■■■イベントデータ■■■
【日程】5月10〜29日
【開催地】インディアナ州インディアナポリス
【サーキット】インディアナポリス・モーター・スピードウェイ
【距離】2.5マイル(4.023km)×200周
■■■コース概要■■■
<インディアナポリス・モーター・スピードウェイ>
アメリカ北東部に位置するインディアナ州の州都インディアナポリス。鉄鋼業と自動車関連産業が盛んな街だが、郊外にはコーンや大豆の畑が広がるなど農業都市としての横顔を持つ。だが、この街の名を最も知らしめているのはインディ500の存在。1911年から続く世界で最も長い歴史を持つインディ500は、全てにおいて破格のスケールを誇る。決勝日には、巨大な観客席が埋め尽くされ、その数は実に40万人。単一のスポーツイベントとしては世界一の規模である。
シリーズ最長2.5マイルのコースを持つインディアナポリス・モーター・スピードウェイは、2本の長いストレートと、2本の短いストレートを4つのターンが結ぶ長方形の形状をしたオーバル。1周の平均時速は220マイル(約354km/h)を超えるシリーズ切ってのハイスピードトラックは、今季、舗装を新たにし、さらに高速のオーバルへと生まれ変わっている。
[2004年インディアナポリス成績(松浦孝亮) スタート順位:9位 決勝順位:11位]
■■■レースプレビュー■■■
<1カ月に渡って開催される伝統のインディ500>—————————-
今年で89回目の開催を迎える世界最大のモータースポーツイベント、インディ500。IRLインディカー・シリーズの核である伝統のイベントは、他のレースと異なり、プラクティス開始から決勝までが約1カ月もの長期にわたり開催される。2日間に及ぶルーキー・オリエンテーションの後、5月10日から出場予定のマシンすべてが走行を始めた。
スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングにとっては、今年が3回目のインディ500挑戦となる。松浦孝亮は、2004年に続く2回目の出場だ。昨年の松浦は、インディ500デビュー戦で予選9位/決勝11位という成績を残し、栄えあるバンクワン・ルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。今年の目標は、予選ではポールポジションを争い、レースでは優勝を競うことだ。
<新しくなったインディ500予選方式>————————————
予選は今週末と来週末の2週にまたがって行なわれるが、今年はその方式が新たに見直されている。通常のレースとは違って予選が4周連続のアタックで行われる点、初日に最速であったドライバーがポールポジションを手にする点に変わりはない。しかし、昨年までは33台のグリッドが一度決定した後に、より速いタイムを記録した者が現れるたびに33台の中で最も遅いタイムの保持者がグリッドから弾き出(バンプアウト)されるシステムで、決勝に進出したければ予選に再度挑戦をしなくてはならかった。今年はポールデイと呼ばれる初日にはポールポジションから11番グリッドまで、2日目には12番グリッドから22番グリッドまでを決め、3、4日目にそれ以降の33番グリッドまでを決定するルールに変わっている。各予選日に与えられたグリッドを巡って、よりエキサイティングなグリッド獲得合戦が見られることになったわけだ。
早い時期にグリッドを確保できれば、それだけ決勝用のセッティングに割く時間を多く持つことができる。スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングとしては、ポールデイにグリッドを確保すべく、4日間のプラクティスでセッティングを速やかに仕上げていく予定だ。
■■■5月10日プラクティス1日目■■■
天候:晴れ時々曇り 気温:28℃
<スペアカー、プライマリーカーの両方で好タイムをマーク>——————
走行初日は朝から好天に恵まれた。夕方の18時まで、6時間という長いプラクティスが正午にスタートすると、松浦は12時15分にスペアカーでコースイン。わずか走行7周目にして平均時速223.205マイル(358.807km/h)を突破し、トップに立つ。スペアカーのコンディションが良好であることが確認されると、チームはガレージへ戻り、プライマリーカーでの走行準備に取りかかった。そのマシンがピットへと運び込まれたのは午後4時半頃で、松浦は12周で223.799マイル(360.092km/h)を軽々とマーク。2回目の走行では225.620マイル(363.022km/h)を記録し、5番手につけた。
走行初日にプライマリー、スペアの2台を走らせ、どちらのマシンでも223マイル台を記録できたことは、インディ500を戦う上で精神的に大きなプラスとなる。どちらのマシンでも戦えるという自信を得られるからだ。スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングは、3回目のチャレンジとなるインディ500において、非常に好調なスタートを切った。
■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「単独走行で223マイル後半を記録でき、良いスタートが切れました」
「いよいよインディ500が始まりましたね。とても良いスタートを切れました。マシンは快調そのものです。最初にスペアカーですぐに223マイル台が出せました。完全な単独走行で出せたスピードでした。その後にプライマリーカーにスイッチして、223.8マイルを出しましたが、それも単独でした。単独で223マイルの後半が出せていたら、初日の時点では速い部類に入ると思いますよ。今日、224マイル以上を出した人たちは、僕も含めみんなドラフティングを使ったものでしたから。明日からは、ホイールベースをアレコレ試したり、サスペンションのジオメトリーも新しいものをチェックすることになると思います。インディ500はプラクティスが長いので、いろんなことにトライして、少しずつでもマシンを良くしていきます。チームとしての出足は100点満点。充分に良いスタートにできたと思います。2台とも最初から速く走れていますし。今日はまだドラッグを減らしていこうとか、そういう作業はまだ始まっていません。積極的にセッティングを変更したり、ということもありませんでした。それで5番手につけることができたのですから、とても快調だと言っていいと思います。今年一気にスピードが上がっているのは、路面が新しくなっていることと、エンジンのパワーアップ、このふたつが大きく関わっていると思います。明日から少しずつセッティングを詰めていって、予選用のシミュレーションは金曜日ぐらいに始めることになるでしょう。今年は予選のシステムが変わっていますが、僕らは今日の調子を保って、初日でグリッドを獲得したいと考えています」
<サイモン・ホジソン/チーム・マネジャー>
「予選ではポールポジションを狙っていく」
「今日はすべてがスムーズに進み、とても良いスタートが切れた。チーム全体の働きも良く、エンジニアは良いセットアップを考え出し、クルーたちによるマシンの準備も万全だった。だからこそ、コウスケは初日にして非常に大きな自信をつけることができたのだと思う。速いラップタイムをすぐさま出すことができたし、しかも安定していた。今年のスピードアップは、新しい路面のグリップ力に負うところが大きい。路面を削ってスムーズにしたことで、スピードがさらに出しやすいコンディションとなっているようだ。今後はタイヤラバーも乗ってきて、さらに路面の状況は良くなっていくだろう。明日からは、クルマのベースラインを出しつつ、新しいサスペンションをトライするなど、いろいろなプログラムを進めていく。コースコンディションの変化にマシンを対応させていくことも、インディ500では非常に重要なことなので、それも並行して進め、1日中走ることになるだろう。予選ではポールポジションを狙う。目標は高く設定しなければならない。ポールを獲得すれば、その先の長い時間を決勝用セッティングのチューニングに使える。今日の我々のパフォーマンスから考えて、コウスケがポールを狙えない理由はない。まずはマシンのベースラインをキッチリと決定すること。そこからドラッグを減らすなどの大きな変更を施して、4周を安定して走り切れるマシンを作り上げるつもりだ」