INDY CAR

トニー・カナーンが最後列スタートから3位でゴール Honda Indy V-8勢6人がトップ10入り

<Honda>
3月19日(土) ・決勝
サーキット:フェニックス・インターナショナル・レースウェイ 天候:曇り 気温:18℃
IRL IndyCarシリーズ第2戦のXMサテライト・ラジオ・インディ200がアリゾナ州フェニックス郊外のフェニックス・インターナショナル・レースウェイで開催され、Honda Indy V-8を搭載するブライアン・ハータ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)を先頭にレースはスタート。昨年度チャンピオンで、フェニックスでのレースを03、04年と2年連続で制しているトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が3位でチェッカード・フラッグを受けた。 予選に出場できなかったために最後列からのスタートだったカナーンだが、1周目だけで11人をパスする凄まじい走りで瞬く間にトップグループへ進出。ゴールを目前にした戦いでさらに激しい追い上げを見せ、昨シーズン終盤からの6戦連続トップ3入り、そして、同じく17戦連続のトップ5フィニッシュとなる3位でのゴールを達成した。ダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が4位、スコット・シャープ(フェルナンデス・レーシング)が5位、開幕戦ウィナーのダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が6位でゴールし、キャリア初のポールポジションからスタートしたハータは7位。そして、松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング)も10位でゴールと、Honda Indy V-8勢6人がトップ10フィニッシュを果たした。
砂漠地帯のフェニックスは雨の少ない地域として知られているが、今年の冬は異常気象で多くの雨が降り、今週末もこのエリアとしては非常に涼しい気候の下でレースは行なわれた。雨の心配もされる中で200周=200マイルのレースは午後1時過ぎにスタート。気温は18度までしか上がらない1日となったが、雨による中断もないままハイスピードでのバトルが繰り広げられた。優勝はサム・ホーニッシュJr.(チーム・ペンスキー)だった。
予選15位だった松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング)は、序盤のフルコースコーションでピットインしない作戦が当たった上、マシンのハンドリングが良く、力強く4位を走行。終盤にさらなるチャージを見せることを目指していたが、薄日が差すようになって気温が上がった影響もあってかハンドリングが悪化。それでも粘り強く走り続け、10位でゴールした。13番手グリッドからスタートしたロジャー安川(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)は、決勝前のウォーミングアップの時点でマシンの不調が始まっており、レースではハンドリングの悪さに苦戦を強いられた。サスペンションの一部にもトラブルが発生したためにロジャーは174周でマシンを降り、結果は18位となった。
コメント
■トニー・カナーン (3位)
「チームは素晴らしいマシンを用意してくれた。昨日の僕は20周ほどしか走れなかったが、チームメイトたちの提供してくれたデータによってレースで速いマシンとすることができた。燃料補給のトラブルでトップグループから大きく後退したこともあったが、こうして3位でゴールすることができた。この結果に不満はないし、17戦連続のトップ5フィニッシュという記録も悪くはない。今年もタイトルを獲得することを目指して戦って行くだけだ」
■ダリオ・フランキッティ (4位)
「最後のリスタートには全力を注いだ。ゴールまで2周しかないのはわかっていたから、リスタート後のターン2でアタックを仕掛けた。そして、結果は自分の望んだ通りのものにはならなかった。コースのアウト側に浮き出ていたダストに乗ってマシンは滑り、壁に接触してすべては終わった。勝てなかったことが本当に悔しいが、そこに至る内容は非常に良かったし、こうして4位でゴールできたことも喜んでいいと思う」
■スコット・シャープ (5位)
「素晴らしいピットストップを行なってくれたチームに感謝したい。終盤の我々はコース上を入る最速のマシンとなっており、ペンスキーの2人にグングン近づいて行った。しかし、最後のピットストップの前にトラフィックに引っかかる不運があった。オーバーテイクの可能なマシンになっていたし、トップと互角のラップタイムも出せていた。このトップ5フィニッシュは大きな価値がある。今回が自分にとってはIRLでの100レース目の出場だったが、そのこと以上にマシンの素晴らしい仕上がりぶりが嬉しかった」
■松浦孝亮 (10位)
「レース用セッティングが良いことに対しては自信を持っていました。レースを実際に走り出すと、トップグループと遜色のないペースを保つこともできました。しかし、120周目ぐらいに行なったピットストップで装着したタイヤに何らかの問題があったのか、ハンドリングがオーバーステアになって行きました。そこまでのレースは自分でも納得の行くものでしたし、難しいショート・オーバルでのレースでトップ10フィニッシュをできたので、今後のシーズンに向けて凄く自信がつきました」
■ロジャー安川 (18位)
「スタートからハンドリングがオーバーステアで、タイヤの空気圧を調整して対処したんですが、ハンドリングは良くならず、20周を過ぎたところでサスペンションの一部が壊れてしまいました。それで車高も狂いが出たらしく、ハンドリングはさらに悪化しました。それでも、こういう苦しいレースでもクルマを壊すことがなかったので、今回のデータをチームとともに分析して原因を解明し、次のレースに備えたいと思います」
■和田康裕:HPD社長
「マシンの性能では勝っていたのですが、結果としてレースに勝てませんでした。トニー・カナーンは最後尾スタートから3位でゴールする頑張りを見せてくれましたし、松浦孝亮もレース中盤の走りは素晴らしいものになっていました。Hondaドライバーたちは良いレースを戦ってくれていました。いいレースにはなっていたんですが、フルコースコーションの出るタイミング、ピットストップを行なうタイミングなどが我々に幸運をもたらしてくれるものとはならず、逆にすべてが裏目に出ていましたね。しかし、開幕戦から昨日まで出ていたエンジンのトラブルも、200周のレースでは一切ありませんでしたので、今後のレースに向けてそれは大きなプラスです」