<US-RACING>
2デイ・イベントで、土曜日の日中がレースとなる第2戦。プラクティスで2回ともトップ・スピードを記録したウエルドンだったが、予選はチームメイトのハータがIRL初のポール・ポジションに輝く。朝のセッションでマシントラブルの最下位に見舞われた安川は、予選で大幅にスピードを上げて13位。逆にプラクティスで順調にスピードをアップしていた松浦は、予選で今ひとつスピードが乗らず、15位に終わる。
●プラクティス1:昨年のポール・ポジション、ウエルドンがトップ
インディ500以外で、唯一初年度から開催されているフェニックス。10年目のレース・ウイークエンドの初日は、砂漠にあるフェニックスにしては珍しく、厚い雲に覆われた。午前10時から始まった最初のプラクティスで、トップ・スピードをマークしたのはウエルドン(176.098mph:20.4432秒)。昨年リッチモンドとナザレスのふたつのショート・オーバルを制しているウエルドンが、好スタートを切った。2位はチームメイトのハータ(175.770mph:20.4813秒)で、3位にはトヨタ・ダラーラのカストロネヴェス(175.421mph:20.5220秒)が入る。
●プラクティス2:ウエルドンの完全制覇で、3メーカーが揃って上位に
依然曇り空の中、午後12時30分にスタートした予選前最後のプラクティス。ここでもウエルドンがトップとなり、176.680mph(20.3758秒)までスピードをアップした。2位はこのフェニックスの2002年の覇者カストロネヴェスで、176.537mph(20.3923秒)。3位には前戦ホームステッドのポール・シッターであるシェクター(175.887mph:20.4677秒)が入り、ホンダ、トヨタ、シェビーと3メーカーが揃って上位に顔を揃えることになる。エンジンよりもシャシーの仕上がりがものを言うショートオーバルで、興味深い結果となった。
●予選:ハータが10年ぶりにフェニックスでポール
2デイ・イベントの今回、予選が午後3時30分から始まり、まずはバロンからアタック。続いてマニング、ハータの順で予選に臨んだ。午前のプラクティスで2番手だったハータは、176.612mph(20.3837秒)とウエルドンが出したプラクティスの総合トップ・スピードにわずか届かず。4番目にアタックしたカストロネヴェスは、176.081mph(20.4451秒)と自らのプラクティス・スピードを上回ることすらできなかった。その後シェクターも176マイル台に入れるが、誰もハータのスピードを破れない。
プラクティスの総合トップだったウエルドンがスタートしたのは、午後3時58分。気温が下がって有利と見られていたが、176.475mph(20.3995秒)と自分のプラクティス・スピードを上回ることができない。昨年、このレースで初めてポール・ポジションを獲得したウエルドンは、僚友ハータのスピードを越えられなかったため、2年連続のポール・スタートは実現しなかった。
この後に5人がアタックしたものの、結局ハータのトップ・スピードを凌ぐものは現れず、ハータがIRL初のポール・ポジションを獲得する。奇しくも、ハータがCARTで最初のポールに輝いたのがこのフェニックス。IRLができて分裂する前年(1995年)のことで、今からちょうど10年前、CART最後のフェニックスだった。
開幕戦で目覚しい活躍を見せた日本勢は、安川が最初のセッションでダンパーの調子が悪く、158.917mph(22.6534秒)の最後尾。だが最後のプラクティスで挽回して172.785mph(20.8352秒)と16位まで上がり、予選では174.403mph(20.7024秒)と大幅にスピードをアップ。最終的に13位となった。片や、松浦は最初のプラクティスで13位(171.428mph:21.0001秒)、2度目のセッションで総合12位(174.278mph:20.6567秒)とスピードを上げてきたものの、予選は伸び悩んで174.211mph(20.6646秒)の15位に終わる。
ハータとウエルドンのアンドレッティ・グリーン・レーシングがフロント・ローを独占し、ホンダの3年連続ポール・ポジションとなったものの、このフェニックスで2連勝しているカナーンはプラクティス中にエンジンに問題が発生。2デイ・イベントで1エンジンのルールとなった今年、エンジン交換を余儀なくされたカナーンは、明日のレースで最後尾と厳しい位置からのスタートとなる。3位がトヨタのカストロネヴェス、4位がシェビーのシェクターと、3メーカーが上位からスタートする明日。ホンダの連覇を阻止することはできるか。