INDY CAR

Honda Indy V-8勢が2日とも1、2、3位を独占

<Honda>

画像

■開催日:2月9日(水)〜10日(木)
■開催地:アリゾナ州エイボンデイル
■サーキット:フェニックス・インターナショナル・レースウェイ(全長1マイル)
■天候:曇りのち雨
■気温:9〜21度
シーズン開幕が1ヶ月以内に近づいた2月9、10日の2日間、IRL IndyCarシリーズは今年2回目の合同テストをアリゾナ州フェニックス郊外にあるフェニックス・インターナショナル・レースウェイで行なった。第2戦の舞台として使用されるコースは、全長が1マイルのショート・オーバルで、1月中旬に行なわれたホームステッド・マイアミ・スピードウェイが超高速のパワー・コースであるのに対し、フェニックスはよりマシンセッティングが繊細となるハンドリングコース。テストには20台のマシンが結集し、シャシー・セッティングとエンジンのドライバビリティが鍵を握るコースを走り込んだ。
その中からHonda Indy V-8を使うダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が、20秒5042=平均時速175.574マイルのベスト・ラップを記録。Honda Indy V-8勢の仕上がり具合は極めて良く、走行の行われた2日間、両日ともに1、2、3位のタイムをマークした。2日間の総合では、ダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が20秒5601で2番手、トニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が20秒5673で3番手と、トップ3ポジションすべてをHondaドライバーたちが手に入れた。

画像

 
2003年に続く2度目のフルシーズン・エントリーを行なうロジャー安川(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)は、今年から加わったチームとのコミュニケーションを深めながら走行を重ね、2日目の午後に20秒7658の自己ベストをマークし、2日間総合の11番手につけた。

画像

昨年度IRL IndyCarシリーズ・ルーキー・オブ・ザ・イヤーの松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング)は、新たにチームメイトとなったスコット・シャープ(フェルナンデス・レーシング)と情報交換をしながら、今シーズンを通して必要となる基本データの収集を行っていた。ベスト・ラップは2日目の午後に出した20秒8740で、2日間の総合では18位にランクされるものだったが、テスト内容とその成果を喜んでいた。
●ダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング) 総合1位(20秒5042/175.574マイル)
最速タイムを出せたことが表しているとおり、僕らのテストは極めて順調だった。とても気分がいい。Hondaエンジンはこのオフの間にさらに進歩を遂げ、去年弱かった部分をカバーして来ている。予選とレース、どちらのシミュレーションでも速さを発揮できていた。2日目の午後が雨になったために、あと2つか3つ、試したかったことをやれなかったが、チームは本当にいい仕事をしてくれた。僕は去年1年間でIRL IndyCarシリーズというものをより深く理解し、すべてのコースを知ることもできたので、今シーズンはより攻撃的に戦うことができるだろう。開幕が今から楽しみだ。
●ダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング) 総合2位(20秒5601/175.096マイル)
僕らのチームは今回のテストでも高い戦闘力を発揮した。今回のテストでのコンディションは、ここフェニックスでレースが行われる時より随分と涼しかったが、予選シミュレーションの結果がとても良かったことは大きな成果だったと思う。このコースでは予選順位が非常に重要だからだ。去年1年間で僕はさらに自信をつけた。しかし、今シーズンに出場する20数台のうちの半数以上に勝つだけの力が備わっている現状を見ると、今年は去年以上に厳しい戦いになることと予測できる。その戦いを僕は楽しみにしている。
●トニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング) 総合3位(20秒5673/175.035マイル)
2日間のテストは本当に有意義だった。コンディションがレースの時と大きく異なるのは確かで、それが今回のテストの悪い面といえば悪い面だった。しかし、予選シミュレーションでも、決勝用セッティングでも僕らは速かったし、マシンはとても安定していた。Hondaエンジンはパワフルで、信頼性もいつもどおり何も心配のいらないものとなっていた。あとは、今回得られたデータをじっくりと検討し、暑いコンディションにいかに対応させるか。それがまたここに帰って来る時までの宿題だ。
●ロジャー安川(ドレイヤー&レインボールド・レーシング) 総合11位(20秒7658/173.362マイル)
自分にとって今回はドレイヤー&レインボールド・レーシングとの2度目のテストとなりましたが、1回目に比べるとずっとスムーズに仕事を進めることができていました。100パーセントは満足していませんが、やろうと考えていたことの80パーセントはこなせたテストでした。自分たちは1カー・チームなので、レースウィークにいかに効率的に仕事を進めるかが大きなテーマになります。今回のテストでは、まだその効率という面でうまくいっていないところがあったので、チーム、そしてエンジニアとよく話し合って、タイムロスを少なくするようにしたいと考えています。ラップタイムも最後に伸びて、他のチームと勝負のできるレベルにまでは今回のテストで持って来ることができたと思います。
●松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング) 総合18位(20秒8740/172.463マイル)
1日目は主にサスペンションのテストを行い、2日目には、そこから細かなセッティングをして行っていました。まだ完全にマシンを煮詰め切るところまでは行っていません。タイヤが新品の時にはとてもバランスが良いんですが、そこからのマシンは、セッティングによってアンダーステアになったり、オーバーステアになったりと安定していませんでした。新しいチームマネジャーの下でメカニックたちのモチベーションは高く、レースを勝ちに行く体制になっていると思います。今回のタイムは満足の行くものではありませんでしたが、チームメイトのスコットとまったく同じセッティングで走ってもコンマ2、3秒遅かったので、その原因をワークショップに戻って確かめたいと思います。
●和田康裕 : HPD社長
結果も非常に良かったし、テストは順調に終了しました。各チームともに多くの周回をこなして、シャシーのセッティングを進めることができました。まだシャシーもエンジンも開幕で使う最終スペックにはなっていませんので、不確定な要素もあります。ライバル勢がどのようなことをしているのか、手の内をどこまで見せているのかはわかりません。しかし、それは我々も同じことです。現在は開幕時を100とすると、80パーセント程度の仕上がりとなっています。まだ開幕までにやらなくてはならない宿題もありますので、それをやり遂げてホームステッド・マイアミ・スピードウェイでの開幕戦を迎えたいと考えています。