<US-RACING>
初日はトヨタ・パノス(今年からGフォースの呼び名がパノスに)の好調が際立ったが、二日目は昨年のチャンピオン・チーム、アンドレッティ・グリーン・レーシングのホンダ・ダラーラが躍進した。トップはベテランのフランキッティと、大方の予想どおり。チャンプ・カーで10勝(うちロード&ストリートが9勝)を挙げたその実力(現役最多)は、まだまだ健在だ。タイムも約0.25秒差と、一人だけ飛び抜けている。「4台でできる限りのセッティングをし、ハンドリングとバランスを試した効果が出たね」と語るフランキッティ、ドライバーの力といい、今年もAGRのマルチカー体制は磐石の布陣と言えそうだ。
ギア・トラブルでほとんど走れなかった初日の分まで取り戻そうと、2日目の最多となる106ラップをこなし、5セットのタイヤを使い切った松浦。ギア比が合わないコーナーもあったようだが、それでも総合7番手につけ、ロード・レーサー松浦の実力を見せつけた。昨日のトップで、総合でも3番手に食い込んだブリスコーはF3時代のチームメイトであり、「あの頃は俺より遅かったんですよ」とバッサリ。「チームの作戦で今日はロング・ホイール・ベースの担当をしていたんですけど、あいつと同じショート・ホイール・ベースだったら、絶対に負けません!」と頼もしい。今シーズン、かつてのチームメイトとの対決も楽しみだ。
ロード・コース初体験のチームとともに、こつこつとセッティングを進めている安川は、午前中のセッションで待望の71秒台に入り、ポジションも17番手までアップ。しかし、午後になると他のチームがタイムを縮めるペースに付いていけず、再び19番手まで下がってしまう。唯一の1台体制というディスアドバンテージを背負う身としては致し方ない結果ともいえ、もっとテストを重ねる必要性を感じていたのは、安川本人に他ならないだろう。
「ホーニッシュJr.は右に曲がるのが苦手らしい・・・・・・」。噂には聞いていたが、2日間の総合18番手がそれを証明してしまった。オーバルの魔術師が、ダニカ(総合17番手)よりも遅いのは、シリーズの沽券にかかわる一大事。開幕までに帳尻を合わせられるか? 一方、チームメイトのカストロネベスは、CARTあがりの腕前を披露して総合4番手。とはいえ、トヨタ最速を新人ブリスコーに奪われており、チーム・ペンスキーとしてはこちらも納得のいかない初ロード・コース・テストとなった。
今回初公開となったロード・コース・パッケージ。実戦までに細かい変更が施される可能性もあるが、ほぼこのままで登場することになりそうだ。エアロ・パッケージはショート・オーバル用の仕様とほぼ同じ(フロントウイングは若干変更)だが、わずかに車高が高くなる。ブレーキはディスクが同じ径のまま、年間1回だけ交換していたカーボンからコスト・アップを避けるためにスチールとなり、キャリパーが大型になって強化された(写真上、左側がロード用)。ディファレンシャル・ギア(写真下、左側がロード用)も組み込まれている。第3戦セント・ピーターズ・バーグで、いったんどんなレースを見せてくれるだろう。