INDY CAR

松浦孝亮、ブレーキトラブルで無念のリタイア


ペンシルバニア州のナザレス・スピードウェイは1966年開業の伝統あるコースだが、今シーズン限りで閉鎖されることがすでに決定している。今回の2004年IRLインディカー・シリーズ第13戦は同サーキットでの最後のイベントであり、同時に1996年の1月にフロリダ州オーランドで初イベントを開催したIRLにとって通算100戦目の開催となる。歴史あるコースの閉鎖を惜しみ、また、記念すべき第100回イベントを堪能しようと、全長1マイルのコースには多くのファンが詰めかけた。
■日時:8月29日(決勝)
■開催地:ペンシルバニア州 ナザレス
■サーキット:ナザレス・スピードウェイ
■天候/気温:快晴/29度
ペンシルバニア州のナザレス・スピードウェイは1966年開業の伝統あるコースだが、今シーズン限りで閉鎖されることがすでに決定している。今回の2004年IRLインディカー・シリーズ第13戦は同サーキットでの最後のイベントであり、同時に1996年の1月にフロリダ州オーランドで初イベントを開催したIRLにとって通算100戦目の開催となる。歴史あるコースの閉鎖を惜しみ、また、記念すべき第100回イベントを堪能しようと、全長1マイルのコースには多くのファンが詰めかけた。
225マイル=225周のレースを松浦孝亮は18番グリッドからスタート。パナソニックARTA/Gフォース・Hondaを上位でフィニッシュさせようと意気込んでいたが、レース序盤はタイヤの空気圧設定が間違っていたためにハンドリング不調に苦しんだ。1回目のピットストップで新しいセットにタイヤを交換。これでハンドリングは向上するはずだったが、路面コンディションの変化も影響してか、マシンはドライビングが非常に難しいものとなった。松浦はウエイトジャッカーとスウェイバーを調整し続け、アンダーステア、オーバーステアと変化するハンドリングと格闘したが、今度はブレーキが効かなくなるトラブルに見舞われ、緊急ピットイン。右フロントのブレーキが過熱しすぎていることが判明したため、115周でレース続行を断念した。
バックストレッチを底辺とした三角形のコースを持つナザレス・スピードウェイは、オーバルコースではあるものの、バックストレッチが下り坂でターン4手前からピット前までが上り坂というユニークなもの。コーナーにつけられたバンク角は3〜6度と非常に小さく、ロードコース的な特徴も備えている。マシンセッティングの重要性は極めて高く、オーバーテイクが至難のテクニカルコースとあって、松浦は金曜日に始まったプラクティスから慎重に、しかし着実にコースを習熟。マシンセッティングはセッションを重ねるごとに向上していった。しかし、レースでのマシンは目指していたハンドリングを備えてはおらず、リタイアした松浦のリザルトは21位となった。ルーキーポイントで松浦を追いかけているエド・カーペンターがクラッシュし、20位となったことから、ともに獲得ポイントは12点。両者の差は縮まらなかった。松浦のポイントランキングは13位で変わらず、依然ルーキートップの座も堅持している。残るはシカゴ、フォンタナ、テキサスの3戦。どれもが松浦とスーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングの得意とするハイスピードオーバルだ。これらの3戦で初勝利を記録すべく、チームは全力を上げて戦いに臨む。
●松浦孝亮
「今回のレースはこれまでの中で一番難しかった。残りのレースにとにかく集中していきたい」
「今回のレースはこれまで戦ってきた中で一番難しかった。スタートしてしばらくしたらオーバーになるとの予想はしていたんですが、最初はアンダーステアが強く、ウエイトジャッカーで調整をしてクルマを少しでも良い状態にしようとしました。ところが、50周過ぎぐらいからいきなりターン2でルーズになり始め、そしてトップ集団に一気に抜かれてしまいました。右フロントタイヤの内圧が上がりすぎたみたいですね。アンダーが強い状態が続いていたので仕方がないことですけれど。その後はアンダーステア、オーバーステアの繰り返しになり、1回目のピットストップの後はコース上にとどまってるのさえ難しくなっていました。ピットでタイヤを替えたことで、ハンドリングは良くなるはずだったんですが、逆に悪くなってましたから。気がつくとトップグループがまた後ろから来て、ラインを譲るとタイヤかすを拾ってしまうし……。すごくルーズなクルマになってしまい、ブレーキを踏んでコーナーへ入らないとスナップオーバーになるんじゃないかという心配がありました。そういう走り方が結果としてブレーキのヒートアップに繋がり、右のフロントのベアリンググリスがアップライトに当たって引火してしまいました。115周リタイアという残念な結果にはなりましたが、ブレーキの異変に早く気づいたというプラスの面もありました。ちょっとおかしいかな?と思い始めてすぐにスピードを緩めたんですが、もう2、3周は大丈夫だろうと思って攻めていたら、3コーナーで当たっていたかもしれません。今、僕らのチームはリズムがあまり良くないですね。残り3戦は自分たちの得意なスーパースピードウェイなので、今回はクルマを壊さずに走りたかった。駄目な時は止めるしかない、ということもあります。前回、スコット・ディクソンもレース中にクルマを止めていましたよね。無理して頑張ってドカンではどうしようもないですから。僕らは最後の3レースにとにかく集中してます。この3レースは勝てると考えているので、実現できるよう頑張りたいです」
●鈴木亜久里 チーム代表
「最初の出だしからペースに乗れなかった。残り3戦はクルマの決まり方次第では結果を望める」
「今回はレースになってなかったね。まったくレースをせずに終わった感じだ。コースが難しいということもあるが、それにしてももう少し走れると思うな。クルマの状況が悪すぎたのか、孝亮にまだ力が足りてないのかはわからないが、今回は最初からペースに乗れなかった。とにかく、最も難しいレースがこれで終わった。残り3戦はハイスピードのコースなので、今回のようなことにはならないとは思う。シカゴ、フォンタナ、テキサスの残り3戦は、クルマの決まり方次第でそこそこ良いところまでいけるはずだ。しかし、今は流れが良くないので、どこで良い流れを取り戻せるかが大事だと思う。そして、次戦シカゴに持っていった時のクルマの状況が鍵になる。そこそこのセッティングになっているマシンであれば、やっぱりドライバーも気持ちが乗るし、レースに対して向かっていけるからね」
●トム・アンダーソン マネージング・ディレクター
「非常に難しいコースでもコウスケは全力を尽くしてくれた。残る3戦のハイスピードオーバルでトップへと食い込んでみせる」
「今日はブレーキのトラブルでリタイアとなった。マシンのハンドリングが安定せず、ブレーキを酷使せざるを得ない状況となってしまった。ナザレスは非常に難しいコースだ。それは今日のレースでルーキーが誰ひとりとしてゴールまで走り切れなかったことが証明している。ナザレスは今年でレースを行うのが最後であることから我々はテストをしなかった。貴重なテストデイを終盤の3戦に向け、ケンタッキーでのテストにあてたというわけだ。テストなしでナザレスを走る。そうした難しい状況でもコウスケは全力を尽くしてくれた。今日の結果は、我々が用意した状況下で得られる最高のものだった。残る3戦は我々が自信を持っているハイスピードオーバルだ。シカゴでの我々はトップ争いへと食い込んでみせるよ」
スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング公式ウェブサイト
www.superaguri-fernandez.jp
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