アパラチア山脈西側でのレースを終えた後、休む間もなくIRLインディカー・シリーズはアメリカ大陸を再び西へ。ロッキー山脈の東側まで約1220マイル(約1963km)を移動し、第12戦を戦う。
標高が高く、セッティングの難しいパイクスピークでの一戦前戦ケンタッキーで4位入賞した勢いそのままにベストフィニッシュを目指す
▽2004年8月16日
■日時:8月21日〜8月22日
■開催地:コロラド州 ファウンテン
■サーキット:パイクスピーク・インターナショナル・レースウェイ
アパラチア山脈西側でのレースを終えた後、休む間もなくIRLインディカー・シリーズはアメリカ大陸を再び西へ。ロッキー山脈の東側まで約1220マイル(約1963km)を移動し、第12戦を戦う。
225マイルのレースが行われるのは、1997年に開業したパイクスピーク・インターナショナル・レースウェイ。州都デンバーから南に約95マイル下ったところ、コロラド・スプリングスとプエブロのほぼ中間のファウンテンという町、インターステイト。25号線沿いに作られた1マイルオーバルだ。かつてインディカー・シリーズの1戦として開催されていたヒルクライムレース=パイクスピーク・オート・ヒルクライムをその名の起源に持つコースである。デンバーはマイル・ハイ・シティと呼ばれており、コロラド・スプリングス、そしてパイクスピーク・インターナショナル・レースウェイのあるエリアも標高が1600メートル以上ある高地だ。高地であるが故に空気は薄く、インディカーは多大なる影響を受ける。空気の密度が薄いためにエンジンはパワーを発揮しにくく、シャシーは得られるダウンフォースが小さくなるのだ。高山病を誘発するまでの高度ではないものの、ドライバーやクルーは普段よりも体力を消耗する環境に置かれていることを常に頭に入れておかねばならない。
パイクスピーク・インターナショナル・レースウェイのバンク傾斜角は最大10度。バックストレッチには3度、フロントストレッチには7度のバンクがつけられている。ショートオーバルでのレースは今年4戦目となるが、パイクスピークは第2戦の行われたフェニックスとよく似た性格を持つコースだと言える。ただし、フェニックス以上に1周のうちに占めるコーナリング時間は長く、コース幅も十分にあることから、サイド・バイ・サイドの戦いは断然実現しやすい。このようなコースでは、ラインを自在に変えることのできるマシンに仕上げなければならない。つまり、マシンセッティングの重要性が極めて高いのだ。前戦ケンタッキーに続いて今回も2デイ・イベントとして行われるため、プラクティスは短く、データを解析するための時間も決して長くはない。エンジニアにとって、パイクスピークは腕の見せどころであると言える。
今シーズンもこのレースを含めて残すところ5戦。パナソニックARTA/パノスGフォース・Honda、そしてIRLインディカー・シリーズをルーキーとして戦う松浦孝亮は、ここまでの戦いで得られた経験とノウハウ、そしてチームワークを武器として今シーズンのベストフィニッシュを目指す。
●松浦孝亮
「1マイルオーバルを戦うのは久しぶりですがコースに関係なく良いレースを戦いたい」
「パイクスピークは初めてのコースですが、標高が高いのでインディカーのようなウイングカーにとっては難しいものなるでしょうね。空気が薄くてダウンフォースが得られなくなりますから。1マイルオーバルでのレースは久しぶりですが、コースの長さに関係なく自分としては良いレースを戦いたい。そして、今週末も良い結果を出したいと考えてます。僕らは前戦のケンタッキーで4位になり、チームはとても良い流れに乗っています。去年のパイクスピークでチームは上位を走っていますし、きっと今回も良い結果が出せると思います。今回も全力を出し切って戦います」
●トム・アンダーソン マネージング・ディレクター
「チームは良いムードにあり、モチベーションも高いパイクスピークは難しいコースだが、ハードワークで乗り越えたい」
「パイクスピークでのレースはとてもコンペティティブなものとなるだろう。標高の高いコースではマシンのダウンフォースが減る。今週末のパイクスピークは気温が低いという予報が出ており、気温が低ければ暑い時に比べて大きなダウンフォースが得られるが、出場全22台の間にある差は小さくなり、全長0.75マイルのリッチモンドで行われたレース以上に厳しい戦いになるはずだ。先週好成績を挙げた我々だが、パイクスピークはケンタッキーとはまったく性格の異なるコースだ。シカゴでのレースならば、前戦の勢いをそのまま持ち込むことも可能だろうが、パイクスピーク、その次のナザレスはどちらもショートオーバルであり、マシンを仕上げるのが難しい。しかし、チームはよいムードにあり、モチベーションも高い。チーム力もここにきてレベルが上がっているし、4位フィニッシュを果たしたことで、我々に上位を戦う力があることが証明された。夏の間に築き上げてきた勢いを、ハードワークを続けることで今後さらに強力なものにしていきたい」
スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング公式ウェブサイト
www.superaguri-fernandez.jp
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