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松浦孝亮、デビュー2戦目にして予選10位をゲット!

<Super Aguri Fernandez Racing>
2004年IRLインディカー・シリーズ第2戦コッパー・ワールド・インディ200の予選が、今日、アリゾナ州のフェニックス・インターナショナル・レースウェイで行われた。パナソニック・ARTA/Gフォース・Hondaを駆るスーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングの松浦孝亮は、今週の自己ベストに近い21秒0557というタイムをアタック2周目に記録し、予選10位という結果を得た。

松浦孝亮、デビュー2戦目にして予選10位をゲット!

▽2004年3月21日

■日時:3月20日(予選)
■開催地:アリゾナ州エイボンデイル
■サーキット:フェニックス・インターナショナル・レースウェイ
■天候/気温:晴れ/30℃

2004年IRLインディカー・シリーズ第2戦コッパー・ワールド・インディ200の予選が、今日、アリゾナ州のフェニックス・インターナショナル・レースウェイで行われた。パナソニック・ARTA/Gフォース・Hondaを駆るスーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングの松浦孝亮は、今週の自己ベストに近い21秒0557というタイムをアタック2周目に記録し、予選10位という結果を得た。

走行初日となった金曜のプラクティスは20台出走中の20位だったが、走行2日目の今日はマシンのハンドリングを大幅に向上させることに成功し、デビュー2戦目としては高く評価されるトップ10入りを達成した。アリゾナ州最大の都市フェニックスの郊外、砂漠の中のエイボンデイルという町に1964年に完成したオーバルは、全長1マイルのショートトラック。ターン1〜2とターン3〜4でコーナー半径が異なり、バンクの傾斜角も違っているコースはマシン・セッティングのバランスを出すのが非常に難しいことで知られている。インディカー・シリーズが開催されるサーキットの中で最も難しいというベテランドライバーまでいるほどだ。よりコーナーの小さいターン3側のバンクがきつく、大きなコーナーであるターン1側はバンクが緩やかなコースは、ターン1とターン2でマシンがスライドし易い。セッティングを進めるセオリーとしては、まずはバンクの急なターン3側を全開で走れる状況を作り出し、続いてターン1側をいかにアクセルを戻す量を少なく走れるようにするかを詰めて行く。
 
スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングは、シーズン開幕前の合同テストで得られたデータを基に今回のレースに向けたセッティングを施したが、金曜のプラクティスが始まると、大きなアンダーステアに苦しめられた。午前、午後、2回のプラクティスを走ってもその症状は完全には解決されず、さらに大きなセッティング変更を行って予選日を迎えた。そして、その変更が正しい方向であったことが朝のプラクティスで確認された。松浦のタイムは、前日の21秒9782から、20秒9457まで縮まったのだ。

そして迎えた予選、松浦は3番目のアタッカーとしてコースイン。計測2ラップ目に、朝のベストに近い21秒0557をマーク。5列目アウト側のグリッドから明日のレースをスタートする権利を手に入れたのだった。今回もスーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングは決勝用セッティングに集中しており、予選用セッティングにはトライしていない。その結果、レースを戦うための準備も整えることができた。今回から共同チームオーナーのエイドリアン・フェルナンデスがフェルナンデス・レーシングとしてIRLインディカー・シリーズへのフル参戦を開始し、松浦とフェルナンデスはデータを共用し、情報を交換しながらマシンセッティングを進めている。

●松浦孝亮
「エイドリアンの参戦でマシンセッティングが今までの倍以上のスピードで進んだ予選10位で満足してはいけないが、決勝を戦う上でも5列目につけられて良かった」「開幕戦と同じ感じで、昨日の走り始めもマシンのハンドリングが良くなかったんですが、今回からはチームメイトのエイドリアンがいるのでクルマのセットアップを開幕戦の倍以上のスピードで進められることができ、10位という予選結果にできました。10位で満足をしちゃいけないんですが、自分でも本当にホッとしました。フェニックスはショートオーバルで、トップと最後尾のタイム差が1秒ぐらいあります。多分、20周ぐらいで周回遅れになるクルマが出てくると思います。アウト側は路面が汚れていて、今日の時点ではまだ走るのはかなりリスキーでしたけれど、明日は何周かを2列で走った後には、アウト側も走れるようになるんじゃないかと考えています。そうなったとしても、ここはオーバーテイクが難しいので、予選で少しでも前の方に自分のクルマをつけたいと思っていました。明日のレースは常にトラフィックにいる状態で戦い続けるものになると思うので、もう少し前のグリッドにつけたかったっていうのが本音なんですけど、真ん中の10番につけられたのは良かったと思っています」
●鈴木亜久里 チーム代表
「明日は孝亮にとって初めてのショートオーバルのレースだが一歩ずつ着実に進んで行きたい」
「昨日の走り始めからしてみれば、今日は随分とマシンを良い方向に持って行くことができた。昨日の時点では、どうなってしまうのかと考えていたほどだった。今日、なんとかカタチにすることができたと思う。10位というポジションは、まだ目指してるところじゃないけれど、エンジニアもドライバーも、チームも頑張って力を出しているので、一個ずつ目指すところに近づいて行ければいい。大外しの状態を考えれば、今日はいい予選になってたと思う。今回からエイドリアンが走ることになって、孝亮と二人でいろいろと違ったことを試せるようになった。これは大きいよ。やっぱり2台体制は断然いい。お互いに情報を交換し合って、コメントもお互いに聞きながらマシンを作っていけてる。明日のレースは、孝亮にとってはショートオーバルでの初めてのものだし、エイドリアンもまだ完全にマシンやIRLのレースを把握してるわけじゃないから、まだどうなるかはわからないけど、一歩ずつ進んで行ければいい」

●トム・アンダーソン マネージング・ディレクター
「予選ではマシンが若干のオーバーステアとなっていたがコウスケはすばらしい才能でマシンをコントロールしていた」
「今日のコウスケはいい仕事をした。今の彼に不足しているのは経験だが、フェニックスはテストで走ったことがあるため、今週は4回目の走行だった。そのことが大きなプラスに働いていたのは間違いないだろう。昨日まではマシンのハンドリングが想定していた以上にアンダーステアで苦しい状況だった。しかし、今日の我々はそれを大きく改善することができた。そして、予選のアタック順が早かったことも我々に味方してくれたと思う。予選が進むに連れて路面は熱くなっていったようだった。今日の予選でのパナソニックARTA/GフォースHondaは、若干のオーバーステアになっていた。ドライビングは難しかったはずだが、コウスケは素晴らしい才能でマシンをコントロールし切った。今後、チームはさらに進歩を続けていってくれるものと考えている」