Keita Kawai

ガレージキット攻略チャンプ・カー編〜デカール貼り〜

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前回でボディの塗装が終わりましたので、今度はスポンサー・デカールを貼り付けています。デカールはプラモデルと同様の水転写式になっており、貼り付け手順も同じです。一般的に気をつける点は、デカールをしっかり密着させるということだけです。
一見ちゃんと貼れたように見えても、密着度が高くなければ少し時間が経つと浮いてきて剥がれてしまったり、デカールの余白部分が浮いて白っぽくなる“シルバリング現象”を起こしてしまいます。塗装が上手くできているのに、レーシングカーのアイデンティティとなるスポンサー・デカールの貼り付けを失敗すれば、すべてが台無しになってしまいます。スペア・デカールがあれば修正可能ですが、用意できなかったときに失敗するとその精神的ダメージはかなり大きいですね。経年変化による退色や浮きはしょうがないにしても、完成させる前からトラブルになるのは、何とか避けたいところです。
密着度をあげるための方法は、出来るだけ塗膜を平滑にしておくことです。塗膜がでこぼこしているとデカールはなかなか密着してくれません。ここまでの工程でいつも塗膜の平滑さを重視してきたのは、最終的な仕上がりのためでもあり、デカール貼りが上手くいくようにするためでもありました。もちろんデカールそのものの品質によって左右されることもあります。近年、ガレージキットのリリースが盛んなブラジル系メーカーのデカールはかなり硬く、貼りづらかったりしますが、今回は日本のスタジオ27製なので心配は要らないでしょう。

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貼り始める前の下処理として、まず塗り分けたときの段差を消していきます。上の画像は塗膜をイメージしたものなのですが、白の上に水色を重ね塗りしているので、塗り分けた部分の塗膜に段差が生じます。このままデカールを貼ってしまうと、貼った上に段差が浮き出てしまい、見栄えが悪くなってしまいます。
解決策としてはデカールを貼る前にクリア塗料を数回に分けて吹き付け、段差となっている部分(イメージ画像の斜線を引いてある部分)を、耐水ペーパーで均してあげるのが良いでしょう。クリアを吹き付けることで水色の塗膜を傷つけるリスクもありません。また、こうすることで塗料がデカールへ色移りするのも防いでくれます。少々面倒な作業ですが、仕上がりに影響しますし、経年変化を緩やかにするためにもやって損はないはずです。

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段差消しの作業を終えたあとは、いよいよデカールを貼り付けていきます。付属している指示図どおりに貼ればほぼ間違いないと思いますが、いちよう実車の資料も参考にして貼り付けるのがベストですね。もちろん模型ですから、実車どおりとはいかない部分があり、ロゴの大きさなどが微妙に違うのもありますので、多少つじつまが合わが必要です。
しかも今回はいかんせん古いキットのせいなのか、デカールがうまくボディに馴染んでくれません。こればっかりは時間をかけてゆっくりやるしかないのですけど、やはり一部のデカールがキットと合わないなどのトラブルも出て、少し大変でした。それでもただの樹脂素材の塊だったものが、ここまでくるとレーシングカーとしての表情を出してくれるので、僕はこのデカール貼りが模型作りの一番好きな工程ですね。

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ボディの曲面や周りこんだ部分には蒸しタオルや軟化剤を使ってデカールを軟化させ、密着させます。ボディの分割ラインはデカールが少し乾いた後にカッターなどで切り込みを入れ、同じようにしっかり密着させることでシャープな仕上がりになります。

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貼り終わるとこんな感じになります。かなり時間が掛かってしまいましたが、何とかここまでたどり着きました。ようやく完成が見えてきた??と言いたいところですが、フィニッシュまではまだまだかかりますので、気長にお付き合い願います。

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さて、これで一旦ボディ関係の作業は終了です。次回以降はボディ以外のパーツに手をつけていきますので、塗装が終わったパーツはほこりが被らないよう、しばらく箱に入れて保管しておきます。
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