Hiroyuki Saito

LAオーット・ショー!!! (後編)

今週の木曜日はサンクスギビング・デイ(感謝祭)というアメリカ国民の祝日でして、週末にかけて多くの企業、学校などはちょっとした連休になっていますよ。この週末の金曜日に“ブラック・フライデイ”と呼ばれるクリスマス・セールが始まり(小売店などが黒字になるのでそう呼ばれている)、聞くところによると金曜日になった午前12時からオープンするデパートなどもあるらしいです。
 
しかも木曜日の夜からお店の前に並んでいる人の姿を見かけたりするみたいですが、僕自身はまったく興味がないのでね、がんばってくださいと思うだけです。それでもあと1ヶ月でクリスマスということもあって、いつも聞いているラジオ局、“94.7 the wave”からありとあらゆるクリスマス・ソングが先週くらいから延々と流れています(木曜日まではブラック・フライデイを連呼する宣伝も飽きるほど聞いた)。
 
興味もなく雰囲気を感じなくても、家にいてこうやってラジオを聴いているとね、もうすぐクリスマスなんだなって洗脳されていっている自分は確かにいますよ。でも、だからといって一日中クリスマス・ソングを流すのはちょっと早すぎるんじゃないかなと思うわけですが(局を変えれば済むだけの話でもある)、まあ、僕が思っているよりもアメリカでは多くの人がこのクリスマスを楽しみにしているようなのでね、その雰囲気に僕も呑まれていこうかなと思うハッピー・ホリデイの週末です。
 
近況はこの辺にして、先週に引き続きLAオート・ショーについてお伝えしていきたいと思うのですが、実は“オーット斉藤”の風邪がまだ直らず、なにやらいまだに鼻水が止まらねぇし、咳は出るし、熱っぽいんじゃねぇかな、という連絡があって「後編は悪いけどパスさせてくれ、ソーリー。読者のみんなによろしく哀愁」ってことだったのでね、仕様がないので代わりにお伝えしますよ。“オーット斉藤”のフランクなレポートを期待されていた方々には申し訳ないのですが、次回を楽しみにしていてくださいね!
 
 
■LAオーット・ショー!!! (後編)
 
おーっと! って違うか。そんなわけで前回はホンダのフィットEV、CR-Vをお伝えしましが、今回も何台かご紹介したいと思いますよ。
 

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話題のクルマといえばこちら。実車公開が今回お初となった「スバルBRZ」。レーシングな「STI」仕様のコンセプトカーとしてお披露目されていました。スバルとトヨタが共同開発した新型スポーツカーとして以前から注目を浴びていましたね。トヨタでいうと「FT-86」の「TRD」バージョンとでもいった感じでしょうか。スバル版とトヨタ版どちらを選ぶかは、単純にどっちのメーカーが好きなのかってことになるんでしょうね。
 

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こちらはシボレーが販売する航続距離延長型電気自動車として2011年度の北米カー・オブ・ザ・イヤーやワールド・グリーン・カー・オブ・ザ・イヤーなど他にも数々の賞を受賞して話題となったシボレーの「ボルト」
 
アメリカのフリーウエイなどでよく見かける“HOV LANE”(2人以上が乗車したクルマや州が発行する専用ステッカーを貼った低公害車が走行できる専用レーン。カリフォルニアでは“CAR-POOL LANE”と呼ばれていますよ)をこのボルトもなんと来年から走行できるようになるんです。
 
ボルトも電気モーター駆動が主でガソリンを使ったときの排気ガスの排出が限りなく少なくて済む特別な電気自動車として、州が発行する専用ステッカーを貼ればドライバーだけの乗車で走行可能になるとのこと。
 

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これは2005年8月に排ガス規制の厳しいカリフォルニア州で排気の少ないハイブリット・カーの販売促進とその優遇策として始まったことで、州が発行した低公害車ステッカー(ハイブリット車はイエロー・クリーン・エア・ヴィークル・ステッカー)を貼れば1人でも“CAR-POOL LANE”を走行できるという仕組みと同様ですね(8万5千枚発行されて今年7月には有効期限が終了)。
 
ハイブリット車に対しての優遇策は終了していたものの州は2012年の1月からボルトのような航続距離延長型電気自動車に対して4万枚の“グリーン・クリーン・エア・ヴィークル・ステッカー”を新たに発行するようです(現時点では2015年までの3年間が有効期限)。これって大渋滞が頻繁に起こるロサンゼルスでは非常にうれしいステッカーなのでね、ボルト・オーナーになった暁にはぜひ申請してゲットしないと。
 

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こちらは最近街でも見かけるようになり、電気自動車の時代が確実にやってきているんだなってことを実感させているクルマ、日産のリーフです。もう日本でもちらほらと見かけるのではないでしょうか。こちらはカリフォルニア州が発行している“ホワイト・クリーン・エア・ヴィークル・ステッカー”(電気、水素燃料電池、ナチュラルガスで動くゼロエミッション車が対象で2015年1月まで有効)を申請して貼ればもちろん“CAR-POOL LANE”をドライバーだけて通過できますよ。
 

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三菱のブースでもね、電気自動車の実用販売としての火付け役となったiMiEVが、ウッド調のカラーリングにサーフボードなんかを積んでカリフォルニア・バージョン的な感じで展示されていました。何年か前のデトロイト・オート・ショーで試乗したのですが、ほんと静かで初めて電気モーターのすっとした走り出し、そしてトルクというものを感じたのはこのiMiEVでしたね。なんだか電気自動車なのにちょいと懐かしいすよ。
 

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さて、電気自動車の紹介が続きましたが、そろそろ一応US RACINGてきなコーナーをご紹介。まずは2日目にあったロータスのプレスコンファレンスでは来年からインディカー・シリーズに参戦するロータス・ユーザーのチームが発表されましたよ。残念ながらインディカー・マシンの展示はなかったのですが、ドレイヤー&レインボールド・レーシング、HVMレーシング、ブライアン・ハータ・オートスポーツの3チームのオーナーが記者会見の場に集まりました。最終戦で発表したマイケル・シャンク・レーシングを含め現状で4チームがロータス・エンジンとなるんですね。どうなることやら。楽しみです。
 

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そしてこちらは2012年からホンダがインディカー・シリーズに供給する2.4リッターのV6ターボ・エンジン「HI12RT」。初公開でしたよ。展示されていたプレートにはプロトタイプ・インディカー・エンジンというタイトルが書かれていました。こうやってみるとやはりこれまでのV8エンジンと比べるとコンパクトですね。重量でいうと以前のより12.2kgも軽い112.5kgだそうです。燃料表記がE85(ガソリンに85パーセントのエタノールが含まれている燃料)になっていました。
 

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実は今年の最終戦ラスベガスで決勝日前日に2012年仕様のインディカーのデモンストレーション走行があったんです。シボレーとホンダのマシンが同時にオーバルを数周走行したのですが、そのとき聞いた久しぶりのターボ・エンジン音はちょっとチャンプ・カーを彷彿させるものがありましたね。来年のニュー・マシンでレースが行われるところを早く見たいものです。
 
おーっと忘れるところでした。最後までお付き合いいただいたジェントルマンの方々、お待たせしました。オート・ショーでのもうひとつの華、コンパニオンを足早にご紹介して〆たいと思います。
 

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こちらはクライスラーの見事なブロンドを優美にカールしたガールです。吸い込まれそうな青い瞳で見つめられればもうメロメロですよ。
 

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こちらは今にも吠え出しそうなジャガーのコンパニオン・ガールというかマダムたち。いろいろな種類のいろいろなコンパニオンが存在するのです。ガオー。
 

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そして最後はアウディのコンパニオン・ガールですよ。なんていえばいいのでしょうか。一言でいえばグラマラス&ビューティとでもいえばいいのでしょうか。あ、二言でした。失礼。
 

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小腹が空いていたのでね、花より団子だった自分もいましたよ。日産のブースで屋台的なワゴン車の中からアイスを配っていたガールのね、アイス越しにおぼろげに見えるスウィートな笑顔が結局はどんなコンパニオンよりも素敵に思えたLAオート・ショーでした。それでは皆さん、ハッピー・ホリデイ。