Hiroyuki Saito

キーウエスト旅情 −キーウエスト最後の夕べ“Sloppy Joe’s Bar”−

4月に入りアラバマ、ロングビーチと2戦連続でレースが行われ、しかもロングビーチが終わったあと、オートショーの取材でニューヨークに行っていたのでね、なんか忙しくしていました。そんな中、ブラジルに行くためのビザも無事発行してもらい、ブラジル行く前にやっと落ち着いたなと思ったところで、今度はインディ500のホテルやフライトといった旅の手配の段取りをしていたのですが、そういえば3週間くらいFrom USを書いていないなと思い出したのです。
しかもシーズンが始まる前には終わらせようと思っていたキーウエスト旅情がまだ終わっていません。この調子じゃ、シーズン終わっちゃってキーウエスト行ってから一年経っちゃうよとも思ったのでね、いい加減終わらせようと書き始めた次第です。ほんとね、今回で終わらせてなんかしら新しい話題にしたいなと思っておりますよ。たぶん。
それでは“キーウエスト旅情”最終話をお伝えしますー。

キーウエスト旅情 −キーウエスト最後の夕べ“Sloppy Joe’s Bar”−

パパ・ヘミングウェイの家からホテルに戻り、夜に備えて部屋でゆっくりしたあと、外はまだ明るかったのですが、お腹もすいてきたので飯食いに行くべと、ホテルのすぐ脇にあるビーチ沿いのレストラン、その名も“Southernmost Beach Cafe”に向かいました。

画像

まだ早い時間なのでそれほどお客さんも居ません。ひとりで行く場合は混み始める前にささっと行ったほうがね、無難ではありますよ。とりあえず、ビールを頼んだあと何を頼もうかメニューと睨めっこです。
やっぱりビーチにあるレストランなんだから魚料理だべなって、探しているとそれらしいものを発見。“South Beach Snapper”というメニューがどうやら地元で取れた“Yellowtail Snapper”(ハマチか鯛なのか良く分からない魚)という魚を使った料理らしく、まあ、メニュー名は“南浜の鯛”なんだから魚には間違いねぇかと頼んで出てきたのがこちら。

画像

なんかいい感じですよ。見た目もとてもおしゃれじゃないですか。花まで添えられちゃってね、ちょっと恥ずかしいくらいですが、これが食べてみたら淡白なんだけど、ソースと一緒に食べるとコクが出るというか、いやはや、おいしかったんです。はっと気がついたらね、食べ終わっていましたよ。キーウエストで一番おいしかった料理でした。

画像

そんな地元の魚料理に舌鼓していると、太陽がメキシコ湾にぼちぼちと沈み始めようとしていました。本当はキーウエストの日没も有名なので見たかったのですが、次回の楽しみにとっておくことにしてレストランを後にしたのです。

画像

それじゃ、一杯ひっかけにいくかと、暑くもなく寒くもない湿気を微かに含んだ心地良い風が吹く中、夜も深まってきたキーウエストの目抜き通り“デュヴァル・ストリート”を進み、次の目的地へと向かいました。

画像

向かったところはヘミングウェイが良く通ったという“Sloppy Joe’s Bar”。建物に煌々と輝くその名前のネオンは遠くからでも良く分かり、入り口が開け放しになっているそのバーからはシンプルでなんとなく懐かしい音楽が聞こえてきました。

画像

意外と広いそのバーにはカウンターはもちろん、店の奥にステージがあり、そのステージを囲むようにテーブル席が広がっていました。とりあえず、ビールを頼んでカウンターに座ってステージを見ると、ドラム、ピアノ、トランペットといった至ってシンプルな楽器を使って3人のおじさんたちが演奏していました。

ステージ衣装なんてありもせず、近所からふらっと集まって勝手に引き始めたようなおじいさんたちですが、演奏の合間にはお客さんと話したりしてね、実に楽しそうなんです。まあ、その映像を動画で撮影してきたのでね、ご覧ください。

お店から帰るお客さんなんかはステージの前を踊りながら去っていきます。年配の方々多かったのですが、夫婦で楽しそうにその演奏を見ている姿はなんかほのぼのとしてとてもいい光景だなぁって思いつつ、その楽しい生演奏に聞き入っていたのでした。

外にでるとキーウエストの唯一の繁華街は、今宵を楽しもうといった人たちで賑わってきていました。心地いい風が吹く中、そんな人々を横目にね、ホテルに戻って本を読みながらお酒を飲みつつ、キーウエスト最後の夜は深けていったのでした。
昨年シーズン終了後の10月4日から2泊したキーウエストでの滞在記を何回にも分けてお伝えしてきたのですが、やっと終了を迎えましたよ。いや、ほんと長かったです。もう旅情シリーズも目新しいところに行かない限り当分ないかなって思ってはいますが、今週末行くブラジルでなにか面白いことでもあればね、またお伝えしたと思っています。はい。
皆さんもいつかどこかでボンボヤージュ。