Hiroyuki Saito

ブラジル旅情 −サン・ベント聖堂−

カナダの2連戦が終了し、ちょっと落ち着きを取り戻した金曜日の午後です。今週末はレースがないのでね、いまだに話題豊富なブラジル旅情の続きをお伝えしたいと思いますよ。
 
−サン・ベント聖堂−
 
ランチを食べ終えた僕達はそのレストランと同じ並び沿いにある旅行代理店へといきました。そこで「地図がほしいんだけど」と受付でお願いすると「何語の?」と聞かれたのでね、「もしあれば日本語の」と答えたらわざわざ日本語担当の人が地図を持ってきました。
 
無料なのかと思っていたのですが、その地図にちゃんと値段が設定されていたのでしかるべき料金を払い、ついでだから「地下鉄でこの辺に行こうと思っているんだけど、治安は大丈夫かな?」って聞いてみたらね、その日本語が話せる多分日系の女性が親切に降りる駅を教えてくれ、そしてちょっとだけ心配そうな顔で「治安はあまりよくはないですよ」とアドバイスしてくれました。
 
目的は僕が個人的に教会や聖堂、お城といった古い建造物に興味があるので、時間があるならサンパウロのそういった場所に行ってみたいなぁ、といった観光です。興味のないロジャー安川にとっては良い迷惑だったでしょうが、「まぁまぁ、たまにはいいじゃね?」と強引に付き合ってもらいました。
 
地下鉄の入り口は、ランチの前に寄った太陽堂という本屋さんの目の前にあり、降りる駅はこのリベルダージ駅から2駅目のサン・ベント駅という場所でした。購入した地図には地下鉄の路線マップもあり(駅名はカタカナ表記もされている)、それだけでも買った甲斐がありました。
 

画像

 
異国の地での交通機関、特に地下鉄などの乗り方は勝手がわからないものです。しかもポルトガル語の案内ではそれこそお手上げ。そんなときは現地の人々が切符を買って改札を通るという一連の行動をじっと観察し、そして見よう見真似でやってみるしかないです。
 
そして実践です。切符売り場でなんとか切符を買って改札の機械にそれを通し、自分が改札を通ったあと機械から飛び出てきた切符を忘れずに取り、電車に乗るといった万国で大体共通している方法で改札を通過。無事、ホームまでたどり着くことはできました。
 

画像

 
電車がやってきました。日本以外での地下鉄というイメージはどうも物騒な感じが拭えないのと、初めてのサンパウロの地下鉄ということもあり、ちょっと緊張しております。
 

画像

 
ともあれ、サン・ベント駅に向かうであろう電車に無事乗りました。あたりを見回すとホームでもそうでしたが、それほど怪しそうな人はいません。そこはなんというのかニューヨークの地下鉄って感じではなく、なんか日本の地下鉄に近い雰囲気です。まぁ、それでもスリに遭った経験があるのでね、海外のこのような人混みの中では緊張感を保ちつつ到着するのを待ちました。
 

画像

 
案の定、あっという間にその駅に着いたのですが、問題は僕らが目指す教会がどこにあるのかということです。詳しい場所までは調べることができなかったんですね。意外と大きな問題ではありますが、まずは地上に出てから考えるべって身近な出口を目指すことになりました。
 

画像

 
地上にたどり着く途中、階段を上がりながらふっと見上げると、なんか写真で見たような建物がひょっこりと現れました。「あれ、教会じゃね?」って思いながら地上で改めて確認すると、それは確かに目指していたサン・ベント聖堂でした。方向音痴の僕としては奇跡のような偶然でした。もしかしたらこの駅の出入り口ってひとつしかないのかもしれないけど。
 
いやはや探す手間が省けたと早速中に入ってみたのですが、聖堂内での撮影は禁止となっていました。2年前、ジュネーブに行ったときに観たサン・ピエール寺院のようにお伝えできるかなと思ったのですが、残念ながら今回はお見せすることができませんでした。聖堂内の天井画や壁画はブラジルらしく色彩豊かに描かれており、ステンドグラスもとても見事でしたよ。
 

画像

 
外に出て改めて聖堂を見たのですが、いやはやデカイですね。隣接する約20階建てのビルと、それほど大きさが変わりませんでしたから。ともあれ目的を達成することができ、個人的には満足したのでね、それじゃあ、とりあえずリベルダージに戻るかってサンパウロの地下へトコトコと降りていくことになりました。
 

画像

 
次回は戻った東洋人街でやっと発見した鳥居、そしてブラジルといえばどうやらプロポリスといったお話にしようと思いますよ。