Hiroyuki Saito

橙猫のタンゴ

先週のコラムで、「もうロサンゼルス近郊の冬は終わろうとしている雰囲気です」なんて書きましたが、今週になってからぐずついた天候になってしまい、珍しく毎日雨が降っています。
スコール的な大雨の時もあれば、気がつくと青空が広がっているといった、アメリカらしい激しい天候の移り変わりに久しぶりに戸惑っています。
曇り空が続いているロサンゼルス近郊は、それに伴い気温も低くなっています。今週だけでいえば、カリフォルニアもまだまだそう簡単に冬は終わんねぇぞってな悪あがきをしている感じでしょうか。
まぁ、今週末には晴れるようなのでそれまでは家でじっと我慢の子ですな。
ロサンゼルス近郊の近況はこれくらいにして、今回は10日から13日まで行ってきたデトロイト・オートショーについてお伝えしますよ。
昨年も冬のデトロイトについてこのコラムで紹介しましたが、もうね、その寒さをサミー・デイビスなんちゃらとか言ってダジャレ交じりで表現している場合じゃないくらい、ほんと極寒でしたよ。
ホテル周辺の冬景色を撮影しようとして外に出たんだけど、マイナス10度の世界はあまりに寒かったんですね。光量が少なくてスローシャッターになっているのに、シャッターが切れる前にカメラをすぐ引っ込めてとっとと部屋に入ってしまいましたから。

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そしたらこんな写真になりましたよ(写真上)。寒さをうまく表現できている良い写真ではないでしょうか。なんてな。
まぁ、今年もデトロイト・ショーの取材に来ることが出来たのでね、極寒のデトロイトで汗をかくほど忙しい取材の合間に(会場内は暖房が効いていて暑いくらいでした)、会場の地下1階で行われていた電気自動車の試乗会にいってきましたよ。

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今回試乗したのは、横から見ると軽自動車をちょっと短くしたような二人乗りの電気自動車、コミューター・カー・タンゴです。黒猫がタンゴ踊れるくらい(20代の人には通じない?)広い室内ってわけでもないこの橙色のタンゴ、写真を見てもわかるように横二列シートってわけじゃなく、縦二列シートなんです。

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そんな室内はというと、運転席は狭くないのでそれほど閉塞感はありません。しかし、後部座席で説明してくれた人はとても窮屈そうだったのは否めませんよ。

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それでは気になる正面からの姿をご覧ください。軽自動車を両サイドからよっこらしょってな感じでプレス機で押しつぶしたようなその細さは、これまでの自動車のデザインの常識を覆しています。

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昨年試乗した三菱のiMiEVも小さい電気自動車ですが、それに比べてもこのタンゴはひと回り小さいというか、薄いですな。

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ハンドルはMOMOというカーアクセサリー・メーカーの物で、クラクションやエアバックがなかったからか、なんかゲームセンターにある本格的なレースゲームに近いコックピットでした。シングルシートが余計にそんな雰囲気をかもし出したのでしょうね。

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運転した感じはというと、年初めに乗ったインドア電動カートよりアクセルの反応がいい電動カートって感じでしょうか。試乗会場ではそれほどスピードを出さなかったのですが、この会社のホームページに載っているようなハイウエイでの運転はちょっと怖いなって思いますよ。小さくて薄いし。

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もうひとつ気づいたのは、クルマの右ドアから乗って左ドアから降りることができることです。これ、横二列シートの自動車だとシフトレバーが邪魔でうまく移動出来ませんね。ベンチシートの車ならお尻を引きずりながら移動して降りることができますが、ちょっと大変ですよね。そういう意味ではこれは画期的でした。まぁ、どうでもいいところですけどね。

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なんか未来を感じる電動自動車を試乗できたので終始ニヤっとした顔だったのは確かです。そんな試乗体験を撮影していただいたKさんに感謝です。
今年もデトロイト・オートショーはそれほど華やいだプレス・コンファレンスがあったわけでもなく、現状の経済を象徴するオートショーでした。それでもこのように電気自動車という今後の自動車が向かう姿を逸早く体験できたことは、良い経験になりましたね。
今年もあと何度かオートショーの取材に行きますので、また何か新しい体験が出来たらこのコラムでお伝えしようと思いますよ。