Hiroyuki Saito

もてぎ舟木沢 ログの森キャンプ場 其の二

最近、日本らしいなと思う出来事がありました。事務所の近くのコンビニで弁当を買うことが多いのですが、この3週間の滞在期間中で見慣れない女性の店員さんが会計をしてくれました。
とても丁寧な対応をしてくれる方ですが、弁当を購入した際に割り箸が袋に入っていなかったので「割り箸をもらえますか?」と尋ねると、その店員さんは“しまった!”といった表情をして渡してくれました。
その翌日、また同じコンビニへ弁当を買いに行きました。朝ご飯用に納豆巻きを選び、晩ご飯用にパスタとサラダをレジに持っていきました。すると昨日と同じ丁寧な対応の店員さんが会計をしてくれました。
弁当を入れるレジ袋は一緒でいいのですが、その店員さんは種類が違う弁当をみて、心の中で別にした方が良いのかとちょっと悩みつつも作業をしながら僕を見て、昨日割り箸を入れ忘れたお客さんだと思い出したようです。同じ服着てたからね。
レジ袋に弁当を入れながら今日は割り箸をちゃんと入れるぞと用意しているとちょっと混乱したんでしょうね。「“袋”は“2膳”でいいですか?」と聞かれました。言った店員さんもすぐに間違いに気づき、恥ずかしがりながら「お箸は・・・?」と。
惜しいっていうか、よくある間違いだなって心の中で頷きながら僕もちょっと動揺したのか「2つください」って言ってしまい、そこはちゃんと“2膳”って言わなきゃなって自分にダメ出しをした夜でした。
こんな日本でのささやかな出来事も今週で終りですよ。来週はアメリカからお伝えしますので。あ、そろそろ本題をお伝えします。

−もてぎ舟木沢の晩餐 前編−

予想もしていなかった展開に戸惑いつつ黄桜“呑”みたいなパックに入った日本酒2リットルと“益子の炎”という地焼酎を購入し、それと乾き物系のおつまみをコンビニで購入しました。
僕も田舎の出身ですから、このような地方特有のノリというのか、せっかく遙々遠いところから来たんだら飯でも食ってけぇ、みたいな感覚はわかります。でも、まさか活きの良いカツオが山々に囲まれたこの“もてぎ舟木沢”で待っているとは夢にも思ってなかったのでね。びっくりしたわけです。

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会場となったのは管理人室の脇です。野外ですが屋根もあり、バーベキューにはもってこいこいな感じですよ。テーブルの中央にはすでに厚めの切り身となった活きの良いカツオが「乾わいちまうから早く食べてけろ」と、言わんばかりに待っていましたので、早速、ビール、お酒を片手に「乾杯!」と宴が始まりました。
自己紹介がここでやっと始まり、管理人さんのお名前が松さん(仮名)ということを知りました。炊事場でもくもくと作業をされている方はご友人で、こっちにきて宴に参加しないのかなって思っていると松さん曰く、カツオと一緒に茨城の港から買ってきたイカをさばいて塩辛をつくっているとのこと。
しかも「友達は車で来たから飲めねぇんだ」と松さんがおっしゃるのでね、申し訳ないなぁと思いながらビールを飲みつつカツオを頂いてみましたよ。これがまた本当に活きがよくってね、脂ものっていてプリプリして美味しいんです。豪快な切り身はたまに皮付きのもあって、ひ弱な僕は皮までは食べきれずに困ったときもありましたが、擦った生姜を薬味にして美味しく頂きましたよ。
とってもフレッシュなカツオをつまみながら、ちょっと素性が気になるオーナー、松さんの取材を開始。なにやら建設会社の社長(じゃないとこれから説明する内容のことはできませんよ)で、このログの森は山を切り開き、5〜6軒あるログハウスも材料を輸入して自分で建築されたとか。さらに敷地内の山林を開拓しており、ツインリンクもてぎのイベントの際に臨時の駐車場としているそうです。有料だとは思いますよ。
2年前に建てたログハウスは冷暖房完備でまだまだ新しく、中に入ると木の匂いがするとても心地の良い感じですが、松さん、商売としてはそれほどがっつくわけでもなく(なぜならインディ・ジャパンの週末に予約があったの僕らだけでしたよ。近すぎた?)、のんびりとしたその経営スタイルは、ほとんど趣味に近い感じではあります。
それでも昨年の秋か今年の春に開催されたMOTO GPのときは、バイクに乗ったお客さんが結構泊まりに来たんだとか。ひょんなところで今回のインディ・ジャパンの集客率を感じることができましたよ。
そうこうしていると、松さんのご友人が片手にお皿をもって宴会場に近づいてきたのでした。まだまだ終らない宴、この続きは次回お伝えしますよ。