Hiroyuki Saito

もてぎ舟木沢 ログの森キャンプ場 其の一

インディ・ジャパンが無事終了しましたね。決勝日は快晴にはなりませんでしたが、かえって暑すぎることもなく、観戦にはもってこいこいのレース日和となったのではないでしょうか。
日本人ドライバーの3人も多くのファンの声援を受けつつ、それに応えていました。レースは無事完走しましたが、それまでには数々のドラマがありました。
予選での武藤のクラッシュ、レースではロジャーのメカニカル・トラブル、いつスピンしてもおかしくない状態のマシンをなんとか操っていた松浦と、やはり一筋縄ではいかないのがインディ・ジャパンなんだなと実感しました。
今年は記録よりも記憶に残る活躍だったなと思いつつ、来年もこの3人がインディ・ジャパンに帰ってくることを願っております。はい。
さて、様々な出来事が2日間に凝縮されたインディ・ジャパンでしたが、なんと僕らにはレース場以外でも滅多に経験できない出来事が待っていなくていいのに待ち構えていました……

−ツインリンクもてぎ南口ゲートから国道に出て右折150メートル先左側の道に迷い込むとそこは新世界−

今回、宿の手配は日本に居るアニキ(当サイトのプロデューサー)にお願いしていたのですが、毎年泊まっていた益子町にあるビジネスホテルではなく、なんかログハウスにしたと言うんですね。
ログハウス? まぁ、なんか丸太で組んだ家っていうイメージはもやもやっと浮かび、仕事でいくのになんでアウトドアなんだろうとは思ったのですが、どうせ寝るためだけに泊まるようなもんだし、まぁ、いいかとそのときはそれほど気にはしなかったですね。
木曜日にはツインリンクもてぎに入り、ちょっとした不安を頭のどこかに残しつつも初日の仕事を無事終えて宿に向かったわけです。すると宿の住所をナビにセットするわけでもなく、おもむろに南口のゲートを出て国道で右折しました。
「ナビセットしなくて大丈夫なの?」って聞くと、「いや、南口のゲートを右折して150メートル先にあるって書いてあったんだよ」っと言った会話をしているうちに左手に入り口を発見しました。
なぬー! って驚いている間にも左折した車は山道をどんどん奥へと上がっていきました。こんなに近いってことは、ツインリンクもてぎの立地条件、そして南口付近の状況を知っている方ならご存知のようにほんと山中にそこはあるんですよ。

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“もてぎ舟木沢 ログの森キャンプ場”。俺、アウトドア苦手なんだよなってアニキに言っておけば良かったと後悔しつつ、管理人室の前に車が停まりました。

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すると、そこには誰もいなくて番犬にしてはちょっと頼りがいがないけど、キュートな老犬(ブルドックじゃないけど名前がブル)が僕たちを迎えてくれました。確かに到着したのは午後9時を回っていましたから、ちょっと遅かったかなって思いはしました。

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どうすんべ? って、仕方なくブルとじゃれていると遠くに調理場というか洗面所というか要は調理も出来て顔も洗う水が使える場所、炊事場でいいんでしょうか。そこでもくもくと作業をしている人影が見えました。
その人に聞きに行こうとしたら「もうちょっとで戻ってくるがら」と、遠くから一言。すると軽自動車に乗って誰かがこっちに向かってきたんですね。あとからどこにいっていたのか分かったのですが、100メートル先のトイレにいって戻ってきたそのおじさんが「齊藤さんかい?」と、尋ねてきました。
「はい、そうです」って、アニキが答えるとその屈託の無い笑顔のおじさん(この時点では名前が分からないので)が、「なんだ、ずいぶん遅くまで仕事してたんだね。晩ご飯食べたの? 活きの良いカツオが入ったから刺身にして待ってたんだよ。酒もあるからさ!」って、いきなり晩酌に誘われたんですよ。
突然のウエルカムにちょっと戸惑いを隠せない僕らでしたが、とりあえず、今晩の寝床となるログハウス(定員4人のログハウスをお願いしたのに、他にお客さんがいないってことで定員6人のログハウスにアップグレード!)に荷物を置き、手ぶらで晩酌にジョインするのもなんなので、コンビニに向かって今宵のお酒と活きの良いカツオ以外の酒の肴を買いに出かけたのでした。
次回は、舟木沢の晩餐をお伝えしますよ。