Hiroyuki Saito

ナイアガラ旅情 −スカイロン・タワー−

ドライバーやインディカーの関係者も先週末は5週間ぶりの休日を過ごし、今週末から始まるエドモントからの3連戦に備えることができたのではないでしょうか。
舞台はトロントに続くカナダでの開催地エドモントンとなりますが、北米でもそうとう北の方なので、それほど暑くならないことを祈ってはおります。なぜならカリフォルニアは日中の気温が高く、夏真っ盛りといった感じで外にはあまり出たくないくらいの暑さでしたからね。
日本ほど蒸し熱くはないのでしょうが、場所によっては冷房が無ければちょっときついと思うくらいです。まぁ、夏は暑いのが自然なんだからそれを受け止めつつ、真夏の連戦を乗り越えていきたいなと思いますよ。
さてさて、それでは珍しくとってもタイムリーな旅情シリーズ、ナイアガラ編をお伝えします。なんせ先週の話ですからね! スイスやニューヨークといった2〜3ヶ月前の話を書いているのではないので記憶力も確かですよ。その分、内容が長くなるかもしれませんが・・・・・・一応、2回くらいで終らせるつもりですよ。予定は未定ですけどね。

−スカイロン・タワーに行ってきたわぁ−

トロントのレースが終ったあと陸路でカナダからアメリカの国境を越えました。バッファローからLAに帰る飛行機の出発時間は、日中にナイアガラの滝を見に行こうと思っていたので、午後7時くらいにしていたのです。そのスケジュールの方が航空券の値段が安かったというのがありましたが、ちょっと計画的な旅情でした。
まぁ、今回のように陸路でカナダに入ったときくらいしかナイアガラの滝を見る機会はそうありませんからね。このコラムの取材ということを勝手に大義名分にしてトロントからナイアガラ方面へと車を走らせていたわけです。

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トロントを午前中に出て約1時間も走るとアメリカとカナダの国境近くまで移動できます。するとオンタリオ・トラベル・インフォメーション・センターを発見。ナイアガラの滝の知識をあまり持っていない僕にとって、この案内所は寄っていかなければならないところでした。
いざ入ってみるとナイアガラの滝のパンフレットが山ほどあります。でも手っ取り早く、夏休みのバイトで働いている感じの若い案内係にパーキングの場所や滝について聞きました。それによると滝はもう目と鼻の先で、このセンターから5分と離れないところにナイアガラがありあがらだったんですね。ちょときついな。

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しかもナイアガラの滝を一望できるスカイロン・タワーというのがあって、タワー上部にはタワーを中心に回転するレストランがあるんですね。なんかちょっと思い出してきましたよ。
実はこの仕事を始めてすぐ今回と似たような感じでトロントのレース前後にナイアガラの滝へいったんですね。そのときも確かタワーに行ったのですが展望台だけにしか行った記憶が無く、レストランでご飯を食べてはいなかったと思うのです。
まぁ、ちょうどお昼時だし、レストランで食事すると展望台へのアクセス料金がフリーになるので、せっかくだからナイアガラの滝を一望しながらランチでもと洒落込んでみたんです。

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早速、レストランに入って席に案内されると、なんかパノラマの世界が視界に飛び込んでくるんです。タワーを中心とした円形のレストランが、ほんとゆっくり右方向に動いているんですね。もし、このレストランが凄い速く動きだしたら、それはそれで面白いなぁ、なんてのんきな想像をしながらも席に着いたのでした。
お店自体は平日の昼間ってことでとても空いていましたよ。テーブルはこじんまりとしているのですが、多くのお客さんを入れたいためか、ちょっと窮屈な感じは否めません。満席になったらかなり息苦しいだろうなって余計なお世話です。
メニューを見ると、やはりビーフを中心とした内容のメニューが書かれています。取材先ではやはりステーキといった料理が中心になるので肉は止めておこうと思ったのですが、サイドにライスがついてカレー・ソースで味付けされているチキンの料理をオーダーしてしまいました。
どんな料理が来るかちょっと楽しみにしていると、目の前に座った体格の良いカップルに若い女の子二人がカメラを持って近づいて話しかけたんだです。「記念写真をとりませんか?」と。せっかくのナイアガラだからその景色をバックに思い出を形に残しませんかと。
そのカップルもまぁ、そうだねって感じで“はい、チーズ”です。撮影後、女の子たちは「また戻ってきます」とそのカップルにいって、今度は僕の方に向かってきたんですね! よっしゃぁって待ち構えていたんですけど、僕がひとりというのを確認すると、なぜか踵を返して、ささっとその場を去っていったんですよ。

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なんだや、ひとりだと写真撮ってくれねぇんだなぁって、ちょっと残念に思っていると、タイミングよく料理が登場。芳しいスパイスの香りが食欲をそそります。早速頂いてみると、これまた淡白なはずのチキンにキチンと味があって、それとカレー・ソースが良い感じに絡み合い、なんだか美味しいんですね。

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お腹も空いていたのでぺろっとたいらげると、先ほどの若い女の子が写真を持って戻ってきたんですね。ちょっとしたパンフレット並みの写真の仕上がりに、体格の良いカップルもご満悦ってな感じです。
でも、お値段は高いはず。まぁ、旅の記念だから良い思い出になるのは確かですよ。俺も撮られたら間違いなく買っているだろうし。あ、仕事柄、自分で撮れって感じなんでしょうか。そりゃ、セルフタイマーでどっかに設置して撮れないことないですけど、なんかね。わびしいものがありますよ。
そんな葛藤が続いている僕をよそにレストランと地球はゆっくりと動いています。そして、とうとうナイアガラの滝の全貌を見るところまで席が移動したんですね。

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凄いですねぇ。水しぶきが高々と舞い上がっています。こんな壮大な風景はなかなか見られませんな。なんか白いドラゴンが天空に舞い上がる姿に見えますね・・・・・・いくつになっても想像力は豊かなんです。

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まぁ、ゆっくりと食事も景色も堪能できたし、ランチにしては高いお会計にびっくりしつつも、その後、ひとつ上の階にある展望台をぐるっと1周してから地上へと戻ったのでした。
余談ですが、スカイロン・タワーを検索したら、展望レストランではカナダ名物アトランティック・サーモンが味わえるってな記事を発見しましたよ。チキン食ってた場合じゃなかったなってちょっと後悔したスカイロン・タワー探索となりました。
次回は地上から見たナイアガラの滝についてお伝えしますよ。