Hiroyuki Saito

トロントで撮れんとなった風景

いやー、アイオワ、リッチモンド、ワトキンス・グレン、トロントと続いた4連戦が無事終了しました。4週末違う開催地で行われるとさすがに疲れますよ。ワトキンス・グレンとトロントはコースが近かったので現地に10日間ほど滞在し、飛行機の移動をせずに済みましたが、4連戦はね、勘弁して欲しいです。
昨年か一昨年に5連戦ってあったような気がするから、それよりはマシですけどね。まぁ、来年はもうちょっと間隔のあるスケジュールが良いなと思う今日この頃です。はい。まぁ、無理だな。
そんなこんなで、やっとカリフォルニア州トーランスに戻り、今週末は久しぶりにアメリカの地元で過ごせますよ。トーランス界隈も夏真っ盛りといった感じで、相変わらず乾いた空気に青い空が広がっております。ビバ・カリフォルニア。
さて、先週末3年振りに訪れたトロントはいろいろと変わったことがあったので、その様子を今回はお伝えしようと思いますよ。
今年からインディカーのレースが開催されることになり、トロントのレースのプロモーターはチャンプ・カーが行われていたときと変わって、開幕戦の舞台となったセント・ピーターズ・バーグを開催しているアンドレッティ・グリーンが行うことになりました。
チャンプ・カーが開催されていたときは、確かダウンタウンのホリデイ・インやその他のホテルなどにパスを受け取るクレデンシャル・オフィスが設置されていましたが、今年はプロモーターの意向でサーキット内となっていました。
パーキング・パスをピックアップするためにナビ様の言うとおりに向かうのですが、指示された道が仮設コース上になっているので、なかなかたどり着けないのですね。なんとか正面エントランスまで行くことができたのですが、案の定、車を駐車できるところがありません。
僕が運転していたので、一緒に行動していたジャーナリストのA氏がエントランス近くで車から飛び降りてコースに侵入、なんとかクレデンシャル・オフィスでパーキング・パスをゲットしてくれました。

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そんなこんなでやっとコースの中心地ともなるエキシビジョン・プレースのダイレクト・エナジー・センター(昔もこんな名前だったかは記憶にないのですが、写真↑左の黄土色の建物。以下DEC)の駐車場に停めることができました。昔の記憶を辿りつつ、DECとメインストレートを挟んだ反対側にある建物内のメディアセンターに地下通路を通って向かったのですが、エスカレーターを上がると建物が工事中なんですね(↓)。

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なんだか怪しい雰囲気です。とにかく行ってみようと、エレベーターでメディアセンターがあったはずの2階に上がったのですが、自動ドアが開くと工事中の光景が再び僕らの目の前に広がりました。
どうやらここに僕たちの求めているメディアセンターはなさそうだと、1階に戻って外に出て、重いカメラ機材を引きずりつつメディアセンターを探す旅が始まったのです。
ピットを歩いていると通りすがりのIRLオフィシャル・カメラマン、ショーンを発見。捕まえてメディアセンターの場所を聞くと、なんだや、車を停めたDECの1階ルーム106にあるって言われたんですね。
結局、ピットを通過して最終ターンのホンダ・ブリッジを渡り、なんとかメディアセンターに到着したわけです。久しぶりのストリート・コースはこのようなハプニングが起こるんだなって痛感した初日だったんですね。

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まぁ、無事、メディアセンターの場所も確認できたのですが、昔メディアセンターがあったターン1の内側の建物屋上からの撮影もやはり工事中でできないわけです。フォト・レポートでもお伝えしましたが、ここから数々の良い写真(↑↓)が撮影できたのに、なんだか、昨年行ったオーストラリアの二の舞かと思う出来事ではありませんか。

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オーストラリアでも毎年撮影できていたマンション屋上からの撮影が禁止になっていました。まぁ、これはもう今年からレースが無いので諦めもつきます。トロントに関しては来年までに工事が終れば撮影できるようになるとは思うのですが、保障はありません。

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走行写真、俯瞰、そして表彰台(↑)も普通のコースでは滅多に無い上からのアングルで撮影でき、今年も楽しみにしていたのは確かです。そういった意味ではテンションがちょっと下がるトロントになったのは言うまでもありません。
もう、ストリート・コースならではの雰囲気の良い俯瞰、そしてマシンのかっこいい走行写真が撮影できないのかと諦めていたのですが、コース内に建設されたサッカー場の観客席の最上部から撮影ができそうなんですね。
初日のプラクティス中にカメラマンらしき人影も発見したので、ここはひとつ、いってみんべと、入り口に向かうとちょうど、IRLのオフィシャル・カメラマンのジムもそこへ向かっていたのです。
これは心強いと、一緒に入り口に向かって入ろうとすると、なんと女性のセキュリティに止められます。まぁまぁ、ここは任せろよってな感じで、ジムが俺はオフィシャル・カメラマンだと言うのですが、驚くことにセキュリティはそれでも駄目だというのです。
そこでジムも最後の手段というか苦し紛れに「グランド・スタンドにカメラマンがいるんだぞ」ってことを強調して話すのですが、そしたらセキュリティは「その人たちは私がいなかったときに入ったのよ」と、いう始末。なんだかもうらちがあかないので、その場は諦めて地上で撮影しましたよ。
でもね、諦めが悪い方なので地上撮影後にこっそりセキュリティの目を盗んで、ちょっと離れた階段の入り口から進入しようと試みたんですよ。しかし、僕の浅はかな行動はバレバレだったみたいで、その動きをずっとセキュリティに監視されていました。結局、その階段の方に向かっただけで駄目だって手を振られてあっちいけってされましたからね。
ピットレーンに入るときも、ピットの入り口でマシンやチームクルーが出入りするところから入ったら、なぜかセキュリティに止められてピットの外に出ろって言われたんです。セッションが始まる前だから問題ないはずだし、ピットボックス二つ分くらい先にはトレイシーのマシンが止まっていて、もう目と鼻の先です(↓)。

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まぁ、反抗するのも大人気ないと思ったので、ピットレーンからコンクリートウォールを跨いで外に出て、ピットボックスひとつ分くらい歩いてから再びマシンのあるピットレーンに戻ってって、なんだか意味無いなって思う行動をしましたよ。
そんなことがあって思い出したのですが、トロントのサーキットにいるセキュリティって、昔からうるさかったんです。確かにその人たちは与えられた任務をこなしているだけですが、アメリカ人より、なんかここぞとばかりに与えられた権力を振りかざす感が強いですね。ちょっと残念なところです。街は良いところなんですけどね。アメリカ人にもなぜかトロントは人気がありますし。
まぁ、話はそれましたが、結局、そんなやり取りがあってサッカー場のグランドスタンドからの撮影は予選日から可能になりました。やったー! ってな感じで思っていたら、なんと2日目の午前中はとんでもない雨が降り出して。ほんと、久しぶりにすごい集中豪雨と横風に遭いましたよ。コースサイドのフェンスが倒れるほどなんですから。避難勧告もんですよ(↓)。

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どうなることやらと思ったのですが何とか雨も止み、プラクティスが再開するってんで、やっと念願のサッカー場の撮影ポイントに行ったわけですね。そしたら、なんかある程度想像はしていたのですが、俯瞰は良い感じでも走行シーンがいまひとつといったアングル(↓)なんですね。

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うーん、苦労してきたわりには……って思ったのですが、まぁ、決勝日は晴れて良い感じの俯瞰の撮影ができた(↓)し、そういった意味では新しい絵だなってポジティブ・シンキング。

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来年は元メディアセンターの屋上から撮影できれば良いなぁって思いつつ、これを書いていたら夜中になってしまい、しかもトロントのことだからか目がトロンとしてきて、気がついたら朝になっていましたよ。長々と書きましたが、結局、この駄洒落が書きたかっただけのような気がする久しぶりのトロントでした。

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次回はトロントの帰りに寄ったナイアガラでの出来事、そう、旅情シリーズの再開となり、ナイアガラ旅情をお伝えします!