Hiroyuki Saito

ニューヨーク旅情 −グランド・ゼロの今−

4戦連続で続いているインディカーのレースも今週末のトロントが終れば一段落しますね。毎週レースが続くと移動が大変ですが、今回はワトキンスグレンとトロントが意外と近いということもあって、その中間地点となるナイアガラの滝があることで有名なバッファローという街に滞在しています。明日、陸路でアメリカとカナダの国境を通過してトロントへ向かいますよ。グッドラック。
トロントといえば1999年から2006年まで現地で開催されていたCART、そしてチャンプカー・シリーズを取材していました。昨年はチャンプカー・シリーズが無くなったため、イベント自体が開催されなかったのですが、今年からはインディカーのレースとして復活しました。
僕自身も3年ぶりのトロント取材となり、チャンプカーが走行しているイメージがまだ強く残っていますが、ロングビーチのようにインディカーが走り始めればすぐに慣れてしまうのかもしれません。まぁ、トロントはスペシャルな撮影場所が多々あるので、そういう意味でも今から楽しみであります。はい。
まずまず、近況はこのくらいで、ニューヨーク旅情の続きをお伝えしますよ。

−グランド・ゼロの今−

エリス・アイランドからフェリーさ乗ってマンハッタンの最南端にやっと帰ってこれてさ、また地下鉄ば使って次の目的地、ワールド・トレード・センターの跡地にむがったわけよ。
思い起こせば2001年の9月11日、俺もこの仕事はじめてまだ2年目の秋になろうとしている頃だっちゃ。CARTっていうシリーズがドイツとイギリスでレースすっからって一旦、アメリカから日本に帰国しててよ、日本からヨーロッパに明日飛ぶっていう晩に久しぶりに友達と飯食いに行ってたんだっちゃ。
んで、帰ってきて事務所のテレビつけたら、ビルの頂上から煙がもくもくと吹き出ている映像が映されているわけよ。過去の大惨事特集見たいなテレビ番組でもやっているのがと思ったんだけっと、なんか様子がおかしいんだな。
そしたら、もうひとつのビルに飛行機が突っ込んだのよ! これは只事でねぇって注意してみだらそのワールド・トレード・センターっていう二つのビルに飛行機が突っ込んだって言うでねぇの。しかも今。
我が目を疑いたくなるような映像にほんと言葉もなぐなってさ。俺も仕事で年間何十回って飛行機に乗るんだけっど、そのビルにぶつかっていった飛行機がいつも乗っているユナイテッド航空の飛行機だっていうがら、ほんと人事でながったのよ。
んでも明日にはドイツに行かねっけねぇのさ。こんな大惨事があっても飛行機が飛ぶのがって心配になって航空会社に電話してみたんだっちゃ。でも、ヨーロッパ便は関係なくっでさ。ちゃんと飛びますって。
ドイツに着いて、サーキットにいったらドライバーが来てながったり、いろいろハプニングはあったけっど、ちゃんとレースは行われてよ。んでも、チームクルー、レース関係者の家族か親戚がこのテロでお亡くなりになっている人がいたのさ。
異国の地でそのことをしったんだべな。泣き崩れているところを見かけたわけよ。なんだかとっても悲しくなってさ。二度とこんなことがあっちゃなんねって思ったんだっちゃ。まんず、そんなことがあったからニューヨークに行ぐ機会があったらグランド・ゼロに供養に行かねっけねぇなって思っていたのさ。

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地下鉄から地上にでて迷いながらもなんとかグランド・ゼロに着いたんだけっど、そこはもう新しいワールド・トレード・センターの建設が始まっていて工事中だったのさ。ニューヨークらしく、いろんな人がその周りを足早に歩いててよ。新しい活気っていうのか、建設中の独特な機械音が耳をくすぐるのさ。

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そんなグランド・ゼロが生まれ変わろうとしている光景を目にしていたらさ、今、自分がここにいれることに感謝して、俺もがんばらねっけねぇなってなんか思ったわけよ。
まずは明日からのオート・ショーの仕事だって、近くのバーガーキングでハンバーガー食べて腹ごしらえしてさ、ホテルに戻って明日に備えたんだっちゃ。
ニューヨークでさ、初めていろんな場所に行ってみだけっど、なんだか良い経験できたんだっちゃ。まんず、今度は嫁さんでも見つけて一緒にこねっけねぇな。なんてなって思うニューヨークの夜だったわけさ。んでまず。

そんなこんなでニューヨーク旅情は、グランド・ゼロを訪れたことでジ・エンドとなりました。案外、早く終ってしまったことに自分でもちょっとがっかりです。アメリカ国内のことだったからでしょうか。まぁ、またどこか目新しいところに行く機会、そして美味しい食べ物? にめぐり合う機会があったら旅情、喰い探訪!万才といった感じでお伝えしますよ。皆さんもボン・ヴォヤージュ。