Hiroyuki Saito

スイス旅情 −サン・ピエール寺院−

いよいよインディカー・シリーズが開幕しましたね。レースはブリスコーが優勝しましたが、2位となったヴィジョン・レーシングのライアン・ハンタ−レイ、そして3位にはデイル・コイン・レーシングのジャスティン・ウィルソンと今年チームを移行したドライバーの大活躍でとても面白いレースとなりました。

昨年よりレベルが高くないチーム(このような表現もなんですが)からエントリーすることになったハンタ−レイとウィルソンですが、そのハンディをぜんぜん感じさせませんでしたね。しかも両方のチームにとって過去最高位でのフィニッシュと、開幕戦から今後を期待させる結果となりました。インディカーも最近はトップチームだけの活躍が目立っていたので、今後も今回のような何かを期待させるレースになればいいなと思っております。

さて、近況はこれくらいにしてスイス旅情の続きを。

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ホテルにあったジュネーブの小さな観光案内の冊子と、路線バスのルートが記されているダウンタウンの地図を片手にバスに乗り込んだ僕は、それに書かれてあった“ここは行け!”みたいなお勧めの場所を目指しました。

ひとつは旧市街のシンボルとなっているサン・ピエール寺院。なにやら12世紀に建造され13世紀と18世紀にも手を加えられたという寺院です。ヨーロッパって言ったらやはり古い石造りの建物のイメージが強く、何百年も前の建物がそのまま残っている歴史の古さに触れたいなと。しかも歴史的建造物が残っているなら是非見たいなって思っていました。

とりあえず、サン・ピエール寺院付近の停留所で降りるため、バスに乗って地図とにらめっこです。よく調べると街の中心地あたりでどうしても乗り換えなければなりません。それでも以前説明したように路線は番号で記されているので比較的わかりやすく、次は20番のバスに乗ればいいんだなってくらいのことでした。

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乗り換えも何とかうまくいき、とうとうサン・ピエール寺院付近の停留所でバスを降りました。狭い路地を歩き回り見たこともない寺院の探索です。地図に記されている場所を目指して歩いていくのですが、僕から見たら全部の建物が寺院に見えてしまうので、ぜんぜん見つからないんですね。

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とはいえ、なんとなくそれらしい広場に出ると他の建物をとは一線を画すパルテノン神殿のような大きな石柱がある建物を発見。これじゃねーの? って感じ近付くと、入り口に“Saint-Pierre”って名前が書いてあります。やっと発見です。

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早速、重々しい扉を開けて中に入ってみると僕の視界に入ってきたのはなんとも神々しい息を呑む空間でした。僕の日常の生活からかけ離れているその空間はとても神聖で新鮮でした。

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ふっと後ろを振り返ると、そこには滅茶苦茶でかいパイプオルガンが扉の上に設置されています。これもその装飾というか形状がとても美しくなんともいえません。

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はっと我に返り、奥の方へと進むと壇上のようなところの上空には多くのステンドグラスとなっている窓があり、色とりどりの光りが差し込んでいました。壇上の机には古びた本が置かれてあり、なんか書いてあるのですがまったく判りません。

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天気が良かったらもっと綺麗な光が差し込んでいたのかもしれませんね。ステンドグラスなんて久しぶりに見たのですが、その美しさに心を奪われてしまい、仕事のときよりも撮影してしまいました。はい。

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なんというのでしょうか、歴史あるものには現代まで残らなければいけない理由があります。もちろん歴史を語る上でその重要性が大きな要素となりますが、そういったものは芸術性の高さや美しさも兼ねているので見る人に感動を与え、人々を惹きつけるのでしょうね。単純な僕は見事にサン・ピエール寺院に惹きつけられましたよ。

なんか久しぶりに心が洗われるような物が見られたと満足して寺院をあとにし、次はこの寺院の歴史を知るべく、地下の古代遺跡へ向かったのでした。

次回は観光案内でも“必見に値する”と書かれていたサン・ピエール寺院の古代遺跡をお伝えしますよ。