Hiroyuki Saito

旧車集合 其の二

結構広い会場をいろいろ観て回ったのですがホンダの旧車が見当たらなく、「ホンダはどこになるんだべな?」って独り言をいったら、通りかかったアメリカ人が「ホンダ? あっちだよ」って日本語で教えてくれました。見た目は日系でしたが顔はアメリカ人だったので、ちょっとびっくりしましたよ。よく見るとその人はイベントのTシャツを着ていたので関係者だったみたいです。

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ちょっと戸惑いながらもお礼を言って、教えてもらった方向へと足を進めました。シビックを中心にホンダの旧車コーナーのようなものがありました。看板を中心に撮影したので気づきませんでしたが、この3代目シビック、オープンカーに改造してありますよ。

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またこれがいいですね。1970年代後期のシビックバンですが、オリジナルの状態を保ちつつフロント、リアバンパー、サイドミラーなどを鍍金仕上げにしてとてもバランスがいいですね。なんといってもルーフにサーフ・ボードが乗っているところがまた粋じゃないですか。この車で波乗りにいったらとても気分がいいでしょうね。

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やはりありました。僕の中でホンダの旧車を代表する車といえばやはりホンダS600です。結構人だかりも出来ていて、いまでも色褪せることなく人気があるのがわかります。またこの白いS600の状態のよさにはびっくりです。ほとんどオリジナルの状態を保っていましたね。

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こちらは珍しいS600のクーペです。しかも右ハンドル。日本からの輸入したのでしょう。これも本当に状態がよくて大事にしているのがとてもよくわかりました。やはりホンダのS系は僕が見た限りこの2台しかありませんでしたが、その存在は際立っていましたよ。

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ホンダN600とホンダZ360が並んでいました。このN600は後部座席にチャイルド・シートが着けてあり、いまでも日常の足として使われているのが分かります。後部座席の窓に“無限MUGEN”のステッカーが張ってあるのもいいじゃないですか。600ccということもあって日本の黄色い軽自動車のナンバープレートをフロントに着けているところもいいですね。

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色とりどりのホンダZ360が並んでいました。この車はパステルカラー系が似合いますねぇ。特に僕の中で印象的な色がこのオリーブグリーンのZ360ですね。僕が生まれたころに新車として走っていた車ですが、自動車に興味を持ち始めた10代後半のヤングなころ、雑誌でこの色のZ360を見つけてとてもかわいらしい車だと驚いたものです。何度か実物を見ましたが、今回改めて見るとやはり欲しいなぁと思う車の一台です。

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後ろ髪を引かれつつもその場所を離れるとやはりありましたね。スバル360が。“てんとう虫”という愛称で呼ばれているこの車、今でも人気ありますよね。この愛くるしいデザインに紅白のカラーリングがいいじゃないですか。ホイールが日の丸カラーですよ。いい仕事しますねぇ。奥にあるマツダR360もなんともいえないかわいらしいデザインです。旧車はいいですねぇ。

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と、思っていた矢先、やはりアメリカだなって思う凄いダットサンを発見しました。シボレーのV8エンジンを搭載したモンスター・ダットサンです。ダットサンというか、ヨン、ゴ、ロク、ナナを通り越してダットハチって感じですかね。なんかもう許容範囲を超えています。

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フロント部分にエンジンが収まりきれず、車内まで攻めてきています。運転席が少し後方に移動していますからね。レース車仕様になっているので、いろいろなメーターが付いていますが、もうそれは“羊の皮を被った狼”ってフレーズがぴったりのマッスル・カーですよ。コーナーで車体の剛性が耐えられるのか心配ですが、そんな小さいことを気にしていたら旧車の改造なんか出来ませんからね。そこはアメリカンってことです。

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最後にみたダットサンにはビックリしましたが、今でもこれらの日本の旧車がこのアメリカで愛され続けているんだなぁと、今回初めて来たジャパニーズ・クラシック・カー・ショウで実感することができました。オーナーの方々にはこれからも大事にしてもらいたいとなぁと思った次第です。
ちょっとしたタイムトラベルをしたような感覚を引きずりながら会場を後にしましたが、あまり現実に戻りたくないのでこれからアメリカを脱出します。インディ・カーの今年本当に最後のレース会場となる豪州の黄金海岸、波乗り達の楽園に行ってきますよ。