インディ・カー・シリーズが終了しました。最終戦では最終ラップでディクソンのマシンが燃料切れしてしまい、フランキッティが劇的な優勝を飾ってシリーズ・チャンピオンを獲得しましたね。
1999年にCARTシリーズでフランキッティがモントーヤと争ったチャンピオン・シップを髣髴するようなレースとなり、僕自身もレースが終了するその瞬間まで緊張が続きました。
あれから8年。苦労の末シリーズ・チャンピオンとなったフランキッティは、これまでに見せたことがないくらい表彰式で喜んでいました。
ディクソンがもしチャンピオンになっていたら3度目のチャンピオンとなった昨年のホーニッシュJr.と同じように嬉しいでしょうけど、2度目のチャンピオンということで飛び跳ねて喜ぶような事はしないでしょうね。性格的にも。
でも、フランキッティにとってはアメリカで初めてのチャンピオン、そして1999年に逃しているタイトルだっただけに、その喜びようは爆発的なものでしたね。これまでの長い道のりを取材してきた僕達にとってもその光景は心温まるものでした。
今シーズンのチャンピオン、フランキッティですが、現場では来年NASCARへの移籍が噂されていました。インディ・カーでチャンピオンになったし、そろそろALMSに参戦するのではと思っていていただけに、ちょっとその噂には驚きました。
でもよく考えてみれば、今年のALMSでのメインレースとなるセブリング12時間で優勝していますし、それほど執着するところでもないのでしょうね。弟のマリーノがアンドレッティ・グリーン・レーシングでレギュラー・ドライバーとしてがんばっていますから任せておきたいのでしょうか。
NASCARへの移籍話はフランキッティにとどまらず、ホーニッシュJr.やウエルドンといったチャンピオン・ドライバーにも噂が出ています。そうなった場合、来シーズンはインパクトのあるドライバー参戦(F1ドライバーだったとか、NASCARドライバーの逆移籍、それはないか・・・・)に期待でもしなければ、ちょっとドライバー・ラインアップが寂しくなりますよね。
もちろん、ダニカ・パトリックが参戦している間は、優勝できそうな女性ドライバーということで注目は続きますが、チャンピオン・ドライバーが減ってしまうとシリーズ自体にとってもいいイメージではないような気がします。ドライバーの移籍は本人の希望、そして各シリーズのチームとの交渉、タイミングもありますからシリーズがとやかく言うことではないでしょうけどね。
もちろん日本に情報を伝えている我々としては、今回活躍した武藤選手、そして松浦選手がフル参戦してくれることを願いますが、来シーズンからのシリーズ自体の活性化には起爆となるドライバーの参戦が必要なのではと、インディ・カー・ドライバーのNASCAR移行の噂を聞いて思う今日この頃でした。