Hiroyuki Saito

びっくり、どっきり、そしてにっこり

アメリカでのレース撮影を中心として仕事をし、今年で9年目になりますが、いままでアメリカ大陸を陸路で横断する機会はありませんでした(飛行機では何度もあります)。
一度はしてみたいと思っていたのですが、たまたま雑誌の企画でお誘いがあり、今月の始めに撮影しながら横断することができました。
フロリダを出発したのが3月7日で、カリフォルニアに到着したのが12日。6日間の走行を終えたのも束の間、13日にはALMSの開幕戦取材で再び飛行機でフロリダにとんぼ返りと、なんともハードなスケジュールでした。
レースの取材でアメリカ国内、いろいろな街にいっているつもりですが、今回の横断でいままでに行ったことのない街や景色を見、改めてアメリカ大陸の広さに驚きましたね。まだまだ知らない街が多いです。今回の横断ではいろいろな意味でこれまでにはできなかった貴重な体験をしたと思います。
今回のアメリカ横断をしていてもそうですが、アメリカのフリーウエイやハイウエイを走行しているといろいろな物体を発見します。道路の脇になぜかテーブルが落ちていたり、再生タイヤがバーストした時のタイヤカスが散らかっていたり、車に轢かれてお亡くなりになられた小動物などなど。日本でもなかなかありえない光景がアメリカの道路にはあります。
そんなアメリカの道路を走行していると、隣を走行している車にも目を見張るときがあります。あれは1月中旬から始まったALMS、チャンプ・カーのオープンテスト、そしてデイトナ24時間、インディ・カーのオープンテストと取材が続いたときでした。
デイトナ24時間が終了し、セブリングで今年からIPSに参戦する武藤選手がテスト走行をしているということで取材に行きました。その帰り道、僕が運転していたのですが、後部座席に座っていた先輩が、隣の車を見て「車から足が出てる!」って言うんですね。
状況がつかめず、窓から足でも出しているのかと思ってスピードを落とし、僕も確認したら、なんとバックドアの隙間から本当に足がはみ出ているではありませんか!

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なぬ! ってなもんで我が目を疑いましたが、助手席に座っていた先輩が冷静に「あれ、おもちゃだよ〜」と、真相を教えてくれました。
結構リアルだったので、死体でも積んで急いでドア閉めたのかと思いましたよ。まぁ、それは大げさだとしても、僕の感覚ではパンチが効き過ぎていますよね。この手のサプライズは。また、この車を運転していたのが仲良さそうな白髪の老夫婦だったので、そのギャップにも驚きます。
ちょっと人を驚かせるパーティー・グッツを日常で使い、人々の注目を浴びようというか、まぁ、それを見た僕達のように、話題が広がってあとでちょっと笑えてハッピーになれるような行動とでもいうのでしょうか。アメリカ人が喜びそうなだな〜と思わせる場面でした。