今年で32回の開催を数えるロング・ビーチ・グランプリの開幕まで、あと44日と迫りました。コースを作る作業はすでに2月の6日に着工されています。一周1.97マイルのストリート・コースを完成させるためには、3マイル以上に及ぶコンクリート製ブロックと、その上に張り巡らせられるフェンスに加えて、15箇所のグランド・スタンド設置などに約2ヶ月の日数を要します。
数あるストリート・コースの中でもひときわ華やかで、チャンプ・カーの顔ともいうべきロング・ビーチのコースは、これまで幾度かのマイナー・チェンジを繰り返して今日に至っています。緩やかに弧を描く通称“ショア・ライン・ドライブ”と呼ばれるフロント・ストレートから一気にダイブ・インするターン1は、スタート直後のアクシデントも珍しくありません。その反面クリーン・パスの難しいターンでもあるのです。
そのターン1が今年から平均で12フィート(約3.66メートル)ほど幅が広げられます。これによりストリート・コース最速の異名を持つマシンが、フロント・ストレートから競い合ってターン1の進入でパッシングを試みるシーンを見る機会が増えそうで楽しみです。2004年のレースでは、スタート・シーンを押さえるためにターン1奥のフォトスタンドで構えていたら、グリーン・フラッグ直後、当時ルーキーだったA.Jオールメンディンガーが、勢いあまってヴァッサーなど4台のマシンと絡んでスピンしているシーンを捉えました。このカットはUS-Racing出版の写真集、“Champ Car2004・極限への挑戦”にも掲載されています。
左へ折れるターン1から、水族館前の噴水の周りを回るあたりは、なかなかいいフォト・スポットなのです。ターン1がワイドになると、さらにエキサイティングなシーンが撮れるかもしれません。乞うご期待。3月に入れば、コース周辺もグランプリ到来の雰囲気にあふれてくることになるでしょう。その辺のところはまた近いうちにこのFrom USでも紹介したいと思います。
ところで今日TVをみていたら、ローカルニュースで長豪華客船“クイーン・メリー世号”がロング・ビーチ港に寄航していたニュースをやっていました。ロング・ビーチといえば、コースの一部からもその雄姿を望むことができる“クイーン・メリー号”が有名ですよね。現在は着岸固定されてホテルやレストランとして使われている“クイーン・メリー号”と、 最新の“クイーン・メリー世号”とがひとつのカットで移っている姿もなかなかのものでした。
で、豪華客船といえば、現在世界中を航海している、“The World号”という船をご存知でしょうか。この船はいわゆる「移動式豪華マンション」でして、チャンプ・カー共同オーナーの一人であるケビン・カルコーベン氏も、そのなかの一室を所有しているのだそうです。実はこの船が日本初のストリート・コース開催を目指している小樽にも4月の24日から26日まで寄航するそうです。その時期に小樽に立ち寄られる方は、是非その雄姿もご覧になってみてはいかがでしょうか。