CHAMP CAR

チャンプ・カー・ワールド・シリーズのプレシーズン・テスト最終日は、トラックレコードを打ち破ったセバスチャン・ブルデイが制す

<Champ Car World Series>
3度のディフェンディング・チャンプ・カー・ワールド・シリーズ・チャンピオン、セバスチャン・ブルデイ(#1マクドナルド・コスワース/パノス/ブリヂストン)は、2007年プレシーズンのほとんどで若いドライバーがタイム・チャートのトップになるところを見て過ごしてきた。しかし日曜日のマツダ・レースウェイ・ラグナ・セカで、彼は最後の最後にトップを取り戻して見せた。
ブルデイはカリフォルニア州モントレイにある2.238マイル・ロード・コースの非公式レコードを打ち破り、2006年のトヨタF1マシンが記録したトラック・レコードまで塗り替える偉業を成し遂げた。このフライング・フレンチマンはプレシーズンの最終ラップでもってF1のレコードを破り、1分5秒880を記録。セッションの終了を告げるレッド・フラッグが提示される前にタイミング・ラインを駆け抜けた。
「レッド・フラッグが出たときのブルーノ(ジュンケイラ)の位置がわかっていて、僕はフィニッシュ・ラインを過ぎているとわかっていた。コース・レコードよりコンマ4からコンマ5秒くらい速いということも分かっていたから、『いいや、全開で行っちゃえ』と思ったんだ」とブルデイは笑顔で話す。「特にコース・レコードは狙っていたわけじゃないんだけど、少しは気になっていたから新記録を残せてうれしいよ」
また、ブルデイはコース・レコードを破ったことでシリーズから5000U.Sドル(日本円で約60万円!)のボーナスをもらうことになった。今回チャンプ・カーは、リカルド・ゾンタが昨年記録したコース・レコードに西部劇のような褒奨金をつけていたのだ。
ブルデイのタイムはこの2日間のトータル・ベストであり、4月6-8日のラスベガスで行われる今年最初のレースでエンジンに火が入るとき、倒されるべき男であることをもう一度示して見せた。彼のベスト・タイムは2位のウィル・パワー(#5オージー・ヴィンヤーヅ・コスワース/パノス/ブリヂストン)が、今日の最後に記録したタイムからコンマ5秒以上のマージンがある。
パワーはルーキーたちを率いてトップ・ポジションを猛追し続けており、このオーストラリア人は1分6秒424の自己ベスト・タイムを記録した。この2年のドライバーに続いたのは1年生ドライバーの3人。ニール・ヤニ(#21レッド・ブルPKVレーシング・コスワース/パノス/ブリヂストン)の3位を先頭に、グラハム・レイホール(#2ニューマン/ハース/ラニガン・コスワース/パノス/ブリヂストン)と、昨年のアトランティック・チャンピオンであるサイモン・ペイジニュー(#15オージー・ヴィンヤーヅ・コスワース/パノス/ブリヂストン)となった。
ベテランのポール・トレイシーは1分6秒707のタイムを記録して6位に入り、“今年ベストのテスト”を締めくくった。
「昨日はよかったけど、今日はちょっと大変だったね。全体として良い週末だったよ」と話すトレイシー。「マシンに思いついただけの色々な変更を試してみたけど、レッド・フラッグのせいでうまく走れなくて、その変更の効果がはっきり分からなかったよ」
2日間のテスト・セッションに全部で17人のドライバーが周回し、そのうち9人が初めてのチャンプ・カー・シーズンに向けて準備を進めている。そのうちの一人は元インディ・ライツとチャンプ・カー・アトランティック・ドライバーであったマット・ハリデイ(#34コンクエスト・レーシング・コスワース/パノス/ブリヂストン)。彼はインディアナポリスに本拠地を置くチームでの最初の週末をトップ10で終えた。
「この2日間は僕にとっても、チームにとっても本当に良かったし、こんな結果が出せてうれしいよ」と言うハリデイ。「小さな問題はあったけど、チームが一生懸命がんばってくれたおかげでその問題を解決できた。うまくいったと思うけど、もう少し走る時間があればもっとトップに近いところまでいけると思うんだ」
コンクエスト・レーシングのオーナーであるエリック・ベイチェラートとも同意する。
「彼にとって初めてのチャンプ・カーで、すぐにスピードを上げることが出来た」と話すベイチェラート。「私たちはマシンに幾つか問題を抱えたが、彼は集中し続け、私たちのためにすばらしい仕事をしてくれたよ」
1時間にわたるスタンディング・スタートのプラクティスを含め、これまでで最長となった今日のテストは、チャンプ・カーの2007年プレシーズン最後のテストとなる。各チームはすぐに本拠地へと戻り、開幕戦のラスベガスに向けて最終調整を行う。ラスベガスに続き、トヨタ・グランプリ・オブ・ロング・ビーチが4月13-15日、グランプリ・オブ・ヒューストンが4月20-22日と連戦で行われる。
2日目のテストタイム(周回数は2日間の合計)
1) セバスチャン・ブルデイ ‐ #1マクドナルド・ニューマン/ハース・レーシング ‐ 1:05.880/122.295/167周
2) ウィル・パワー ‐ #5 オージー・ヴィンヤーヅ/チーム・オーストラリア ‐ 1:06.424/121.294/172周
3) ニール・ヤニ ‐ #21 レッド・ブルPKVレーシング ‐ 1:06.516/121.126/186周
4) グラハム・レイホール ‐ #2 ニューマン/ハース・レーシング ‐ 1:06.561/121.044/167周
5) サイモン・ペイジニュー – #15 オージー・ヴィンヤーヅ/チーム・オーストラリア ‐ 1:06.699/120.793/171周
6) ポール・トレイシー ‐ #3 インデック/フォーサイス・チャンピオンシップ・レーシング ‐ 1:06.707/120.779/136周
7) ジャスティン・ウイルソン ‐ #9 CDW/ルースポート ‐ 1:06.755/120.692/57周 ( 96周は #9xで走行)
8) アレックス・タグリアーニ ‐ #8 ロケットスポーツ・レーシング ‐ 1:06.760/120.683/130周
9) マット・ハリデイ – #34 コンクエスト・レーシング ‐ 1:06.930/120.377/135周
10) ロバート・ドーンボス – #14 ミナルディ・チームUSA ‐ 1:06.959/120.324/134周
11) ブルーノ・ジュンケイラ – #19 デイル・コイン・レーシング ‐ 1:07.048/120.165/90周
12) キャサリン・レッグ ‐ #11 デイル・コイン・レーシング ‐ 1:07.727/118.960/145周
13) クリスタン・ゴメンディ – #22 PKVレーシング ‐ 1:08.325/117.919/93周
14) アレックス・フィギー ‐ #29 パシフィック・コースト・モータースポーツ ‐ 1:08.521/117.581/143周
15) ライアン・ダルジール ‐ #28 パシフィック・コースト・モータースポーツ ‐ 1:08.825/117.062/135周
16) アンドリュー・レンジャー – #19 デイル・コイン・レーシング ‐ 1:09.208/116.414/66周
17) ゾルト・バウムガートナー – #4 ミナルディ・チームUSA ‐ 1:10.415/114.419/53周