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チャンプ・カー・スプリング・トレーニング ラグナ・セカ フォト&レポート

<US-RACING>

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チャンプ・カーのサウンドが3年ぶりにラグナ・セカへ戻ってきた。3月9日から2日間に渡って行われたスプリング・トレーニングの舞台となったのはコーク・スクリューで名高いラグナ・セカ。2日間とも天候に恵まれ、各チーム、各ドライバーとも精力的にラップを重ねていった。2日間総合のトップ・タイムをマークしたのは、ディフェンディング・チャンピオンのセバスチャン・ブルデイ。記録された1分5秒880は昨年のモントレー・ヒストリック・フェスティバルで、リカルド・ゾンタがトヨタTF106で記録したレコード・タイムを上回る圧巻のタイムだった。これまでのチャンプ・カーのレコードは2000年にエリオ・カストロネベスが記録した1分7秒722だったため、改めてパノスDP01のポテンシャルの高さが証明され、ブルデイの実力をまざまざと見せ付けられる結果となった。

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「最悪のテストだった」と語った先月のヒューストンから一転、ポール・トレイシーがラグナセカ初日のトップ・タイムをマークした。「ラグナセカは本当に久しぶりだよ。路面は前に比べるとだいぶスムーズになった」と話すトレイシー。初日のタイムは昨年記録されたF1のレコードタイムに0.04秒まで迫り、最終日も6番手に食い込んだことで、納得行くかたちで今回のテストを終えたようだ。昨年は1勝も上げられなかった大ベテランのトレイシーが、新カラーリングで今シーズンの復活をかける。

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初日の午前にトップ・タイムをマークしたルーキーのニール・ヤニ。2日目も3位に食い込んですこぶる調子がよさそうだ。「今日の午後はセブリングやヒューストンでは出来なかった重要なことを幾つかこなせたよ」と話すルーキーのヤニが、今シーズンのタイトル争いを盛り上げてくれるはずだ。またPKVは昨年までGP2に参戦していたトリスタン・ゴメンディーをヤニのチームメートに起用し、メイン・スポンサーのレッドブルとともにガルフストリームとペイ・バイ・タッチが新たなスポンサーに加わることを発表している。

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昨年のアトランティック・チャンピオンのサイモン・ペイジニューが、チーム・オーストラリアの残っていたシートを射止めた。初日に7位を記録し、2日目は5位に躍進。チームメートのウィル・パワーとの差もコンマ2秒まで縮まり、早くもアトランティック・チャンピオンの実力を見せつけている。ウィル・パワーも初日4位、2日目2位と好調を維持しているため、チーム・オーナーのデリック・ウォーカーも「ほんとうに良い日になった」とご満悦の様子。若手二人を揃えた今年のチーム・オーストラリアは強力だ。

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一方、チーム・オーストラリアを離れることになったアレックス・タグリアーニ。参戦8年目となる今シーズンは、古巣であるロケットスポーツで戦うことが決まった。「ロケットスポーツ・レーシングに戻ってこれてほんとうにうれしいよ」と話すタグリアーニ。2003年に参戦したばかりの同チームを牽引し、翌2004年にはチームを初勝利へと導いた大ベテランは、かつてともに戦ったチーム・クルーたちと再び活躍することを誓う。

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今年からオーナーがPKVのオーナーでもあるダン・ペティットに変わるルースポート。すでにジャスティン・ウイルソンのシートは確定しているものの、残りのシートは未だに決まっていない。一時、ヒューストンのテストに参加していたマリオ・ドミンゲスの起用もとりざされてはいたが、スプリング・トレーニングに参加しているはウイルソンだけ。このため1台体制での参戦が噂されている。

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2007年シーズンから2台体制でチャンプ・カーへ新規参入するパシフィック・コースト・モータースポーツは、ラグナセカでマシン・カラーリングを披露した。ドライバーには2人のルーキーを起用し、シルバーのマシンに乗るライアン・ダルジール(左)と、ブラッグのマシンに乗るアレックス・フィギー(右)がその大役を任された。ルーキー・イヤーとなる今シーズン、チームはまずトップ10に入ることを目標に掲げている。

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多くのルーキーのデビューが見込まれる今シーズン。コンクエスト・レーシングからはニュージーランド人ドライバーのマット・ハリデイが、テストする機会を得た。A1GP、Porsche GT3や、フォーミュラ・ルノーV6シリーズで活躍する彼は、かつて同チームからインディ・ライツに参戦した経験がある。今週末、再びコンクエスト・レーシングのマシンでスプリング・トレーニングに参加したハリデイは「良い2日間を送れたよ」と話す。チーム・オーナーも納得のパフォーマンスを見せた彼は、同チームのレギュラー・シートに狙いを定めている。

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今回のスプリング・トレーニングでは多くの発表があった。まず3月8日にチャンプ・カーはマツダ・ノース・アメリカン・オペレーションズと新たなスポンサー契約を結んだことを発表。マツダは今シーズンからオフィシャル・ビークル・オブ・ザ・チャンプ・カー・ワールド・シリーズとしてシリーズをサポートする。これまでフォードが行ってきたペース・カー・プログラムではパフォーマンス・カーを、世界中でも知られるホルマトロ・セーフティ・チームにはSUVなどを供給する予定だ。これでマツダはアトランティックに続き、チャンプ・カー・ファミリーに仲間入りを果たした。

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チーム・オーストラリアのメイン・スポンサーを務めるオージー・ヴィンヤーヅが、オフィシャル・ワイン・オブ・ザ・チャンプ・カー・ワールド・シリーズとして今年からシリーズをサポートすることになった。ワイン・メーカーとして知られる同社は、2007年シーズン全戦において、各レース・ウィナーへ1ダースのワインをプレゼントするとのこと。また、各レース・ウィナーのサインつきボトルを特別なチャリティー・オークションに出品する予定だ。

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チャンプ・カー・セーフティ・チームに長年わたってレスキュー器具を供給してきたホルマトロが、今シーズンがセーフティ・チームのオフィシャル・タイトル・スポンサーになることが発表された。このためチャンプ・カー全戦に同行するセーフティ・チームはホルマトロ・セーフティ・チームへと名称が変更される。この他、JAG フローコンポーネンツがヒューストン・グランプリ、エリックソンの子会社であるレッドバック・ネットワークがサンノゼ・グランプリのスポンサーになるとこが発表された。これに伴い、ヒューストンの市街地コースは、「JAGフロー スピードウェイ アット リライアント パーク」、サンノゼGPの市街地コースは「レッドバック・レースウェイ」と呼ばれるようになる。