CHAMP CAR

DP01チャンプ・カーによるセブリング・テストの最終日は、オリオール・セルビアが朝の雨を克服して最速タイムを記録

<Champ Car World Series>
今朝の午前8時、セブリングは灰色の雲から透明なシーツのように降り注ぐ雨と、雨が作り出す見えない水溜りによって、かなり殺風景な場所となった。黒いジャケットを羽織ったチャンプ・カーのチーム・クルーは、今朝の雨に目的のある足取りで歩きながら大急ぎで片づけ、激しい雨にうつむいていた。
そんななか唯一、レッド・ブルPKVレーシングのピットが色づいていた。赤と白のドライバー・スーツに身を包むオリオール・セルビアが、屈伸をしながら新しいDP01チャンプ・カーによる最初のテストを待ちわびていた。ジミー・バッサーがセブリングの最初の2日間でテストするのを見ていたセルビアは、少しの雨に新しいチャンプ・カーをドライブする機会をあきらめる気はなかった。
「僕は6時に起きたんだ。1階にクルーがいて、僕が『さぁ、出発だ』といったら、彼らは雨が降っているからあわてる必要はないよと言った。僕はまだ雨が降っていることさえ知らなかった」とセルビアはつぶやく。「僕は悩んだけど、とにかくここへ来たかったから、僕たちは一緒に雨の中を走ったよ」
今年最初のチャンプ・カー・オープン・テストに集まった14台中、わずか8台が今朝の雨の中で周回し、セルビアもこの中にいた。しかし、午後にこの中部フロリダが晴れ渡ると、全マシンが1.8マイルのセブリング・ショート・コースへタイム・アタックに出た。2005年のチャンプ・カー選手権2位のドライバーはトラフィックを気にせず、木曜日のテスト・タイムをリードしながら3日間トータルのベストタイムをマーク。50秒741のタイムを記録した。
「新しいマシンはほんとうに良いね。トラック上のマシンの感触もかなり良い」と言うセルビア。「チームはステップアップを果たし、この新しいマシンがコンテンダーとなる素晴らしい仕事をした。僕は今シーズンもチャンプ・カーに留まることが出来ると願っているし、ニューマン/ハースを脅かしたい。今日はチャンピオンシップのポイントを得られないけど、タイム・シートのトップになれたことは気分が良いね」
セルビアのチームメートのニール・ヤ二は今日2番目のベスト。雨が降る今朝のセッションでは最速タイムをマークすると同時に誰よりも周回数を重ねた。ヤニは今朝のセッションを雨の中64周を走行し、午後には60周を走って50秒904のタイムをマークした。
元チャンプ・カー・チャンピオンのポール・トレイシーは、終盤で3位に食い込み、2日連続で51秒台を切った唯一のドライバーとなった。トレイシーはセブリングのショート・コースを50秒925で駆け抜け、午後に走行した68周のラスト・ラップに自己ベストを記録した。
「誰もウエイトを積んで走っていないから、まだ誰が速いかなんてわからないね。周回を重ねることが要求されていて、誰もバラストを使ってない」とトレイシー。「僕たちはウエイトを積んで走っていたけど、マシンの感触はかなり良いと思う。この3日間は良いテストになった。次のテストを楽しみにしているよ」
セバスチャン・ブルデイは午後に83周を走って4位に入り、以前チームメートだったブルーノ・ジュンケイラがこれに続く。ジュンケイラはデイル・コイン・レーシングのマシンを駆り、イリノイに本拠地を置くチームでの2日目のテストを5位で終えた。ジュンケイラは51秒116をマークし、水曜日に記録した自己ベストに0.008秒と迫った。
グラハム・レイホールは今日参加したルーキーでトップとなり、51秒413を記録して全体の7位につけた。レイホールは雨のセッションを見送った後、午後に74周を周回して3日間トータルの自己ベスト・タイムを記録した。
「午後に幾つか変更を加えたことが良かったね」と話すレイホール。「このテストでは0.1秒ずつタイムを更新し続けていた。新しいタイヤでの最終ラップにクリア・ラップが取れ、タイムを更新することが出来たけど、ほんの少しだけだったね」
パシフィック・コースト・モータースポーツ・チームは、初めての公式チャンプ・カー・テストを完了。アレックス・フィギーがトラブルにより20周も周回できないことが3日間で2回あるなど、浮き沈みがある結果だった。この遠征はチャンプ・カーのレースを期待できるよい印象をチームに与え、このカリフォルニアに本拠地を置くチームはチャンプ・カーに挑戦する準備が整った。
「幾つか問題を抱えて、私たちが望んでいたマイレージには及ばなかった」と語るチームのジェネラル・マネージャーであるテイラー・テッドヴィック。ライアン・ダルジールは#28のマシンで73周を走行し、今週末のチーム内ベスト・タイムを記録している。「それはチームの経験不足であり、幾つかは単にマシンに関する問題だった。私たちのチームは多くを学び、山のように高く山積した問題を解決しなくてはいけないことがわかったが、とても興奮しているよ」
今日、チームはセブリングから引き上げ、2回目のチャンプ・カー・テストに向けて準備を整える。次回のテストは2月12日と13日。MSRヒューストンで行われる。

1) オリオール・セルビア- #22レッド・ブルPKVレーシング– 50.741 seconds/118.413 mph/110周
2) ニール・ヤニ– #21レッド・ブルPKVレーシング – 50.904/118.034/124周
3) ポール・トレイシー– #3フォーサイス・チャンピオンシップ・レーシング – 50.925/117.985/68 周
4) セバスチャン・ブルデイ – #1ニューマン/ハース・レーシング – 51.056/117.683/83周
5) ブルーノ・ジュンケイラ – #19デイル・コイン・レーシング – 51.116/117.544/42周
6) マリオ・ドミンゲス – #10ルースポート – 51.309/117.102/78周
7) グラハム・レイホール – #2ニューマン/ハース・レーシング – 51.413/116.865/74周
8) ジャスティン・ウイルソン – #9ルースポート – 51.547/116.562/51周
9) キャサリン・レッグ – #11デイル・コイン・レーシング – 51.750/116.104/24周
10) アレックス・タグリアーニ – #8ロケットスポーツ・レーシング– 51.837/115.909/72周
11) ネルソン・フィリップ – #4ミナルディ・チームUSA – 51.892/115.787/60周
12) ウィル・パワー – #5チーム・オーストラリア– 52.394/114.677/48周
13) ライアン・ダルジール – #28パシフィック・コースト・モータースポーツ – 52.459/114.535/73周
14) アレックス・フィギー – #29パシフィック・コースト・モータースポーツ – 54.059/111.145/17周