CHAMP CAR

パワーが2戦連続のポール・ポジションをチャンプ・カー最終戦メキシコ・シティで獲得

<Champ Car World Series>
3週間前のサーファーズ・パラダイスで骨折した手首の影響が残る、オーストラリア人チャンプ・カー・スターのウィル・パワー(#5オージー・ヴィンヤーヅ・コスワース/DP01/ブリヂストン)。彼は今シーズン5回目となるチャンプ・カー・キャリア6度目のポール・ポジションを、日曜日の2007年チャンプ・カー・ワールド・シリーズ最終戦、グラン・プレミオ・テカテ・プレゼンテッド・バイ・バナメックスの最終予選で勝ち取った。
パワーは1分23秒558の最速タイムを記録し、昨日セバスチャン・ブルデイ(#1マクドナルド・コスワース/DP01/ブリヂストン)がマークしたコースレコードを、わずか一日で打ち破った。このオーストラリア人ドライバーは、これまでラス・ベガス、ヒューストン、エドモントン、そして彼の故郷であるオーストラリアでポールを獲得している。彼は開幕戦のラス・ベガスを制し、第7戦トロントでも優勝しているため、日曜日のアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス・サーキットでのレースで今シーズン3勝目を狙う。2007年のポイントランキング4位で日曜日の最終戦を迎えるパワーは、ランキング3位のロバート・ドーンボス(#14ミナルディ・チームUSAコスワース/DP01/ブリヂストン)を27ポイント差で追いかけており、獲得できる最大ポイントの32点を獲得できれば逆転が可能だ。
パワーとフロント・ローを分け合うのは、4度のチャンプ・カー・チャンピオンであるブルデイ。彼は1分24秒698のタイムを記録して金曜日の第一予選をリードしたため、今シーズン10回目のフロント・ロー・スタートを確保している。3週間前のサーファーズ・パラダイスで前人未到のシリーズ4連覇を果たしたブルデイだが、土曜日の最終予選では10番手のタイムだった。しかしながら、彼はチャンプ・カーの73レース目を46回目のフロント・ローからスタートすることになった。このニューマン/ハース/ラニガン・レーシングのドライバーは、日曜日に彼にとってシリーズ最後のスタートを切り、チャンプ・カー・キャリア通算31度目の優勝を目指す。またブルデイは、昨年のメキシコ・シティのウイナーでもある。
ドーンボスは最終予選で2番目となる1分24秒152のタイムをマークし、ミナルディ・チームUSAのマシンで3番手からスタートする。今シーズン5回目のトップ3スタートを決めたこのオランダ人は、サーファーズ・パラダイスのレックスマーク・インディ300において、2007年のルーキー・オブ・ザ・イヤーの栄冠に輝いた。ドーンボスはモン-トランブランとサンノゼで優勝を挙げており、日曜日に優勝してルーキー・イヤーを締めくくることを望んでいる。彼はポイント・ランキングで2位のジャスティン・ウイルソン(#9CDWコスワース/DP01/ブリヂストン)からわずか8ポイント差につけ、明日のグラン・プレミオ・テカテ・プレゼンテッド・バイ・バナメックスを迎えることになった。
オリオール・セルビア(#22ペイ・バイ・タッチ・コスワース/DP01/ブリヂストン)は、予選4位となる1分24秒324のパフォーマンスを発揮し、PKVレーシングで2度目のトップ4スタートを決めた。このカタロニア出身のドライバーは、今シーズン11レースを戦ったフォーサイス・チャンピオンシップ・レーシングからPKVに移籍し、最初のレースとなるサーファーズ・パラダイスでも2番手からスタートを切っている。セルビアは日曜日に今シーズン3回目の表彰台と、チャンプ・カー・キャリア2度目の優勝を狙う。
予選初日に2番手タイムをマークしたウイルソンは、1分24秒365で5番グリッドまで滑り落ちた。ウイルソンはポイント・ランキング2位を死守するために、シーズン最終戦で最良の結果を目指している。彼は過去3回出場したアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス・サーキットのレースを、4位以下でフィニッシュしたことがなく、2005年にはこのイベントを制し、昨年は最終ラップにブルデイのパスを許して2位となった。チャンプ・カーのデビュー・イヤーの2004年は4位でフィニッシュしている。今シーズン、ウイルソンはアッセンで優勝を挙げ、これまで5度表彰台を獲得した。
セッション終盤に立て続けに速いタイムが記録されたため、ルーキーのシモン・パジノウ(#15オージー・ヴィンヤーヅ・コスワース/DP01/ブリヂストン)はトップ5から脱落し、6番手からスタートすることになった。この2006年のチャンプ・カー・アトランティック・チャンピオンは、1分24秒394のベスト・タイムを記録している。グラハム・レイホール(#2メディ|ゾーン・コスワース/DP01/ブリヂストン)と、ポール・トレイシー(#3インデック・コスワース/DP01/ブリヂストン)もまた、パジノウと同じ運命を辿ってセッション終了までの数分間にトップ5の順位を失い、それぞれ7位と8位のスタート・ポジションとなった。7番手からスタートするレイホールは1分24秒515を記録し、トレイシーは1分24秒608で8番グリッドに収まった。
イギリス人のダン・クラーク(#4ミナルディ・チームUSAコスワース/DP01/ブリヂストン)は、1分24秒767のタイムで予選9位。モンテレイ出身のメキシコ人、デイビッド・マルチネス(#7インデック・コスワース/DP01/ブリヂストン)が地元でトップ10入りを果たし、1分24秒888のタイムを記録している。
グラン・プレミオ・テカテ・プレゼンテッド・バイ・バナメックスは、日曜日の現地時間午後1時(アメリカ東部時間午後2時)にグリーン・フラッグが振られる。アメリカではESPNによる生放送を見ることができ、レース・ファンはチャンプ・カー・ワールド・シリーズの公式ウエブ・サイトwww.champcar.ws にあるレース・ディレクターでの観戦が可能だ。
トップ3インタビュー
ウィル・パワー:「レッド・タイヤでは1周しかアタックのチャンスがないけれど、僕はちょうどクリア・ラップを見つけて走ることができたんだ。あのときは、まさに完璧の状態だったね。レッド・フラッグが出たときはセッションがスタートしたばかりでみんなが慌てていたし、最後にみんなが一斉にコースへ出たときの渋滞はかなりタフだったよ。今年はこれで5回目のポールを獲ったわけだけど、明日はもっとしっかりしたレースをしなければいけないね。今シーズンは不運に見舞われて、僕らの実力に見合っていない結果があったから、明日は優勝を狙うんだ。手首の怪我については、カーボンのサポーターを着けない方が楽だよ。装着するとさらに痛くなるからね。骨折した骨は大丈夫だけど、痛いのは靭帯なんだ。体が温まると痛みが引いていくけど、朝の寒いときはほんとうに辛いね」
セバスチャン・ブルデイ:「簡単に言うと、昨日が最高の一日で、今日はついていなかったってことだよ。最後の予選があんな走りになってしまったのはがっかりだね。でも前にも言ったことがあるけど、これがレースなんだ。かなり大変なときでも、うつむかずレースに集中しなければいけない。明日はそうするつもりさ。そしていい結果が残せるよう祈るね。マシンは結構調子が良いから、今日はただうまくいかなかっただけだよ」
ロバート・ドーンボス:「このコースは初めて走るけど、良いセット・アップを見つけるのがかなり大変だよ。特にコースの後半にバンプがあるからね。新しいタイヤでコースインしたときはとても集中しなければいけなかった。昨日はマシンのセット・アップに問題があったけど、夜のうちにチームが直してくれたので、今朝はとても良い感じだった。予選でブリヂストン・レッド・タイヤを2セット使えたことも良かったね。トップに近いところでスタートすることが嬉しいし、チームには感謝している。明日のレースを楽しみにしているよ」