CHAMP CAR

4連覇達成!セバスチャン・ブルデイが歴史を塗り替える

<Champ Car World Series>
セバスチャン・ブルデイ(#1マクドナルド・コスワース/DP01/ブリヂストン)が、チャンプ・カー・ワールド・シリーズのドライバーとして、歴史的な偉業を打ち立てた。彼はレックスマーク・インディ300で4年連続のシリーズ・タイトルを、印象的な勝利とともに獲得した。
来シーズンはチャンプ・カーを離れ、フォーミュラ・ワンでキャリアを歩むことを決めたこのフランス人は、レコード・ブックのいたるところに彼の名前を残した。今日キャリア30勝目を挙げたニューマン/ハース/ラニガン・レーシングのドライバーは、チャンプ・カー・ワールド・シリーズのタイトルを、4年連続で勝ち取った史上初めてのドライバーとなった。この功績はプロフェッショナル・スポーツの中でもとてもまれなことで、実際にNASCARやNFLでは未だ前例がなく、NBA、NHLやMLBにおいても過去20年間成し遂げられていない。
すでに掲げた長い記録のリストに加え、ブルデイは17年の歴史を持つサーファーズ・パラダイスのイベントにおいて、初めて2度レースを制したドライバーにもなった。ブルデイは2005年に1度目の優勝を飾っている。レースはブルデイにとって好都合な始まりとなり、ポール・トレイシー(#3インデック・コスワース/DP01/ブリヂストン)と、オリオール・セルビア(#22ペイ・バイ・タッチ/PKVレーシング・コスワース/DP01/ブリヂストン)が接触したことに乗じて、ブルデイは4番グリッドから一つポジションを上げた。一方のトレイシーはスピンを喫した。
トレイシーが隊列の最後尾につく間、ウィル・パワー(#5オージー・ヴィンヤーヅ・コスワース/DP01/ブリヂストン)は、ポール・スタートからリードを築き上げていた。トレイシーは少しアグレッシブに攻めすぎ、ターン7のタイヤ・バリアに触れてしまったことで、最初のイエロー・フラッグが振られることになる。そしてこのイエローに際、最初のピット・ストップが行われた。トレイシー、ロバート・ドーンボス(#14ミナルディ・チームUSAコスワース/DP01/ブリヂストン)や、ブルーノ・ジュンケイラ(#19サニーズBBQコスワース/DP01/ブリヂストン)は、コース上に留まることを選択し、残り全員のドライバーがピットへ向った。
この最初のピット・ストップはアクシデント無しに終らなかった。レース・リーダーのパワーが、彼のピット・ボックスから離れようとしたとき、ピットに入ってきたデイビッド・マルティネス(#7インデック・コスワース/DP01/ブリヂストン)と接触。パワーは隊列の最後尾へまわることを余儀なくされた。後にパワーはキャサリン・レッグ(#11デイル・コイン・レーシング・コスワース/DP01/ブリヂストン)とともに、レースを終えることになる。このオーストラリア人は、彼女をかわそうとした時に接触してしまったのだ。
ブルデイがリーダーとなったのは、トレイシーがピットへ向った20周目のこと。このフランス人は2回目のピット・ストップを行う32周目までリードを維持した。ブルデイは2番手で戦列に復帰したが、すぐにジャスティン・ウイルソン(#9CDWコスワース/DP01/ブリヂストン)のオーバーテイクを許してしまう。それでもブルデイは、ウイルソンがピット・インした44周目に、再びリーダーの座を取り戻した。その後、この4年連続チャンピオンは一度も後ろ見ることなく、最速タイムをマークしながらウイルソンとのギャップを広げ続ける。48周目に最後のピット・ストップを終えたブルデイは、イギリス人のウイルソンからリードを守り抜き、前人未到の4年連続タイトルを手中に収めた。
3番手を走行していたトレイシーは、燃料が底を尽いて最終ラップにピット・インせざるを得ず、ジュンケイラが3戦連続のポディウム・フィニッシュを獲得する。この日100戦目を迎えたこのブラジル人にとって、キャリア通算34回目のポディウムとなった。ルーキーのドーンボスは4位に入り、ルーキー・オブ・ザ・イヤーのタイトルを確定させる。一方、チーム・オーストラリアのシモン・パジノウ(#15オージー・ヴィンヤーヅ・コスワース/DP01/ブリヂストン)は、5位でフィニッシュした。
ネルソン・フィリップ(#34ジュニパー・ソウル・コスワース/DP01/ブリヂストン)は、コンクエスト・レーシングでの復帰戦を6位でフィニッシュ。アレックス・タグリアーニ(#8PBSエクイティーズ・コスワース/DP01/ブリヂストン)、ニール・ヤニ(#21レッド・ブル/ガルフストリーム/コスワース/DP01/ブリヂストン)、トレイシーとマルティネスがその後に続き、ここまでがトップ10となる。
次戦のチャンプ・カー・ワールド・シリーズは、2007年11月11日にメキシコ・シティでシーズン最終戦を迎える。レースはアメリカ東部時間午後2時より、ESPNで生中継される。
トップ3インタビュー
セバスチャン・ブルデイ:「普通では考えられないような一日だったといえるね。この成功はマクドナルド・チームの素晴しい人たちによるものなんだ。彼らとの関係は2003年に始まった。この結果のすべてが彼らの素晴しさを物語っている。彼らはほんとうによくやってくれたし、今日もまた力を貸してくれた。3番手でピットに入ってきたときに、トップで送り返してくれたのさ。そこからは僕の手でなし遂げようと思った。ジャスティンとは彼が先にピットへ入るまで良いバトルが出来たよ。僕たちは彼が重い燃料で走っていることがわかっていたから、突き放すことができた。そして最終コーナーを立ち上がったとき、すべての感情がわいてきた。これまでどれだけ彼らに助けられてきたのかや、どれだけのことを彼らとともに成し遂げてきたのかを実感し、すべてが今終わりに近づいているという感覚になった。ほんとうに楽しい5年間だった。忘れることなんて出来ないよ」
ジャスティン・ウイルソン:「スタートから幾つかトラブルを抱えていたんだ。クラッチだと思うね。あとはすべてがよかったけど、少しホイール・スピンしすぎていた。1速から2速にシフト・アップする際にニュートラルに入り、何人かのドライバーに抜かれたよ。これにはとてもいらいらしたね。それからポールがターン1でスピンしたときは、落ち着いて対処して、愚かなまねをしなかった。このレースではつねにそうしていたね。最初のイエローが出ると、僕と前の二人が同じ戦略をとった。オリオールとセバスチャンの後ろで3番手を走っていたときには、マシンの感触はかなりよかったよ。オリオールを追いかけていたら、彼がターン2でウォールに接触したので、チャンスだと思った。それでターン5でかわすことができたんだ。そのあとはセバスチャンの後ろを走るだけだったね。マシンはよくやってくれたよ」
ブルーノ・ジュンケイラ:「今日はいろいろなことがあった一日だったね。最後にはセバスチャンとジャスティンに続いて3位になれた。ウォーム・アップ・セッションでは、マシンの感触がプラクティスや予選よりもかなり良かったから、自信があったんだ。でもレースの2時間前に、エンジニアがエンジンのオイル漏れを発見した。だから大急ぎでエンジンを交換しなくてはいけなかったよ。マシンの準備が整ったのはレース・スタートの2分前だったね。アウト・ラップではフルスロットルには出来ないし、パレードラップでも燃料を節約していたから、スタートでフルスロットルにしたときに、マシンがどうなるかがわからなかった。それでいつものようにクラッチを離したら、マシンが動かずストールしてしまったよ。ここでラッキーだったのは、誰も僕の後ろから追突しなかったことだね。それからセーフティ・チームが、素晴しい仕事で僕を再スタートさせてくれ、ようやくレースが始まった。すでにトップとは57秒近くの差があったから、とにかく燃料をセーブしなくてはいけないと理解したね。過去3レースはとても似たような展開になった。チャンピオンシップでも良い位置に上がって来ている。チームはピット・ストップにしても戦略にしてもすばらしい仕事をしてくれたよ。今日に限らず今週末はずっとマシンはとても良かったし、すごく速かったんだ。十分楽しめたね」