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チャンプ・カー・ワールド・シリーズ 第12戦 オランダ[二日目]フォト&レポート

<US-RACING>

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昨日のウェット・セッションから一転し、晴天のもとで行われた最終予選は、またしても3年連続王者のセバスチャン・ブルデイが他を圧倒した。予選初日は苦手とする雨の中で、たった6周しか走らず、6番手に留まったブルデイ。今日はセッション開始19分でトップに立つと、自らのタイムを塗り替えながら一度もその座を譲ることなく、1分18秒765のコース・レコードでポール・ポジションを確定させる。ルーキー・イヤーから続くヨーロッパ・ラウンド完全制覇に向け、絶好の位置からスタートすることになった。「正直言ってポールを獲れるとは思っていなかったよ。はじめの15分にそう感じたけど、最初のアタックではマシンに多くの変更を与えず、ほんとうに頑張ったんだ。レッド・タイヤでコース・インしたときは、素晴しいバランスになったね。マシンが生き生きしているようで、すごいタイムが出せたよ。この位置にいるのは素晴しいことだね」と大喜びのブルデイ。すでに中国とフェニックスでのレースがキャンセルされたため、早ければ明日にも前人未到の4年連続チャンピオンが決定する。ブルデイは地元ヨーロッパで歴史的快挙を達成することが出来るだろうか。

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ウェット・セッションで素晴しい走りを披露し、予選初日を制したジャスティン・ウイルソン。ところが、ドライとなった最終予選では精彩を欠き、9番手に沈んでしまった。昨日トップ・タイムをマークしたため、予選システムに救われる形でフロント・ローを手に入れたものの、ポールのブルデイとの間には決定的な差がある。「今日、速さが不足していたことにはとてもがっかりしているよ。いくつか問題を抱えていて、予選ではほとんど何も出来なかった。2回目のアタック中にはリア・タイヤがささくれ磨耗を起こしていた。それが僕たちだけの問題なのか、そうではないのかは定かでないけどね。幸運にも僕たちは昨日フロント・ローを獲得しているから、今は良いレース・カーを仕上げることに集中するよ」と悔しさをにじませるウイルソン。今シーズン初勝利を手に入れるためには、まずスタートでブルデイの頭を抑えたいところだ。

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最終予選で光る走りを見せたトリスタン・ゴメンディ。このところ前半戦で見られた速さに陰りがあったが、このアッセンでは再び調子を取り戻し、セッション序盤でトップにたった。残り11分となったところでブルデイの逆転を許したゴメンディは、再逆転を狙い、2回目のアタックを行ったものの、0.260秒及ばず2番手。初日にウイルソンがフロント・ローを獲得しているため、決勝は3番手からスタートすることになったが、第6戦のモン-トランブランに次ぐベスト・グリッドを獲得した。「PKVレーシングにとって良い予選になったと思うよ。シーズンがほとんど終わっているから、プレッシャーもなく戦えている。一生懸命作業したから、完璧なセット・アップになってきているよ」と話すゴメンディ。スタート・ダッシュを決め、一気にトップを狙う。

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今朝のプラクティスでトップ・タイムをマークしたニール・ジャニは、キャリア・ベストに並ぶ4番グリッドを獲得した。これでPKVレーシングのルーキー二人が、揃って2列目に陣取ることになった。初日から速さをみせていたものの、昨日の予選は11番手と苦戦したジャニ。だが、二日目にはすぐに体勢を立て直し、この若きスイス人ルーキーのパフォーマンスを再確認する結果を出して見せた。「今朝はほんとうに良いセッションだったんだ。僕たちがコース上で一番速かったからね。午後は渋滞にはまって、思っていた以上にタイムを縮めることが出来なかったよ。全体的に言って、最高ではないけど、良い一日だったと思うね」と複雑な心境のジャニ。まだ見ぬ初優勝をヨーロッパで飾りたいところだ。

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キャリア・ベストの7番グリッドを獲得したヤン・ヘイレン。先週行われた地元ベルギーのレースでは、一時2番手を快走しながら最終的には13位という残念な結果に終わった。悔しさを胸に挑むベルギーから程近いオランダは、昨日プラクティスでトップ・タイムをたたき出し、周囲を驚かせる。今日の予選前プラクティスでも3番手に入り、波に乗って迎えた最終予選は、コンクエスト・レーシングのマシンで6番手タイムをマーク。明日のレースを4列目からスタートすることになった。「6番手タイムを記録できたのはうれしいね。昨日からのスピードを保って走ることが出来たんだ。このままの勢いで明日のレースを戦いたいね。良いピット戦略があるから、僕たちにはアドバンテージがあるはずだよ」と自信を見せるヘイレン。パフォーマンスを維持してキャリア・ベスト・フィニッシュを目指す。