CHAMP CAR

チャンプ・カー・ワールド・シリーズ 第10戦 ロード・アメリカ[初日]フォト&レポート

<US-RACING>

画像

第10戦ロード・アメリカの予選初日、セバスチャン・ブルデイが2位に1秒近くの大差をつけてポール・ポジションを勝ち取り、3年連続チャンピオンの底力を見せ付けた。今朝方、2008年にトロ・ロッソから念願のF1デビューが決まったブルデイ。F1へ行く手土産としてどうしても前人未到の4連覇を成し遂げたいという気迫からか、今日の予選では終始圧倒的なスピードを誇っていた。セッション終盤まで誰一人1秒以内に寄せ付けず、ようやく1秒圏内に飛び込んだウィル・パワーも0.731秒までしか迫れなかった。今シーズン、慣れないマシンに手こずっていたブルデイだが、過去3年この男によってチャンプ・カーが支配されてきたことを、我々は改めて思い知ることになった。「マクドナルド・チームにはほんとうに感謝しているよ。彼らが一生懸命仕事をして素晴らしいマシンに仕上げてくれた。予選は簡単でないけれど、あれだけ速く走れるとは思わなかったね。今週、僕たちの目標はロード・アメリカで勝つことなんだ。もうチャンプ・カーが始まっているのだから、F1のことについて聞きたければ、F1に行ってからにしよう」と語るブルデイ。今週末のレースに集中し、ロード・アメリカでの初勝利を狙う。

画像

ポール・ポジションのセバスチャン・ブルデイを相手にひとり気を吐いていたウィル・パワー。他のライバルが1秒以上突き放されているなか、パワーは何とか食い下がろうと渾身のアタックをかける。しかし、今日のブルデイの速さは別格。さすがのパワーもコンマ7秒に迫るのが精一杯で、近づいたと思ったチャンピオンの背中がまたしても遠のいてしまった。「色々なカテゴリーがここを走っているから、様々なタイヤ・コンパウンドが路面についているね。そのため、みんながマシンのセット・アップに悩んでいたと思うんだ。最後のセッションで何とかコツをつかんだ気がする。明日はもっと速く走れると思うよ」と意気込むパワー。明日の予選でこの差をどこまで挽回してくれるのか、熾烈なポール・ポジション争いが期待される。

画像

ルーキーのニール・ジャニは3位に入った。今朝のプラクティスではマシン・バランスに苦しみ、13位と精彩を欠いていたジャニだが、このコースは事前にテストを経験した数少ない場所だけあって、予選前プラクティスではトップ5まで巻き返す。予選はチャンピオンのセバスチャン・ブルデイに太刀打ちできなかったものの、ルーキー勢トップの3位。前戦サンノゼで優勝争いを繰り広げた速さをこのロード・アメリカでも見せた。「今朝のプラクティスは最悪だったんだ。最速タイムより2.4秒もの差があったよ。そこでちょっと心配していたけど、午後のセッションではマシンを大きく改善できた。今日は3位で満足しているよ」と喜ぶジャニ。最終予選ではさらなるタイム・アップを狙っていく。

画像

トレーニング中に鎖骨を骨折し、前回のサンノゼを欠場したルーキーのライアン・ディエルは、復帰戦の初日をキャリア・ペストとなる6位で終えた。第7戦のトロントでトップを快走して以来、めきめきと速さを増してきたディエル。チームメイトのアレックス・フィギが未だ最下位周辺に沈んでいるなか、著しい成長を見せている。「今日の結果にはとても満足しているよ。手術からたった14日でキャリア・ベストをマークできるなんて、誰が考えただろうね。マシンの感触も良いし、テストでも良い結果が出ているので、それがおきな助けになっていると思うよ。最高の気分だし、またこのマシンに乗れることがほんとうに嬉しいんだ」と大喜びのディエル。ルーキー・チームのパシフィック・コースト・モータースポーツを牽引する若きスコットランド人は、明日の予選を面白くしてくれそうだ。

画像

このレースからカラーリングが変更されたヤン・ヘイレン。第8戦エドモントンから彼のサポートをしていた母国ベルギーのデジタル印刷会社「グラフィティP」がメインスポンサーに就いた。これまでも何度かヘイレンのサポートをしていた縁から、今回のサポートが実現したということで、カラーリングも黒から鮮やかな緑色を基調としたものになった。今まで同じ黒のマシンに乗るパシフィック・コーストのクラッシュ・キング、アレックス・フィギと間違われることが多かったというから、ヘイレンにとっては二重に嬉しい変更になったはずだ。

画像

今日はトップと4.5秒遅れの最下位に沈んだキャサリン・レッグ。彼女も今週末からヘルメット・デザインと同じカラーリングに変更している。こちらは特にスポンサーが変わったというわけでなく、これまでのものが単に飽きたからだそうだ。このロード・アメリカは昨年、背筋が凍るような大クラッシュを演じたイヤな思い出があるだけに、気分を一新したいということなのだろうか。