CHAMP CAR

ニューマン/ハース/ラニガン・レーシングが強さを見せつけ、グランプリ・オブ・ヒューストンで1-2フィニッシュを飾る

<Champ Car World Series>
グランプリ・オブ・ヒューストンの予選後にペナルティを受けたセバスチャン・ブルデイ(#1マクドナルド・コスワース/DP01/ブリヂストン)は、チーム・オーストラリアのウィル・パワー(#22オージー・ヴァインヤーヅ・コスワース/DP01/ブリヂストン)との激しいバトルが予想されていたが、この日ブルデイのミラーに一番多く映っていたのは、パワーではなくチームメイトのルーキーであるグラハム・レイホール(#2メディ|ゾーン・コスワース/DP01/ブリヂストン)だった。終わってみれば、ブルデイがキャリア通算25度目の優勝を挙げ、レイホールは初めての表彰台を2位フィニッシュで手に入れた。
ブルデイはスタートしてすぐにリードを奪ったが、コースをショートカットしたと判断されたため、そのポジションを譲ることになる。このフランス人は諦めずにじっくり待ってから、14周目にジャスティン・ウィルソン(#9 CDW・コスワース/DP01/ブリヂストン)からリードを奪うと、フルコース・コーションとなってスロー・ペースとなり、ドライバー全員がピット・ロードに入るまで、13周にわたって後続との差を広げていった。ピット・ストップではマクドナルド・クルーが、ブルデイをトップのままコースへ送りだし、フォーサイス・チャンピオンシップ・レーシングのオリオール・セルビア(#3インデック・コスワース/DP01/ブリヂストン)が2番手、ブルデイのチームメイトであるレイホールが3番手で後に続いた。
トップ3はグリーン・フラッグ中の66周目にセルビアがピットへ飛び込むまで、互いにポジションをキープしていた。ピット・インしたセルビアは、不運にもチームメイトのマリオ・ドミンゲス(#7インデック・コスワース/DP01/ブリヂストン)がピットに入っていたため、ピット・ボックスから出るのが遅れてしまった。彼のピット・ロードの遅れによって、セルビアよりもう1周多く走った18歳のレイホールが2番手となり、チームメイトのブルデイとトップを争った。
.
レイホールのコース・インの直後、ウィル・パワーとマリオ・ドミンゲスがターン6で接触し、イエロー・フラッグが出され、ほぼ同時にキャサリン・レッグ(#11デイル・コイン・レーシング・コスワース/DP01/ブリヂストン)、ニール・ヤニ(レッドブル/ガルフストリーム・コスワース/ DP01/ブリヂストン)と、ダン・クラーク(#4ミナルディ・チームUSAコスワース/DP01/ブリヂストン)がターン2で接触した。このターン2のアクシデントによって3人は戦列を去り、トリスタン・ゴメンディー(#22ペイ・バイ・タッチ/メガスピエラ・コスワース/DP01/ブリヂストン)がイエロー・フラッグ中にトップへ浮上する。
ゴメンディーはヒューストンでも先週のロング・ビーチと同じような戦略をとり、このフランス人は18周を先頭で走ったが、残り7周となったところでガス欠になってしまい、ピット・ロードの入り口でマシンを止めざるを得なかった。オランダ人のロバート・ドーンボス(#14ミナルディ・チームUSAコスワース/DP01/ブリヂストン)は徐々にポジションを上げていき、ゴメンディーがリタイアすると、チャンプ・カー3戦目で2度目の表彰台フィニッシュを手に入れた。
オリオール・セルビアはピットのトラブルから巻き返し、ポール・トレイシーの代役としての2戦目は4位でフィニッシュ。チーム・オーストラリアのシモン・パジノ(#15オージー・ヴァインヤーヅ・コスワース/DP01/ブリヂストン)は、キャリア初のトップ5に入った。
マリオ・ドミンゲス(#7テルメックス/バンカ・ミフェル・コスワース/DP01/ブリヂストン)が、苦戦した先週のロング・ビーチから復活を遂げ、6位でフィニッシュ。チャンピオンシップで3度2位になったブルーノ・ジュンケイラ(#19サニーズBBQコスワース/DP01/ブリヂストン)は7位に入り、デイル・コイン・レーシングで3戦連続のトップ10フィニッシュとなった。
パシフィック・コースト・モータースポーツのライアン・ディエル(#28パシフィック・コースト・モータースポーツ・コスワース/DP01/ブリヂストン)は、自己ベストの8位でフィニッシュし、この新しいチームとともに2戦連続のトップ10に入った。
トップ10の最後に入ったのはRスポーツの二人。アレックス・タグリアーニ(#8 LXN2・コスワース/DP01/ブリヂストン)とジャスティン・ウィルソンが、それぞれ9位と10位になった。
3戦連続開催を終えたチャンプ・カー・ワールドシリーズで、ポイント・ランキングのトップに立っているのは、このポジションが見慣れているブルデイで、73ポイントをマークしている。ウィル・パワーが3ポイント差の70ポイントで2位につけ、ルーキーのロバート・ドーンボスが61ポイントの3位。アレックス・タグリアーニとブルーノ・ジュンケイラはトップ5に入り、2007年のバンダービルト・カップを争っている。
次戦、チャンプ・カー・ワールド・シリーズは北西へ移動し、チャンプ・カー・グランプリ・オブ・ポートランド・プレゼンテッド・バイ・ジョーズがポートランド・インターナショナル・レースウエイで開催される。
トップ3インタビュー
セバスチャン・ブルデイ:「今週は変な週末だったけど、トップに戻ってこれたことはほんとうに気分がいいね。ロング・ビーチでは良いレースができたし、今週末はグラハムと1-2フィニッシュができた。ニューマン/ハース/ラニガンにとって久しぶりの1-2フィニッシュだったんだ。昨日、チームが夜遅くまで一生懸命働いてくれたおかげだね。ほんとうに嬉しいよ。グラハムが言ったように、長かったオフ・シーズンの間に、彼らが全力で仕事をしてくれた。その努力が今の成功につながっている。これ以上うれしいことはないね。レースの序盤はかなり大変だったよ。ジャスティンがパワーをパスしてからはちょっと楽になったね。シケインをショートカットしたために、ジャスティンにトップを譲らなくてはいけなかったんだけど、それからは燃費走行に集中した。ジャスティンの燃費つらそうな気がしたので、プレッシャーをかけ続けていた。彼はある時点まで燃費作戦を狙っていたみたいだけど、そのペースは続かなかった。そしてターン10を上手く立ち上がって、追い越すことができた。その後は何事もなくレースが出来た。でもかなりハプニングが多いレースだったよ。簡単だったとは言えないよね。レース終盤あたりからマシンのハンドリングが変わってきてしまった。次のレースに向けてクリアするべき課題は多いけど、レースを無事に終えることが出来てよかったよ」
グラハム・レイホール(#2メディ・ゾーン・コスワース/DP01/ブリヂストン)「チーム全員にとって良い週末だったね。セバスチャンが初日から一番調子が良かったから、彼からたくさんのことを学ぶことが出来た。そのおかげでレースは良い結果がでたよ。昨日の予選前に古いタイヤですごく速いタイムを記録していたから、予選で6位だったのはちょっとがっかりしたね。チームが一生懸命夜遅くまで働いて問題を解決したから、レースではすぐに良い感じだった。僕たちのマシンは2台ともとても良く仕上がっていたね。燃料をセーブしながらオリオールと同じペースで走ることができた。結局、彼が僕より先にピット・インをしなくちゃいけなったようで、僕はいいイン・ラップとアウト・ラップをがんばって2位になれた。残念ながらイエローが出たけど、チームがピットですばらしい仕事をしてくれたから追い越すことができた。彼らに感謝しているよ」
ロバート・ドーンボス(#14ミューマンス/ジャンボ・スーパーマーケテン/メディアモール・コスワース/DP01/ブリヂストン):「誰よりもポジションを上げたことで、ボーナス・ポイントがもらえたのはラッキーだったね。自分でも驚くほど素晴らしいレースだった。スタートでは大きく順位を上げることが出来たよ。もう慣れてきたからローリング・スタートは上手く決まったね。確かインサイドに飛び込んだんだけど、ターン1で5〜6台を抜いたと思うよ。きついバトルだったけど、かなり楽しかった。その後も良いペースで、マシンが何の問題もなく走ってくれたことはうれしかった。最初の2戦は燃費作戦になれていなかったからうまくできなかったけど、今回は比較的多く燃料をセーブすることに成功したよ。経験豊富なエンジニアのマイケル・キャノンと、戦略担当のロブのおかげで上手くいったんだ。今日の結果はとても嬉しい」
主な注目のポイント
セバスチャン・ブルデイがキャリア25勝目を上げ、ゴードン・ジョンコックと並びチャンプ・カー史上最多優勝記録で11位に浮上した。
ブルデイはヒューストンのチャンプ・カー・イベントで、2回優勝した初めてのドライバーとなった。
グラハム・レイホールは18歳3ヶ月18日で表彰台フィニッシュを飾り、チャンプ・カーの史上最年少記録を更新。アンドリュー・レンジャーが2005年のメキシコ・モンテレイでマークした記録を破った。