CHAMP CAR

チャンプ・カー・ワールド・シリーズ第12戦ロード・アメリカ[2日目]フォト&レポート

<US-RACING>

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ルーキーのクラークが自身初となるポール・ポジションを獲得した。昨日、スリック・タイヤで予選終盤に走行するというギャンブルは、今日の雨も見方に付けてみごと初めてのポール獲得に繋がった。ドライ・コンディションで行われた午前中のプラクティスで、クラークは14位とそれ程ふるわず、そのまま予選を迎えることになれば、間違いなくポール・ポジションにはならなかっただろう。しかし、思惑通り雨が降り出し、クラークも嬉しかったのでは? 「予選ではただ待つだけだった。もし、路面が乾いたら出走したけれど、その必要はなかったよ」と、話すクラーク。また、記者会見で「明日のレースで雨が降ったとき、スウォルスマンとクラークはヨーロッパ出身だからいいスタートができるのでは?」という質問に、イギリス出身のクラークは「イギリスでは常に雨が降っているイメージを持っていると思うけど、それほど降ってはいないよ。でも、確かに雨のレースは得意だから、雨が降ったらいいね」と応えていた。チームメイトで先輩のフィリップはミルウォーキーで表彰台にあがる活躍を見せ、ルーキーのクラークはポール・ポジション獲得で存在をアピール。明日のレースでは、初の表彰台入賞となるか?

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最終予選は雨に翻弄されることになった。雨が止んだかと思えば、また降りだす始末で、結局路面は乾くことなく、終始レイン・タイヤでの走行となった。この最終予選でトップタイムを記録したのは、チャンピオンシップのかかっているブルデイ。タイムは2分6秒と暫定ポールのタイムには遠く及ばなかった。しかしこのセッションでトップとなったので、ブルデイはフロント・ローからのスタートを確保。決勝は外側のグリッドからスタートする。現在311ポイントでランキング1位のブルデイと、248ポイントで2位のウイルソン、オールメンディンガーとの差は63ポイント。今回のレースを含め3レースだけとなるが、もし、明日のレースでブルデイが優勝した場合、ランキング2位の2人のドライバーは4位以上でフィニッシュしなければならない。単純にランキング2位の2人がブルデイより上位でフィニッシュすれば、ブルデイのチャンピオンを阻止できる。とにかくこのレースが終了した時点でブルデイとランキング2位のどちらかに70ポイント差がつけば、ブルデイの3年連続チャンピオンが決定するのだ。ロード・アメリカのレースは波乱が起きやすいだけに、明日のレース結果が楽しみ。

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二日目は雨が止み、朝のうちは晴れ間も見せたエルクハート・レイク。気温は午前10時30分の時点で18度まで上昇し、それ程寒さは感じなかった。午前のプラクティスは、路面も乾いた状況で行われ、全車がスリック・タイヤを使用していた。タイムも大幅に短縮し、このセッションでトップとなったブルデイは1分42秒台を記録する。午後からは懸念していた雨が降り始め、降ったり止んだりを繰り返して予選に突入。結局、路面はウエット・コンディションとなり、レイン・タイヤでの走行を余儀なくされた。明日の天気予報によれば雨が降ることはなく、晴れ時々曇りとなっているだけに、明日のウォーム・アップ走行でのポジションがレースの結果に反映されることになるだろう。

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昨日、予選開始前の10分間に“2007 DP01 CHAMP CAR”のデモンストレーション走行が予定されていたが、天候が悪化したために中止となった。2日目も同じ時間に走行する予定となっていたが、雨が降り出したため今日も走行しないのでは? と、心配しながら撮影の準備をしていた。すると、若干、路面は濡れていたものの、見慣れないチャンプ・カーがターボ・エンジン音を響かせ、ロード・アメリカのサンダー・バレーと呼ばれる上り坂を力強く駆け上がっていった。“2007 DP01 CHAMP CAR”がとうとうサーキットでそのベールを一般に公開した。わずか3周だけの走行となったが、走行を終えると観客の中からは拍手が起こっていた。明日のレースではこのマシンがペース・カーと共にスタート前のウォーム・アップランでチャンプ・カーを先導する予定。各チームがカラーリングしたこのニューマシンを、早く見たいものだ。