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チャンプ・カー・ワールド・シリーズ第11戦モントリオール【二日目】フォト&レポート

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これまで幾多のチャンピオンを輩出してきた名門のニューマン・ハース・レーシングにとって、これが記念すべき100回目のポール・ポジションとなった。ブルデイ自身通算25回目のポールであり、長いチームの歴史の中で、彼は実にその4分の1も貢献したことになる。しかも現時点において、まだチャンプ・カーで4シーズンを終えていない短いキャリアでこれを達成しているのだ。今回、ラスト・ラップにダメ押しのトップ・タイムを叩き出してポールを確実にした瞬間、スタンドからは大歓声が上がった。さらにピットに戻ったマシンからブルデイが降りると、観客の興奮は頂点に。彼はそれに応えるかのようにマシンの上に立ち上がり、何度も観客席に向かってVポーズを見せ、みんなが応援してくれたおかげだ、と言わんばかりにお辞儀をして感謝の気持ちを表していた。午前中のプラクティスでフロント・ウイング破損によるクラッシュに遭遇し、マクドナルド・カーにダメージを追っていたブルデイ。チーム・スタッフの懸命な努力で元通りに修復されたマシンを駆ってのポールとなっただけに、その喜びもひとしおだろう。

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昨日の記者会見でトレイシーの事を聞かれ、不機嫌になったブルデイ。今日は今日で、なかなかシビれる一幕があった。予選トップ3はデンバーと同じで、またしてもランキングのトップ3だったのだが、「この順番だと、デンバーと同じように優勝はイタダキだな」とAJ。すかさずブルデイが、「またチームメイトの助けを借りてポイント差を縮めるのかな?」と切り替えし、AJはAJで「後の、はるかかなたのことは、よくわならないな〜」と応戦。隣のウイルソンを含む、会見場の中は大爆笑となった。まあ、内容はかなりきわどいものだったが、こういうのをなごやかに笑い飛ばすのが、大人ってもんですね。

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今日の朝の地元新聞のひとつは、昨日の暫定ポールだったブルデイではなく、なんとトレイシーが一面だった。メディアはこのバトルをもっと煽ろうとしているようで、トレイシーの暴れんぶりをレポート。もう、怖いものなしのトレイシーは地元の観客をアオリっぱなしで、今回も妙な被り物で挑発していた。なんでもこれはモントリオールがあるケベック州のマークらしい。ちなみにモントリオールの住民の大半はフランス系であり、第一言語をフランス語とするが、ほとんどの住民が英語も話す。実はパリに次いで世界第二のフランス語都市だったりするのだ。ピットでもトレイシーが出てくるたびに、ブーイングの嵐。とても同じカナダ人どうしとは思えないです。はい。

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地元モントリオールに凱旋したタグリアーニは、今回スペシャル・カラーのヘルメットで参戦していた。左側は1976年のモントリオール・オリンピックにちなんだデザインで、右はジル・ビルヌーブのヘルメット・デザインをアレンジしたものだそう。尊敬する地元の名ドライバーにあやかったということだが、ならばビルヌーブ同様、もっとアグレッシブな走りを見せて欲しいところ。今回は12番グリッドからのスタートで、追い上げはちときびしいか。