<US-RACING>
ポートランドではチーム移籍後いきなり初優勝を飾り、前回のクリーブランドで2連勝を達成してしまったオールメンディンガーが、金曜日の第一予選で暫定ポール・ポジションを獲得した。今シーズン、予選後の記者会見では常連となりつつある彼だが、その顔にはリラックスした表情が多く見られるようになった。記者会見で隣に座ったフィリップに「やはり速さの秘訣はレッドブルか」と聞かれるとすかさず、「もちろんさ!君も試してみるか?でもセバスチャンもいつも長いチューブのついた特殊ドリンクを愛用しているから、フランス人の君はそっちを試してみるのもいいかもしれないね」と切り替えしていた。
今年でシーズン3年目を迎えたフィリップが、自己ベストの予選結果となる3番手のタイムをマークした。第4戦ミルウォーキーで初表彰台に上がり、前回のクリーブランドでもコンスタントに上位を走行して一時トップに立つなど、着実にそのパフォーマンスを上げている。この予選でもあえてレッドタイヤを使用せず、2スティントともブラック・タイヤで攻めている。最終予選ではオルタネート・タイヤのチョイスがあることが確かなので、ライバルたちの動向を見てタイムアップしてくることが予想できる。
地元トロントでの予選初日では、惜しくもトップ3を逃して4位に終わったトレイシー。今シーズンは開幕戦から度重なるアクシデントで、6戦を終了した時点で完走率50パーセントと不本意な成績の結果、ランキングでは11位と低迷している。これまでトロントでは2勝を挙げている彼だが、昨年はトップを走行しながらも好敵手ブルデイと絡みリタイアに終わっている。それでもレースウィーク直前の地元メディアとの懇談会では、「どのプロフェッショナル・スポーツの世界でも、スランプという時期があるのは仕方がないことだ。望みがある限りチャンピオン争いに返り咲く希望は捨てないよ」とクールにコメントしている。