<US-RACING>
午前中は厚い雲に覆われ肌寒い気候となったポートランド。午後から晴れ間が見え始めると、予選が始まる頃には快晴となった。気温も24度まで上昇し、若干蒸し熱くなった午後2時10分に35分間の最終予選がスタートした。予選では各チーム早いうちからオルタネート・タイヤを使用してタイム・アタックを行うと、次々にタイムが更新されていく。昨日、暫定ポールを確定しているオールメンディンガーが残り9分でトップに躍り出、誰もがオールメンディンガーのポール獲得かと思った最終ラップにジュンケイラが僅か0.008秒差で逆転した。ピットに戻ってきたジュンケイラは2004年のロング・ビーチ以来となるポール・ポジションを獲得し、チームクルーをはじめ、オーナーのポール・ニューマンと共に喜んでいた。この予選で3位となったボウデイも予選直後にチームメイトの約2年振りのポール・ポジションを祝福しにきていた。
チームメイトだったオールメンディンガーは、昨年同様2位フロントローからのスタートとなったが、昨年ポール・ポジションを獲得したウイルソンは、予選4位という結果になった。昨年はルースポートのワンツートップでスタートしたレースだが、今年はウイルソンが4位、チームメイトのダ・マッタが5位からスタートする。ダ・マッタは午前のプラクティスで7位となり、予選ではさらにポジションを上げることに成功。オールメンディンガーほどではないが、新チームとの関係が徐々に良くなっていることがうかがえた。昨年はポールからトップを走行していたものの、メカニカルトラブルでリタイアとなり優勝を逃したウイルソン。今年は4位からスタートだが、ファイナル・プラクティスではトップとなり優勝を狙える仕上がりになっている。昨年のウイナー、ダ・マッタに関しても同様にチャンスは十分あるだろう。ニューマン/ハース、フォーサイスの2チームがトップ3を占めているが、ルースポートの逆転劇に期待したい。
金曜日のプラクティス終盤のターン11で、マシンがひっくり返るほどの大クラッシュを喫してしまったセルビアは、土曜日午前のプラクティスでまたしても同じコーナーで単独クラッシュをし、マシンにかなりのダメージあたえてしまった。午後の最終予選までの短い時間でチーム・スタッフはマシンを修復、かろうじてタイムアタックに挑むことになった。フロント・ノーズ・コーンとリアウイング・アッセンブリはレッグの予備パーツを使用して、サイド・ポンツーンにはスポンサーのロゴなしで、かなりのつぎはぎマシンとなってしまった。もうこれ以上マシンを壊すことを許されないであろうセルビア。決勝レースではクリーン・スタートを決めて無事レースを終了してほしいところだ。
最終予選で3列目6番グリッドと自己ベストを大幅に更新したクラーク。もちろん7名のルーキー中トップタイムだった。「嬉しい予選結果だね。6番グリッドはいいポジションだ。経験豊富なチャンプ・カーのベテランに囲まれてスタートできるわけだが、同時に細心の注意も必要だろう。長いレースだからスタートでは無理をせず、トップ6圏内をキープしてできるかぎりのポイントを獲得したい」と、予選後に話した。前回のミルウォーキーでCTEレーシングHVMはフィリップによる3位表彰台を獲得したばかりで、今回も今シーズンのベストポジションからスタートと、チームは徐々に波に乗ってきているようだ。