CHAMP CAR

ブルデイが開幕戦で獲得可能な全ポイントを独占し、タイトル防衛へ向けて好スタート

<Champ Car World Series>
天国でテッド・ホーンが微笑んでいることだろう。
二度のブリヂストン・プレゼンツ・ザ・チャンプ・カー・ワールド・シリーズ・パワード・バイ・フォードの覇者セバスチャン・ブルデイ(#1マクドナルド・フォード-コスワース/ローラ/ブリヂストン) は驚異的なホーンの足跡をたどるように、週末に行われた開幕戦のロング・ビーチ・グラン・プリでの最大獲得ポイントの全てを独占した。ブルデイは大勢の観客の前で74ラップのレースを完全制覇して見せた。キャリア17度目の優勝を挙げた彼は、シリーズ史上ただ一人3年連続のチャンプ・カー・タイトルを獲得しているテッド・ホーンの記録にならびかけようとしている。
ブルデイは74周のレースのうち70周をリード。ジャスティン・ウィルソン(#9CDW・フォード-コスワース/ローラ/ブリヂストン)との差を14秒096まで広げ、今シーズンの初勝利を手にした。このニューマン/ハース・レーシングのドライバーはレース中の最速ラップも記録、週末にチャンプ・カー・ドライバーが手にすることのできる最大35ポイントの全てを獲得した。
彼はウィルソンに8ポイント、アレックス・タグリアーニ(#15オージー・ヴィンヤーズ・フォード-コスワース/ローラ/ブリヂストン)に10ポイントの差をつけチャンピオンシップをリードする。タグリアーニは3位となり、チーム・オーストラリアに表彰台をもたらした。また、このレースで特筆すべきは、キャサリン・レッグ(#1オプティウム/ベル・マイクロ・フォード-コスワース/ローラ/ブリヂストン)が8位に入賞し、チャンプ・カー女性ドライバーの最高記録を更新したことだ。
1周目のターン1で予選トップ8のうち4台がクラッシュ、この時点でブルデイにとってはがぜん有利な展開となった。ポール・トレイシー(#3インデック・フォード-コスワース/ローラ/ブリヂストン)、A.J.オールメンディンガー(#10ルースポート・フォード-コスワース/ローラ/ブリヂストン)、オリオール・セルビア (#6ガルフストリーム/ベル・マイクロ・フォード-コスワース/ローラ/ブリヂストン)、そしてブルーノ・ジュンケイラ(#2ホール・イン・ザ・ウォール・キャンプ・フォード-コスワース/ローラ/ブリヂストン)が相次いで接触。彼らのレースは1周目のターン1であえなく終了となった。ターン1の内側につけたトレイシーを、チームメイトのマリオ・ドミンゲス(#7インデック・フォード-コスワース/ローラ/ブリヂストン)が追突。トレイシーのマシンはインサイドのウォールに当り、跳ね返ったところで他のマシンと衝突した。
ブルデイとウィルソンは接触したマシンを避けて進み、1位と2位の座を確保した。その間にタグリアーニが7位から一気に3位へと浮上。さらにウィル・パワー(#5オージーヴィンヤーズ・フォード-コスワース/ローラ/ブリヂストン)とドミンゲスが続いた。ブルデイはウィルソンに対し5秒の差をつけ、今シーズンの速さの片鱗を見せつけた。しかし、13周目にダン・クラーク(#14CTE・レーシング・HVM・フォード-コスワース/ローラ/ブリヂストン)がスピンしてターン1のタイヤバリアに激突。このフル・コース・コーションにより2人の差が一気に縮まった。
コーション終了から12周後、ブルデイがウィルソンを5.8秒リードする一方で、ジミー・バッサー(#12・フォード-コスワース/ローラ/ブリヂストン)がコース上でストール、再び2人の差がなくなった。それにもかかわらず、ブルデイは27周目から6周後にはウィルソンとの差を6秒まで広げた。しかしドミンゲスと争っていたパワーがターン1でオーバーランを喫しマシンをストール、フル・コース・コーション提示で一旦ひらいた2人の差はまたしても消滅した。
再スタートで後続を引き離したブルデイは、燃料をセーブする作戦を捨てて最速ラップをマークする走りを披露。その後、一旦リードを譲ることを考慮しながらも、あえてグリーン・フラッグ下でのピット・ストップを行った。ブルデイは46周の時点でウィルソンとタグリアーニに対して7秒のリードを築いていた。ドミンゲスとクリスチアーノ・ダ・マッタ(#19サニーズ・BBQ・フォード-コスワース/ローラ/ブリヂストン)はブルデイがピット・インした次の周にピット・イン。ダ・マッタは安定した走りを見せ、彼が様々な障害を乗り越えてチャンプ・カーのタイトルを獲得したときのように、予選10番手グリットからポジションを上げていった。
ブルデイがこの日リードを許したのは唯一ピット・ストップ中で、ヤン・ヘイレン(#11サニーズ・BBQ・フォード-コスワース/ローラ/ブリヂストン)に対する1度だけだった。ヘイレンのリードは、ルーキーのアントニオ・ピッツォニア(#8ロタックス/ロケットスポーツ・フォード-コスワース/ローラ/ブリヂストン)がターン1で止まり、このレース最後のコーションが出たことで長びいた。ヘイレンはコーションの終わりに近づいたときにピットへ入り、ブルデイが再びトップに返り咲き、後続を引き離しにかかった。
ブルデイはウィルソンの追走を振り切ったうえ、ルースポートのドライバーがラップ61から64までの4周連続で自己最速ラップを更新する走りを見せながらも、リードを拡大。一方ウィルソンもタグリアーニとのポジション争いを展開し、2位表彰台の座を手にした。タグリアーニはドミンゲスを抑えて3位表彰台を獲得して4年連続でロング・ビーチのトップ5フィニッシュを達成、ダ・マッタは5位となった。
アンドリュー・レンジャー(#27タイド/マイ-ジャック・フォード-コスワース/ローラ/ブリヂストン)はスタートから10ポジション上げて6位入賞、ヘイレン、レッグ、パワー、ピッツォニアはトップ10に入った。ヘイレンはレースをリードしたことによるボーナス・ポイントをゲット、ルーキー・オブ・ザ・イヤーのポイント・スタンディングでレッグに対し3ポイントの差をつけ、現在トップに立っている。
次回第2戦は、チャンプ・カー・グラン・プリ・オブ・ヒューストン。リライアント・スタジアムと歴史的なヒューストン・アストロ・ドームを取り囲む駐車場に設置される新コースで、バトルを展開する。レースはシリーズ史上2度目となるロード・コースでのナイト・レースで、5月11日から13日まで開催される。
トップ3ドライバーのコメント:
セバスチャン・ブルデイ:
「ポイントランキング上の結果としては、これ以上ない最高の結果だったことは確かだ。獲得しうる最高のポイントを獲得したことのみならず、3人の強豪ドライバーがノーポイントに終わったからね。幸先の良いシーズン開幕となった。観客の入りもよかったようだ。今日はかなりの大観衆を見ることができた。ロング・ビーチの皆さんとブリヂストン、それにシリーズ関係者へは、レースを開催してくれたことに対してお礼を言いたい」
ジャスティン・ウィルソン:
「いいレースだった。クルーはレースウィークを通してとてもハードな仕事をこなし、戦闘力の高いマシンに仕上げてくれた。僕らはセット・アップを煮つめるために多くの変更を行った。表彰台という結果を生み出すための努力をおしまず注いでくれたことに対して感謝したい」
アレックス・タグリアーニ:
「強豪チームと同等に渡り合うためにはやるべきことが数多くあるが、そこへは着実にたどり着きつつある。いくつかの変更に加え、予算の許す限り、このチームに欠けている要素を補足していけるかどうかは我々しだいだろう。その時点から、徐々に差をつめていく努力を続ける必要がある」
特筆すべき注目点
●この日セバスチャン・ブルデイはチャンプ・カー・キャリア通算17勝目を挙げ、ラルフ・マルフォードとダニー・サリバンに並ぶ、歴代20位にランクされた。この勝利は彼にとって10回目のポール・トゥ・ウィンで、歴代ランキングはポール・トレイシーと並ぶ10位となった。
●クリスチアーノ・ダ・マッタは5位に入賞。これは長きにわたってチャンプ・カーへ参戦してきたデイル・コイン・レーシングにとってロング・ビーチでの最高位フィニッシュである。
●デイル・コイン・レーシングのヤン・ヘイレンは、4周にわたってレースをリードした。これはロング・ビーチにおけるルーキーとしては、2000年の黒澤琢也が7周トップ走行した日以来のことである。
●これまでの歴代女性ドライバーによるチャンプ・カーでの最高位フィニッシュは、1978年のインディアナポリス500でジャネット・ガスリーが記録した9位。今日のレースでキャサリン・レッグはその記録を更新する8位に入賞した。