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●チャンプ・カー・ワールド・シリーズ第2戦モンテレイ【決勝】大波乱のレースを制してジュンケイラが今季初優勝

<US-RACING>
気温36度の猛暑の中、76周のレースでコーション・フラッグが9回、合計32周に渡ってフル・コース・コーションとなった第2戦。ポール・ポジションのボウデイとトレイシーが激しいトップ争いを披露するも、両者は接触して戦線離脱を余儀なくされる。ピットストップのタイミングを換えてギャンブルに出たルーキーもいたが、最後はベテランならではの安定した走りを見せたジュンケイラが勝利した。
●レース・ノート
コースレコードを記録したポールシッターのボウデイは、レース・レコードも保持している。レース中のファステスト・ラップも、同じくボウデイが昨年記録した75.021秒。
2時47分、全車いっせいにエンジンスタート、ポール・ポジションのボウデイを先頭にペースラップに入る。
Lap 1:グリーン・フラッグ。ボウデイがトップでターン1へ入り、後方でトレイシーがウィルソンをパスして2位に上がる。上位6名のドライバーが、ターン1の進入までに数秒間プッシュ・トゥ・パス・ボタンを使用。
Lap 2:ドミンゲスがターン1のグリーンに乗り上げ、6位のポジションをセルヴィアに明け渡す。ドミンゲスはそのままグリーンを横切りコースへ復帰してレースを続行するが、10位までポジションを下げる。その間、ヴァッサーとオールメンディンガーがオープニングラップで順位を上げる。
Lap 4:ボウデイが1.143秒差でレースをリード。4位走行のタグリアーニがジュンケイラに詰め寄られる。
Lap 6:ボウデイが1.057秒差でトレイシーをリード。オールメンディンガーが7位のダ・マッタに対して、プレッシャーをかける。トップ3のマシンが4位以下に対して4秒以上の差をつける。
Lap 9:フルコース・コーション。15位走行のグロックがターン5で単独スピンしてコース上に停止。この日最初のフルコースコーション。スペラフィコがピットインしチーム・クルーがフロント・サスペンションを確認する。グロックはピットインしてタイヤ交換を行う。
Lap 13:グリーン・フラッグ。再スタート時の順位は、ボウデイ、トレイシー、ウィルソン、タグリアーニ、ジュンケイラ、セルビア、ダ・マッタ、オールメンディンガー、ヴァッサー、ドミンゲス。スペラフィコが2周遅れでコースに復帰する。ヴィルトハイム、マーシャル、ゲテルス、スペラフィコ等がフルコースコーション提示直後のピットレーン進入禁止下でピットインしたため、集団の最後尾へと下げられる。
Lap 14:ブレマーがターン6右外側のグリーン上に停止。ハーフシャフトの破損が原因。
Lap 16:フルコース・コーション。ブレマーのマシンをコースサイドから撤去する。順位は、トップがボウデイ、トレイシー、ウィルソン、タグリアーニ、ジュンケイラ、セルヴィア、ダ・マッタ、オールメンディンガー、ヴァッサー、ドミンゲス。
Lap 18:フィリップとヴィルトハイムを除く全車が同時にピットイン。トレイシーがボウデイを抑えて一足先にピットアウト。ピットインしなかった二人に続き、3番手でコースに復帰する。グリーン・フラッグが振られてレース再開。フィリップが自己キャリア初となるトップを走行する。トレイシーの前には2台の周回遅れが走行。
Lap 19:ジュンケイラがターン10でタグリアーニをパスして5位に上がる。トップはフィリップ。
Lap 21:スペラフィコがターン11で単独スピンを喫してストール。この日3度目となるフルコースコーションが提示される。
Lap 22:セルヴィアが2回目のピットイン。だがピットレーン進入禁止時にピットインしたことで、集団の最後尾に下げられた。
Lap 24:グリーン・フラッグ。順位はフィリップ、ヴィルトハイム、トレイシー、ボウデイ、ジュンケイラ。ゲテルスがスローダウンして、ターン2からターン3の間で左側にマシンを止める。
Lap 25:フィリップがリードを保つものの、周回遅れを取り戻そうとするグロックが背後に迫る。ヴィルトハイムがその後ろ1.553秒につける。
Lap 26:トップから12位までのタイム差は10秒以下と僅差。
Lap 28:グロックがここまでのファステスト・ラップをマークする。
Lap 29:フィリップがトップの座からピットイン、代わってヴィルトハイムがトップに上がり、2位のトレイシーに対して1.199秒の差をつける。グロックがレース中のファステスト・ラップ、76.002秒を記録。フィリップが15位でコースに復帰する。
Lap 31:グロックが引き続きファステストラップを更新。タイムは、75.397秒
Lap 32:フルコースコーション。ターン10でスペラフィコの右後輪が脱落してマシンがコースの右側に停止。
Lap 35:セルヴィアが2度目のピットストップを行う。
Lap 36:グロックが2度目のピットインを行う。
Lap 37:グリーン・フラッグ。再スタート時の順位はヴィルトハイム、トレイシー、ボウデイ、ジュンケイラ、タグリアーニ、ウィルソン、レンジャー、ダ・マッタ。ヴィルトハイムとトレイシーが、フロントストレートでサイド・バイ・サイトのバトルを展開。両者ともプッシュ・トゥ・パス・ボタンを使用するが、ここではトレイシーがヴィルトハイムをパス。ボウデイは3位をキープする。
Lap 38:フルコースコーション(5回目)。 ヴァッサーがターン1でスピンしてストール。マーシャルもスピンするがそのまま続行する。このあとマーシャルはピットへ戻り、リタイアとなった。
Lap 39:ヴィルトハイムが2位のポジションでピットアウト。ヴァッサーもピットアウトする。
Lap 41:グリーン・フラッグ。再スタート時の順位は、トレイシー、ボウデイ、ジュンケイラ、ヴィルトハイム、ウィルソン、タグリアーニ、ダ・マッタ、レンジャー、オールメンディンガー、ハンター-レイ。
Lap 42:トレイシーが0.942秒差でボウデイをリード、ジュンケイラはその2.870秒後ろを走行。トレイシーはこの時点でレース中のトップ周回数がキャリア通算3700周目を記録した。
Lap 45:トレイシーが0.798秒差でボウデイをリード。ヴァッサーとグロックがコンタクトしてヴァッサーのマシンがコース上にストール。ここでこの日6度目のフルコース・コーションが提示される。ピットはオープン。
Lap 47:トップから10位までのマシンがピットイン。ピットレーンではトレイシーがボウデイの前の位置をキープ。フィリップとヴィルトハイムはピットインせず。グリーン・フラッグの再スタート時でフィリップがトップに立つ。以下ヴィルトハイム、セルヴィア。グロックはヴァッサーとのコンタクトが回避可能であったとの審判が下り、ストップ・アンド・ゴーのペナルティを科せられる。ウィルソンがピットアウトの際にストール、順位を5つ落とす。
Lap 48:グリーン・フラッグ。ターン5でコンタクト。ボウデイがトレイシーにパスを仕掛けて2台が接触。ボウデイの右後輪がトレイシーの左前輪に乗り上げた結果、トレイシーの左フロント・サスペンションに致命的なダメージ。ボウデイは右後輪タイヤを破損してピットイン。トレイシーはリタイアとなる。コースはグリーン・フラッグのままレースは続行。ボウデイは12位でレースに復帰する。同時にダ・マッタが何台かのマシンを避けようとして13位まで後退する。
Lap 51:グロックがストップ・アンド・ゴー・ペナルティを消化すべくピットインする。
Lap 53:フィリップが3.776秒差でヴィルドハイムをリード。その後ろには6.471秒差でセルヴィアが3位につける。
Lap 55:ジュンケイラがプッシュ・トゥ・パスを使用してセルヴィアをパス、3位に上がる。コース上に残っているマシンはこの時点で、少なくとも残り29秒以上のプッシュ・トゥ・パスを使用可能だ。
Lap 56:ヴァッサーがドミンゲスとの接触でサスペンションを破損し、コースサイドにマシンを寄せる。アクシデントはターン5で発生。ここで7度目のフルコース・コーション、両者はともにリタイアとなる。
Lap 59:トップのフィリップがピットイン。代わってヴィルドハイムがレースリーダーとなる。以下セルヴィア、ジュンケイラ、タグリアーニ、オールメンディンガーと続く。セルヴィアは60秒以上のプッシュ・トゥ・パスを残している。
Lap 61:グリーン・フラッグ。オールメンディンガーがタグリアーニの横に並び、ターン1でこれをパス。レンジャーもこれに続き5位に上がる。オールメンディンガーはパス完了後、縁石に乗り上げる走りでポジションを死守する。セルヴィアがターン12の出口付近で単独スピン。真後ろにいたジュンケイラはこれをうまくすり抜け、3位にポジションアップした。さらにその後ろにいたオールメンディンガーは、危うくセルヴィアのスピンに巻き込まれそうになったが、これを回避する際に失速してレンジャーに先行を許す。ウィルソンもここで4位まで躍進する。
Lap 63:オールメンディンガーが単独スピンを喫してストール。ここで8回目のフルコース・コーションとなる(モンテレイのレースでは新記録)。
Lap 65:チャンプカー・レースコントロールが、タイムレースではなく、フルディスタンスで行われることをアナウンスする。
Lap 67:グリーン・フラッグ。再スタート時の順位は、ヴィルトハイム、ジュンケイラ、レンジャー、ウィルソン、タグリアーニ、ハンター-レイ、ボウデイ、ダ・マッタ、フィリップ、グロックのオーダー。セルヴィアはスピンのあと11位まで後退する。
Lap 67:タグリアーニがウィルソンをパスして4位に上がる。ジュンケイラはトップのヴィルドハイムに迫りプレッシャーをかける。
Lap 68:ヴィルトハイムが縁石に乗り上げた直後スローダウンし、ジュンケイラとレンジャーがこれをパスしてトップと2番手に上がる。ジュンケイラはこの日初めてトップに立った。
Lap 69:フルコース・コーション(9回目)。フィリップとグロックがターン1で接触、2台ともコース上でストールしてしまう。チャンプカー・セーフティ・チームはコースをクリアするために2周を要する。
この日の観客動員数が発表され、日曜日で11万1