<US-RACING>
予選では4番手と昨年の勢いが見られなかったボウデイだが、いざレースになると、やはりディフェンディング・チャンピオンが底力を発揮した。スタートでは無難に4番手をキープし、最初のピット・ストップでひとつポジションをアップ。35周目のリスタートでは2番手に順位を上げる。ハイグリップタイヤに換えていたボウデイは、その3周後にターン1でトレイシーをパスすることに成功すると、後続との差をどんどん広げていった。2回目のピット・ストップでいったんは後退したが、再びトップに返り咲き、81周目のスタート&フィニッシュラインをトップで通過したボウデイ。表彰台に揃った3人は、順位こそ違うものの昨年のトップ3と同じ顔ぶれだった。今シーズンもこの3人を中心にチャンピオンシップが争われることになると思うが、この3人に挑む新たなドライバーが現れることも期待したい。
ポールからスタートしたトレイシーだが、3周目の最終ターンでミスしたところをジュンケイラにパスされてしまった。しかし10周目に再び追い抜くことに成功し、トップで周回を重ねる。トレイシーの独走はピット・ストップをはさんで37周まで続くことになるが、もう一人のニューマン・ハースのドライバー、ディフェンディング・チャンピオンのボウデイにパスを許してしまう。その後は昨年のチャンピオンに追いつくことが出来ず、結局2位でレースをフィニッシュ。3年連続優勝を果たすことは出来なった。一方、一時トップを走行していたジュンケイラだが、1回目のピットストップ後に5番手まで後退。しかし徐々にポジションを上げると、76周目には3位まで復活してレースを終える。見事2年連続表彰台を獲得することになった。
4位フィニッシュとあと一歩で表彰台を逃したウィルソン。今シーズンからルー・スポーツで参戦することになり、昨年ルーキー・オブ・ザ・イヤーを争ったオールメンディンガーとチームメイトになった。ルーキー・オブ・ザ・イヤーはオールメンディンガーの手に渡ってしまったが、この開幕戦ではウィルソンが上位。今シーズンはこのチームメイト同士の争いも見物のひとつだ。一方、昨年はエアデズ(現HMV)から参戦していたドミンゲス。F1に転向する噂もあったが、今シーズンもチャンプ・カーをドライブすることになった。名門フォーサイス・チャンピオンシップ・レーシングから参戦することになり、チャンピオン・ドライバーのトレイシーとチーム・メイトに。初めてのチームで5位フィニッシュと、今後の活躍に期待が高まる。
開幕前に行われたセブリングでの合同テストでトップ・タイムを記録したグロックが、ルーキーの最上位となる6位でフィニッシュ。ロケット・スポーツから参戦しているグロックは、今年から同チームに移籍したハンター‐レイよりもいいパフォーマンスを見せることになった。また、HVMから参戦するルーキーのブレマーもグロックに次ぐ7位でフィニッシュ。今年からエアデスのスポンサードが無くなってしまったチームは、今シーズン初開催されるアンサン(韓国)のロゴがマシンに描かれていた。開幕戦の結果からも分かるように、今年のルーキーは実力のあるドライバーがいるようだ。
快晴となった決勝日。午前9時からのウォーム・アップ走行の前に、開幕戦にエントリーした計19人のドライバーの集合写真撮影が行われた。今シーズンはウォーカー・レーシングがチーム・オーストラリア・レーシングに変わり、新たにカナダ人がベースとなるチーム、ジェンセン・モータースポーツが新規参入を果たした。また、7人のルーキーがエントリーし、ベテラン・ドライバーとチャンピオンシップを競うことになる。また、昨年までウォーカー・レーシングが使用していたレイナードを起用するチームは無くなり、ローラ一色。エンジン、シャシー、タイヤのすべてがワンメイクになり、真のイコール・コーンディションで争われることになった。昨年はニューマン/ハースがワンツーでスタートしたロング・ビーチだが、トレイシーが優勝。今年はトレイシーがポールからスタートし、ボウデイが勝った。昨年のようなアクシデントも無く、ターン1をスムーズに全車が通過した。