<US-RACING>
トレイシーとウィルソンのフロントロー・スターターがオープニング・ラップのアクシデントで早々にリタイア。波乱の幕開けとなった決勝レースでトップに立ったボウデイがレースをリード。97周のうち88周をトップで走行したボウデイが今シーズン2勝目を挙げた。2位にはジュンケイラが入り、ニューマン/ハース・レーシングは前回のポートランドに次ぐワンツーフィニッシュを達成、ランキングでも2位に躍進した。
夕方5時スタートの決勝レースは一周2.106マイルの仮設ロードコースを97ラップ、合計204.282マイルで競われる。各チームは義務付けられた3回のピットス・トップを84周目までに消化しなくてはならない。燃料の割当は、スタート前2周のパレード・ラップの分も含めて113.8ガロン(210.6マイル÷1.85マイル/ガロン)。
4時49分、ドライバー達がマシンに乗り込むように指示を受ける。
4時59分、“ジェントルメン、スタート・ユア・エンジンズ”の掛け声がかかる。
5時ジャスト、ペースカーの先導で18台のマシンが2周のパレード・ラップと1周のペース・ラップを開始。
5時6分:グリーン・フラッグ。ターン1の進入でウイルソンがタグリアーニのイン側から接触、同時にインに切り込んだトレイシーがウイルソンのマシンにヒット。ウイルソンはマシンにダメージを受けて停止する。フルコース・コーション下、セイフティ・チームがウイルソンのマシンを撤去。ウイルソンはそのままリタイアとなる。一方のトレイシーはマシンにダメージを受けながらも、レースを続行。クリーブランド戦はこれで5年連続オープニング・ラップのターン1でアクシデント発生となった。
Lap 1:ボウデイがカーパンティエ、オールメンディンガーを従え、オープニング・ラップをリード。
Lap 2:トレイシーがマシンのダメージを修復すべくピット・イン。しかし右アンダー・ウイングのダメージがひどく、即座に修理不能と判断しレース続行を断念。レース開始早々リタイアとなる。
Lap 5:グリーン・フラッグ。ジョルダインがドミンゲスを交して5位にポジション・アップ。フロント・ストレートで単独スピンを喫したタグリアーニが、ターン10をショートカットしてコースに復帰する。
Lap 6:トップ5の順位は、ボウデイ、カーパンティエ、オールメンディンガー、セルヴィア、ジョルダイン。
Lap 10:ハバーフェルドが6つポジションを下げ、13位に後退する。
Lap 11:ボウデイがカーパンティエに2.477秒の差をつけてレースをリード。
Lap 13:オールメンディンガーがターン8の立ち上がりで単独スピン。マシンが360°回転したあと、体勢を立て直してそのままレースを続行する。
Lap 14:オフィシャルから “ブロッキング”行為を指摘されたマッザカネが、ブラック・フラッグを受けてピットレーンに入り、ドライブスルー・ペナルティを消化する。
Lap 15:オールメンディンガーが早めのピット・インを行う。
Lap 17:ボウデイがここまでのレース中の最速ラップとなる59.154秒を記録する。13位スタートのセルヴィアが3位まで浮上。ここまでで最もポジションを上げたドライバーとなる。
Lap 20:この時点で4位を走行していたハンター-レイが、最初のグリーン・フラッグ下でのピット・インを行う。
Lap 21:2位を走行していたカーパンティエのマシンが、後方から大量の白煙を吹き上げながらピット・イン。カーパンティエはここでリタイアとなる。
Lap 22:ボウデイが自己のファステスト・ラップを更新する59.067秒を記録。2位のセルビアには15.287秒の差をつけている。
Lap 26:ボウデイがピットレーンに向かう。これによりセルヴィアがトップに立ち、今シーズン初めてレースをリードする。
Lap 28:トップのセルヴィアがピット・イン。代わってジョルダインがトップに立ち、こちらも今シーズン初めてレースをリードする。
Lap 29:ジョルダインがピット・インすると、ボウデイが再びトップに立つ。ジュンケイラもピット・イン。
Lap 31:ボウデイが2位ジョルダインに25.106秒の差をつけてレースをリードする。
Lap 32:ジュンケイラがセルビアをかわして3位に上がる。
Lap 35:ジュンケイラが2位のジョルダインに迫る。
Lap 36:ジュンケイラがジョルダインをパスして2位に上がる。
Lap 37:セルヴィアがジョルダインをパスして3位に上がる。
Lap 38:ハンター-レイがジョルダインをパスして4位に上がる。
Lap 40:ターン8でパーツの破片らしきものが確認されたためフルコース・コーション。トップ5の順位は、ボウデイ、ジュンケイラ、セルビア、ハンター-レイ、ジョルダイン。フルコース・コーションの直前、トップのボウデイは2位以下に35秒の差をつけていた。
Lap 44:グリーン・フラッグ。しかしセルヴィアと競っていたハンター-レイがターン4でスピンしたため、再びイエロー・フラッグが振られてフルコース・コーションとなる。
Lap 45:ハンター-レイがピット・イン。
Lap 47:ラヴィンが単独スピン。特にダメージがなくそのままレースを続行。ゴンザレスも同様にグリーン・フラッグを目前にスピンするが、そのまま続行する。
Lap 48:グリーン・フラッグ。ジョルダインがセルヴィアを交して3位に返り咲く。
Lap 48:オールメンディンガー、ゴンザレスがピット・イン。
Lap 51:ボウデイは2位のジュンケイラに5.830秒の差をつけレースをリードする。
Lap 53:ジュンケイラがこの日2度目のピット・インを行う。2位に上がったジョルダインと3位セルヴィアのとのポジション争いは、互いの差が1秒以内。
Lap 54:リーダーのボウデイがピット・イン、ジョルダインがトップに立つ。セルヴィアはドミンゲスと同時にピット・イン。しかしドミンゲスがセルヴィアを押さえて一足先にコースへ復帰する。
Lap 55:タグリアーニがセルヴィアをパスして5位に浮上。
Lap 56:タグリアーニがターン1でドミンゲスに仕掛けこれをパス、4位に上がる。
Lap 57:ヴァッサーがセルヴィアをパスして6位に上がる。
Lap 59:ヴァッサーがドミンゲスを交して5位に上がる。
Lap 59:レースをリードしていたジョルダインがピット・イン。ボウデイがトップに上がる。
Lap 60:59ラップ目、外壁にマシンをヒットしたジョルダインが、サスペンションを破損。スローダウンしたマシンがピットに入り、ジョルダインのレースはここで終わる。
Lap 66:ボウデイがジュンケイラを8.301秒リード、3位のタグリアーニには18.520秒の差をつける。
Lap 68:ここまでで4名のドライバー(タグリアーニ、ヴァッサー、ドミンゲス、ラヴィン)が“プッシュ・トゥ・パス”ボタンを使い切る。
Lap 70:ジュンケイラとタグリアーニが3度目最後のグリーン・フラッグ下でのピット・インを行う。
Lap 71:ボウデイがピット・イン。リードを保ったままコースへ復帰する。
Lap 74:ヴァッサーが2位のポジションからピット・イン。オールメンディンガーもピット・イン。
Lap 78:セルヴィアがトップのボウデイに2.330秒と迫る。
Lap 81:セルヴィアが2位のポジションからピット・イン。ハンター-レイがウォールに擦ったフロント・ウイングのマウントが緩みピット・イン。クルーがフロント・ウイングのアッセンブリーごと交換してコースへ復帰する。
Lap 84:ハバーフェルドがメカニカル・トラブルでピット・イン。ここでリタイアとなる。
Lap 86:トップと2位との差は18.986秒まで広がる。
Lap 90:トップ5の順位は、ボウデイ、ジュンケイラ、タグリアーニ、セルヴィア、ヴァッサー。
Lap 95:ジュンケイラが58.960秒のタイムをマークして、レース中のファステスト・ラップを更新する。
Lap 96:ホワイト・フラッグ。
Lap 97:チェッカード・フラッグ。
セバスチャン・ボウデイが2位以下に15.130秒の差をつけ優勝。ポートランドに引き続き、2戦連続の勝利を挙げた。昨年のクリーブランドでも優勝を飾っているボウデイは、このイベントで最多リードラップ歴代2位となる。ニューマン/ハース・レーシングは今季2度目のワンツー・フィニッシュを達成。3位に入ったタグリアーニは、自身とチームにとっての2004年最初の表彰台に上がった。
予選13番手からスタートしたセルヴィアは4位でフィニッシュ。レース中、最も順位を上げた彼は、途中トップを走行したことも加えてチャンピオンシップ・ボーナス・ポイントを獲得した。
ランキングでは依然ジュンケイラがトップ。今回メカニカル・トラブルでノーポイントに終わったカーパンティエに代わり、2戦連勝のボウデイが3ポイント差で2位に躍進。ニューマン/ハース・レーシングは、ポイント・ランキングでもワン・ツーとなった。次回の第6戦は一週間後。舞台をカナダへと移しオンタリオ州トロントで今年初の連戦開催となる“Monson Indy Toronto”
優勝したセバスチャン・ボウデイのコメント:
「自分の短いチャンプカー・キャリアの中で、多分今日のレースが最も楽に戦えた1戦だったと思う。スタート直後のターン1でアクシデントが発生したした時は、はっきりいって白煙で何も見えない状態だったんだ。とにかくインを狙って進入していったら、気がついたときには自分の周りには誰もいなかった。僕のマクドナルド・カーはレースウィークを通じてとても良い状態が続いた。これもチームの努力の結果だ。一年ぶりにここ(クリーブランド)に来て2年目の今年、2勝目を挙げることが出来たのは本当に感動的なことだ」
2位表彰台のブルーノ・ジュンケイラのコメント:
「困難の多い週末だったね。パシフィケア・カーはレースウィークに入った最初の頃はとても調子が良かったけれど、クラッシュしてから少し調子が狂ってしまったみたいだ。第一予選ではまずまずだったが、最終予選では遅い車を交すのに手間取ってしまって思うように行かなかった。セバスチャン(ボウデイ)とポール(トレイシー)のマシンの調子が良かったことは分かっていたから、今回は確実に表彰台を狙うことを考えていたんだ。レース中、ポジション・アップのためにパスをする時にほかのマシンと接触しないように、十分に注意を払った。レース中はチャンピオンシップ・ランキングでトップを維持するために、上手くペース配分をすることを心がけた。自分たちは安定したパフォーマンスを保ち、常に週末の目標は勝つことだ。近いうちに必ずシーズン一勝目を挙げることが出来ると信じている。次回のトロントが楽しみだ。あそこは自分の好みのコースだし、シーズン初優勝にはうってつけだ」
3位表彰台のアレックス・タグリアーニのコメント:
「今日のマシンは十分に速く、トラブルに巻き込まれずにレースを戦えると思った。でもそう上手くはいかなかったね。スタート直後にターン1への進入でギアをローに入れた際に、ブレーキをロックしてしまったんだ。それでタイミング悪くジャスティン(ウィルソン)と絡んでしまい、集団の後方に下がってしまった。プッシュ・トゥ・パス・ボタンを上手く使い、ラップタイムの短縮を図った。ピットス・トップでもチームの戦略で、一度にあまり多くの燃料を入れずにピット・アウトして、コース上ではトップに追いつくために、出来る限り単独走行をするようにした。今日の表彰台3位という結果は、次回のトロントに向かう自分自身とチームにとって、とても良い結果となったよ」