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チャンプ・カー・ワールド・シリーズ 第5戦 クリーブランド【二日目】レポート

<US-RACING>
昨日の第1予選終了後、数時間経過してから施行されたボウデイのペナルティにより、暫定ポールに繰り上がったトレイシーが最終予選も制覇。今季初のポール・ポジションをゲットした。2番手には、こちらも初のフロントローを手に入れた新人ウイルソン。ボウデイは午前中のプラクティスで最速タイムをたたき出しながら、3番手に終わっている。

■プラクティス3:ボウデイが58秒の壁を破り、予選前最後のプラクティスでトップへ

一度はボウデイのトップとなった昨日の第1予選。ボウデイ、トレイシー、ジュンケイラのトップ3で記者会見が終わったが、審議によってボウデイとカーパンティエの走路妨害が認定された。二人は予選アタック中に他車をブロッキングしたとし、最速タイムが剥奪されるペナルティを受けてボウデイは4番手へ、カーパンティエは9番手にポジションをダウン。この結果、トレイシーが暫定ポール・ポジション、2番手にジュンケイラ、3番手にハンター-レイにそれぞれ繰り上がった。

ペナルティ問題でゆれた第1予選から、一夜明けたイベント2日目。午後1時45分から、1時間15分間の最終プラクティスが開始された。まず飛び出したのは、ドミンゲスとウイルソン。二人は互いに最速タイムを塗り替えながら、記録を伸ばしていく。

プラクティス開始から30分たって、暫定ポールのトレイシーがコースイン。アタック開始10分で、それまでの自己ベストを塗り替える58.184秒でトップに立つ。だが、前日ペナルティを受けたボウデイが鬼神の走りでトップを奪取。この週末を通してのベストタイムとなる57.974秒を叩き出し、唯一の57秒台で最終プラクティスを制した。予選でもこの好調をキープできるか。2番手のトレイシーに続く3番手は、セルビアが入っている。

最終予選:トレイシーがトップタイムを連発。2番手にはウイルソンが健闘

気温27度と昨日よりも下がったが、高湿度に見舞われたクリーブランド。朝のプラクティスを見る限り、第1予選でトレイシーが記録した58.361秒を上回るタイムで争われるのは確実で、午前中のプラクティスでボウデイが記録した57秒台の戦いが、トップタイムの基準となりそうだ。

予選直前に行われる15分間のウォームアップ・ランでは、ジュンケイラを筆頭にボウデイ、ウイルソン、タグリアーニと続き、トレイシーは5番手のタイムを記録した。

10分間のインターバルを挟んで、午後2時10分に最終予選がスタート。暫定ポールを獲ってすでにフロント・ローを決定しているにもかかわらず、トレイシーが順調にタイムを短縮していく。開始8分で昨日の第1予選のタイムを上回り、その10分後には早くも57秒台に一番乗り。その後も自己タイムを更新する走りを見せ、最終的に57.546秒のトップ・タイムを叩き出してみせた。

残り10分を切り、各ドライバーが次々とアタックを開始。ボウデイとジュンケイラ、ウイルソンらが58秒台に突入する中、ついにハンター-レイがとトレイシーの順位が入れ替わる。だが、その直後にカーパンティエが逆転し、めまぐるしくトップが入れ替わる展開に。

トレイシーについで57秒台に入れてきたのは、ウイルソン。初のクリーブランドとなるルーキーのウイルソンだが、アグレッシブなトレイシーとは対照的にスムーズなドライビングで、2番手に上がっている。

トレイシーとの直接対決が期待されていた注目のボウデイだが、朝のプラクティスで好調だったマシンをチェンジした判断が裏目に出て、タイムが上がらず。アグレッシブな走りは健在だが、終了間際に記録したベストタイムすら、プラクティスでの自己タイムに及ばない。とうとう57秒台に突入する事はなく、最終予選は終了となった。
トレイシーは第5戦めにして今季初のポール・ポジションを獲得し、通算20回目の予選トップ。2番手のウイルソンはキャリア初のフロントロウ・スタートとなった。セカンドロウには悔しいボウデイ、予選4番手と大健闘のルーキー、オールメンディンガー。5番手のタグリアーニに続いて6番手となったジュンケイラがサードロウを獲得した。

明日の土曜日は、午後1時から30分間のウオームアップがあり、午後5時に決勝がスタートする予定となっている。