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チャンプ・カー・ワールド・シリーズ 第8戦 ポートランド【初日】レポート

<US-RACING>
■早めにタイムを出したジョルダインが予選トップ

アメリカ西海岸を舞台に2連戦となるチャンプカー・ワールド・シリーズ。第8戦ポートランドの初日は朝のプラクティスでトレイシーとタグリアーニがワンツーとなるも、その二人が予選の終盤に接触して赤旗中断。これで終盤にかけていたほとんどのドライバーはアタックできなくなり、暫定ポールポジションはジョルダインとなった。ロードコースながら、1秒以内に14台が入る接戦となっている。

■プラクティスはトレイシー&タグリアーニのカナディアンコンビがワンツー

先週のラグナ・セカとは打って変わり、晴れ時々雨(!)とめまぐるしく天気が変わったポートランドの初日。第1回目のプラクティスが始まろうとしていた午前9時29分の時点で気温は14度と肌寒く、今にも雨が降りそうなコンディションとなっている。予定どおり9時30分、グリーンフラッグでセッションがスタートし、記念すべき20回目のポートランドのレースが開幕。全車がいっせいにコースへと飛び出していった。

ラグナ・セカに続き今季4度目のロードコースとなる今回、このセッションでトップタイムをマークしたのは、ラグナ・セカで3位に入ったトレイシーの60.019秒。2番手はラグナ・セカで4位だったジョルダインJr.の60.249秒、3番手はラグナ・セカの覇者カーパンティエと、前戦の上位勢が今回も好調だ。上位7番手までがベテラン勢となり、それ以降13番手までがルーキー、トップから1秒以内は10番手までのボウデイとなっている。

50分のインターバルを置いて11時10分から始まった第2プラクティス。気温が21度まで上昇した中で、トップ・タイムをマークしたのはタグリアーニ。途中から雨が降り出したセッションで、タグリアーニはその前の6周目に60.138秒を記録したが、第1プラクティスのトレイシーのトップタイムには届かなかった。2番手はフェルナンデスの60.225秒と1回目のプラクティスとは違う顔ぶれが並び、3番手にはまたしてもジョルダインJr.が入った。

ここまでの結果を総合で振り返ると、トレイシー、タグリアーニといったカナダ勢がワンツーを決め、フェルナンデス、ジョルダインのメキシコ勢がそのあとに続いている。ルーキー最上位は今回からチャイナ・エアのスポンサードを得たマニングの7番手で、3人のルーキーを含む12番手までが1秒以内という結果になった。

■終盤の赤旗でほとんどのドライバーがアタックできず、ジョルダインがトップに

第2プラクティスは雨に見舞われたポートランドだったが、晴れ間も出て路面は徐々に乾き始めている。空は相変わらず晴れたり曇ったりだが、気温は17度まで下がってしまった。午後2時30分、予選前の最後の調整となる第3プラクティスからスタートし、7分後に今回からカマシアスの代わりに復活したサレスが、ターン1でスピンして追突。ハバーフェルドもターン7でコースアウトしたために赤旗と同時にチェッカーとなってセッションが終了した。このプラクティスではカーパンティが61.366秒でトップに立っている。

第3プラクティスが残り3分で終了し、13分のインターバルを経て午後2時50分から始まった予選。この間少し雨が降り、部分的に濡れた状態の中バッサー、ハンター‐レイ、カーパンティエらがアタックを開始。若いハンター‐レイが果敢に攻め、60.192秒までタイムをアップしてきた。しかし開始から7分後、同じルーキーのマニングがこの日初めて1分を切る59.798秒をマーク。続いてベテランのトレイシーも59秒台に入れる59.730秒を記録した。

開始から間もなく10分が経過しようとしていた午後2時59分、ラグナ・セカのウイナーであるカーパンティエとルーキーのハバーフェルドが、ターン11と12の間でコース・オフ。赤旗を出してセッションを中止させたペナルティとして、両者のトップタイムは剥奪されることになった。4分後の午後3時3分に予選は再開し、現時点でのトップ5はトレイシー、タグリアーニ、マニング、セルビア、ハンター‐レイ。

再開されて3分後、フェルナンデスが59.681秒でトップに浮上したかと思えば、同郷のジョルダインが59.652秒を出して上回る。勢いに乗るジョルダインはさらに59.457秒までアップし、その後を今度はバッサーが59.627秒で追うという展開になったが、バッサーは3時9分に59.433秒を出してまたもやトップが交代。しかしそのわずか1分後にジョルダインが59.397秒を叩き出し、見事トップに返り咲いてみせた。

3時22分、朝のプラクティスでワンツーだったタグリアーニとトレイシーが接触して赤旗中断。タグリアーニを牽引する間にセッションの残り時間が短くなったため、3時27分にチェッカードフラッグとなり、終盤にアタックしようとしていたほとんどのドライバーは残りの周回数を消化することなく予選が終了してしまった。もちろん、タグリアーニとトレイシーのトップタイムは剥奪となる。

早めにタイムを出していたジョルダインが暫定のポールポジションとなり、フロントローと1ポイントを確定。赤旗が出る前にバッサーのチームメイト、ルーキーのハンター‐レイが59.432秒までタイムを上げて2番手と大健闘したが、前戦のジョルダイン同様終了後の車検で最低重量違反が見つかり、タイム剥奪。2番手バッサー、3番手セルビアという順位になった。

朝のプラクティスでは12番手までが1秒以内だったが、今回は14台が1秒以内とより一層接近し、その中でルーキーは3人。ちなみに昨年は15台が1秒以内と、今年とほとんど変わっていない。今回はセッションの終盤で赤旗となったために、最後のアタックができなかったドライバーがたくさんいたことから、明日はまた違う顔ぶれとなりそうだ。