CHAMP CAR

チャンプ・カー・ワールド・シリーズ 第5戦 ラウジッツ【初日】フォト&レポート

<US-RACING>
Photo&Report by Hiroshi Nakajima

 ドイツといえばビア・ホール。コースの外にも当然のようにビア・ホールが設置されていたが、外側の看板はアメリカを意識してか、なんか妙な絵になっていた。コロナ・ビールはメキシコだが、彼らのイメージの中ではアメリカだったのかなぁ? もしスポンサーを意識しているのだとしたら、やはり“テカテ”もないと。決勝前にはハーレーのパレードも行われる予定だ。

 セッションの合間にペースカーに同乗するチャンスがあってコースを周回したが、乗せてもらったマスタングもずうっと全開だった。コーナーが延々と続くような感じで、かなりの横Gを感じたが、チャンプカーはこの比ではないだろう。クリッピングポイントから徐々にコースの外側へ向かって膨らんでいくのはかなりの迫力がある。どうしても迫ってくる壁に目がいってしまうのだ。ところでペースカーのドライバーは女性だって知ってました?

 チームメイトと同じ仕様のマシンながら、2位に甘んじてしまったジュンケイラ。“できるだけ短いラインで全部全開で行ったのになぜだ?”と記者会見で不満をぶちまけていたのが印象的だった。おなじF3000チャンピオンで2年もチャンプカーの経験を持ちながら、ここのところルーキーのボウデイにやられっぱなし。レースではこれまでの経験を生かし、ぜひとも今季初優勝を獲得して欲しい。

 初めてのオーバル・イベントで見事ポール・ポジションを獲得してしまったボウデイ。オーバルでルーキー・イヤーにポールを取ったのは1999年のモントーヤ以来で、実はチームにとってもオーバルでのポールは同じ年のリオ・デ・ジャネイロ(フィッティパルディ)以来のことだった。ブランズハッチと同じウイングを使用しなければならなかった今回、チームの作戦も成功。コース幅をギリギリまで使わず、できるだけ外側に行かない走りをしていたのが印象的だった。

 悪夢の事故から1年半、両足切断という衝撃的なクラッシュに見舞われたユーロスピードウエイに、ザナルディが帰ってきた。レース・スケジュールのなかった金曜日に非公開のテストを行い、走れるかどうかを確認。非公式ながらバッサーの予選タイムよりもいい37.7秒を記録して、関係者を驚かしていた。記者会見では、“ピットストップに1年半もかかってしまったよ!”と答えるなど、いつものジョークを交えながら終始笑顔に溢れていたザナルディ。明日の決勝前に前回走れなかった13周を走破する。